厭債害債(或は余は如何にして投機を愛したか)

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zoom RSS ようやく伸びてきたクレジットカード利用(ウォールストリートジャーナルアジア版より)

<<   作成日時 : 2006/11/08 13:09   >>

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今日の記事("Japanese learn to love credit card")では、いまだに米国の支出の25%がカード支払いであるのに対し日本のほうは8%にとどまっているものの、2003年度のカード利用額の伸びが6.4%であったのに対し、2004年度は10%、2005年度は15%と伸び率そのものが大きくなっていることが注目されていた。先日も書いたが東京メトロでも来年3月からクレジットカードの利用が可能になるとのこと。電気、ガス、インターネット(我が家はIP電話ですから)料金はすでにカードからの自動決済が行えるようになっている。こうやって利便性が高まるにつれてますますカードの利用が増えてくるに違いない。投資家として気になるのは、カード与信高が増えることによる今後のABS市場への波及であるが、おそらく今の相場環境ではポジティブに受け止められることだろう。

ただ、カード先進国との比較で言うとやはりまだまだ改善の余地は多い。
アメリカでカード口座を持っておられた方ならご存知だと思うが、ウェッブサイトで自分のアカウントにアクセスしたら、そこからいわゆる「会計ソフト」へのデータの落としこみができるものが多い。所得データをあつめ、支出をカードに集約してしまえば、ほとんど苦労することなく確定申告書類までもっていけるはずだ。日本の場合余りにカードが使えないところが多すぎて実用的とはいえないが、使えるところが増えればこういったソフトの利便性は大いに高まるだろう。

消費社会であるアメリカではカード会社も相当厳しい営業攻勢をかけていて、対象になりそうなお客さんには嵐のようなダイレクトメール攻勢をかける。しかし顧客の側にはそれを厳しく選別するというインセンティブがある。というのはアメリカの場合個人のクレジットスコアリングが発達していて、いわゆる「よい債務者、利用者」と「悪い債務者、利用者」がその点数で相当明確に線引きされる。その点数を左右するひとつの大きなポイントが「短期間にカードをたくさん作っていないかどうか」ということである。米国駐在員で駐在開始直後あわてていろんなカードを申し込んでしまいクレジットスコアを落としてその後1年間カードが作れなかったという笑えない話もある。逆にいい債務者とされれば(一定の期間以上きちんと遅れもなく支払い続ける。一番いいのは住宅ローンの債務をきちんと払い続けていることだと聞いたことがある)どんどんカードの案内が来るし、いい利用者に対しては会費やサービスに対して相当な融通が利かされることが多い。

日本でクレジットカードがそれほど普及しなかった理由は、逆説的だがやたらと会費無料のカードが乱発されていることにも理由があるかもしれない。日本では(裏にはちゃんとあるのかもしれないが)アメリカで言うクレジットエージェンシーもなく自分の信用スコアを知る方法もなさそうで、それがない以上無料カードの乱発はほとんど審査していないと考えるべきなのだろう(そもそも住所が自分で手書きできる写真のない健康保険証のコピーで借金ができる国である)。そういう背景があれば店の側も不安に思うだろうし、取り扱いを手控えるだろう。もちろん手数料の問題はあるにしても、回りがみんな取り扱っていれば自分だけ取り扱わないということができづらくなるので普及は進むし、店の側でもそれに伴うメリットがあるということを理解するはずだ。なによりもクレジットスコアリングのシステムが未整備(国民背番号制度と一体であるが)なことが効率を著しく阻害しているとおもう。国家に秘密を握られるというのは怖い気もするが、生産性の向上という命題もあることだしそろそろまた議論を始める時期かもしれないとおもう。

なお、会費というのが加入者側のネックであるとすれば、会費ありカードにも(意外に知られていない)それなりのメリットがあるということを紹介したい。
代表的なのがア●ックスで、普通のグリーンカードは会費が1万円以上するが日本国内外の空港で一定のラウンジが使えるし一部ではビールも飲める。羽田空港では2箇所のレストランで単価1000円程度の食事ができる。ゴールドになると会費3万弱するが、海外旅行保険がつく。これはどこでチケットを買ったにかかわらずつく。これは以前はプラチナ会員のみの特典だったので、相当お得な感じがする。3回ぐらい海外旅行に行けば元が取れそうだ。さらに言えば(書いてしまっていいのかな?)私はここのカード会費を一年間免除してもらったことがある。深い理由はなく、「使わないからもうやめたい」といったら先方から提案をいただいた。結果的にその後また会費を払っており、相手の思う壺だったのだが。別にごねたわけではないので、念のため。おやおやカード会社の宣伝になってしまったのでこの辺で。

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内 容 ニックネーム/日時
歴史的に考えると、クレジットカードがわが国で普及しなかったのは次の理由かと

1)銀行本体が直接クレジットカードの発行ができなかった。米国の場合、ノンバンクよりも銀行が直接カード発行してるケースが多い気がしますが、わが国の場合だと最近まで銀行が直接クレジットカードの発行ができませんでした。どちらかというと、JCBやNICOSのように信販系がカードを発行し始めたのが始まりで、信用販売金融の延長上というのが銀行口座の顧客基盤から営業ができる銀行と比べて難点があったのではないかと

2)業態でカード発行主体が分断された。信販系以外だと、流通系、銀行系、最近だと皿菌系もありますが、スコアリングに必要な信用情報が業態で分断されて相互に交換できなかったというのも、顧客の利用形態にあわせて与信を行うクレジットカードの発達では致命的な問題があると思います。まぁこれは消費者金融にも言えることですが
von_yosukeyan
2006/11/09 01:37
3)アクワイヤラーとイシュアーが同一。会員に与信を与えてカードを発行するイシュアーと、加盟店に与信を与えて端末トランザクションを処理するアクワイヤラーが同一主体で、分業化による効率化が図れていません。カード会社は、トランザクション処理に巨大なシステムを抱えていますし、会員と加盟店の双方に事務負担やセキュリティを提供する必要があります

4)クレジットカード以外の決済方法がある。口座振替や、口座振込、郵貯払込決済など、クレジットカード以外の決済手段が存在していて、クレジットカードがなくても一応決済ができるという点も大きいのではないかと思います

5)収益モデルが決済手数料に依存。リボビリングに対する法規制の解除が遅れたために、クレジットカードの支払いはほとんどの場合、翌月一括払いで借り入れ手段としてのクレジットカードの利用率がそれほど高くありません。従って、カード会社の収入は欧米のように金利収入ではなく、決済手数料が主体です。しかし、決済手数料に依存する収益モデルは、決済手数料の上昇を招き、加盟店にカード決済の利点を強調することができなくなります
von_yosukeyan
2006/11/09 01:37
6)決済システムが官製。クレジットカードの決済ネットワークは、日本の場合ではNTTデータが運用しているCAFISが独占していて、決済手数料が割高な上に、競争原理が働いていないので手数料が高止まりしています。同じように、全銀ネット(同様にNTTデータが運用)などにも言えます


仰るとおり、無料のカード発行の乱発も大きな問題だと思います。与信情報の交換が完全ではないために、限度額が低いカードが乱造されて、カード口座辺りの収益率が低いという問題を生んでいるのはご指摘の通りです。少し前まで、地銀の個人営業と言えば、「住宅ローン、定期積金、カードの勧誘」の三つくらいでしたから。ただ、最近はカードの利用額に応じてポイントを供与して、顧客の利用率を高めようと言う動きが進んでおり、いわゆる「陸マイラー」がポイント還元率の高いカードに殺到して、カード利用率を高めているのではないかと
von_yosukeyan
2006/11/09 01:53
ただ、金融手段としてのクレジットカードに加え、付帯サービスが充実したT&E系のカードにはあまり注目が集まっていませんね。日本でも、ダイナースや、Amexセンチュリオンといったカードに加えて、最近ではVISAがプラチナカードを推進し始めて市場が広がったように思えますが、まだまだカード利用といえば与信枠とポイント還元の方が注目を集めてると思います。便利だと思うんですけどねぇ・・・。
von_yosukeyan
2006/11/09 01:54
von_yosukeyanさん、詳細なコメントありがとうございました。私自身はあまり日本のカード事情に詳しくなかったもので、参考になります。いずれは消費者金融の一部がクレジットカード経由で発展すると言う形になるのでしょうかね。
厭債害債
2006/11/09 23:31
すでに、数年前から皿菌の一部は国際ブランドのクレジットカード(主にMaster系)を発行しているようで、自動契約機で即時発行したり、従来のローンカードにクレジットカード機能を付けてローン顧客の取り込みを図ったりと、結構努力をしているようです。しかし、年会費無料カード(流通系など)が溢れている状況で、なかなか拡大も難しいようで、収益に対する貢献度はまだ低いのが実情です。加盟店開拓では、決済端末を無料でばら撒くといった豪快なことをやっていますが・・・。

クレジット決済というと、利用客(主に個人)が加盟店(主に企業)に対して一方方向の決済手段を提供するというイメージが強いのですが、海外では企業や公官庁の経費清算としても使われているので、法人金融の取り込みも重要ではないかと思います。特に、中小企業向けの金融では、融資スコアリングに銀行口座だけでなく、カードのトランザクションも参考にしていたりするので、人的要素に依存した融資慣行からの脱却を図っている邦銀にとっても、手数料収入拡大以上の利点があります。また、コストのかかる手形のような現物がからまないのも利点ですね
von_yosukeyan
2006/11/12 18:43
von_yosukeyanさんのおっしゃるように法人までカードに取り込めればより大きな市場としての可能性がありますね。アメリカでは会社のカードをアメックスにしていましたが(数名の会社でしたから)、何のことはない、個人の信用で会社の名前入りのカードを別枠で発行していただけでしたが、あくまで個人信用情報上は個人がカードを作ったことになっていないというところがミソでした。
あと、面白かったのは、バランストランスファーといってあるカードの残高をほかのカード(たとえば金利を割り引いているとか手数料が安いとかの理由で)へ簡単に振りかえることができるということ。カードが消費者金融の代わりになれば、こうした「一本化」みたいなビジネスも結構いけるようになり、自然と金利の淘汰が働くのではないかなどと思ったりもします。
厭債害債
2006/11/13 22:41

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