厭債害債(或は余は如何にして投機を愛したか)

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zoom RSS 金融村でのしきたり

<<   作成日時 : 2006/12/21 22:51   >>

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日興コーデュアル証券が炎上している。まだ正式な調査結果は出ていないが、粉飾まがいのことをやった可能性がある。会社側の釈明もいまいち説得力がないのでかなりの処分は免れないだろう。

わが社でも子会社を含め付き合いがある取引先であるが、一般的に機関投資家とよばれる主体では、取引先の不祥事に関しての対応が一定の範囲でルール化されていることが多いと思われる。当社の場合ではこのルールにのっとり当面取引停止である。今回の「当面」はある程度の報告が出るまでだからかなりの時間かかるだろう。ほかの多くの投資家もそういう対応だろうと思う。ただ、金融庁がこれについてそういう指導をしているわけではない。われわれのケースでももとは公的年金を扱う独立行政法人などを中心とした年金顧客サイドの要請に基づくと聞いている。

まあ悪いものを悪いというのはそれでいいのだが疑問がある。正式な判定が出ない状態で(つまり当局や規制側と相手当事者との間に言い分の相違があるばあいで)われわれが一方的に「判断」してしまっていいのかということ。取引停止が長引くことは下手すると倒産につながりかねない。

この判断は本来もちろんわれわれの「経営判断」であるが、実際にはその「判断」が別の主体によってある意味で強制されていることも問題である。本来は運用としてどういうやり方がベストか、細かい問題については受託先に任すというのが正しいやり方であると思うのに、大口顧客はなぜかこういう問題では相当厳しい判断を強制しているのが現状だ。もちろん、顧客は最終的な利害の帰属先だから、その判断に従わなければならないことはもちろんだが、われわれは集合体としての年金を取り扱っており、すべてが同じ意見かどうかは検証できない。したがって「もっとも有力な」主体の意見が支配することになる。もっとも有力な主体とは、厚生労働省の強い支配のもとにある。

お役所のよいところはきちんとしたルールにのっとりさまざまな事象を運用していくことである。しかしこのケースで扱うのはお金であり、受託先であるわれわれはお客さんのお金を最大限に増やすことを目指すのだが、本当にこういうやり方がベストかどうか検証はされていないだろうと思う。極端な話、スキャンダルで苦しくなった取引先が甘いスプレッドで社債を発行したとき(もちろんつぶれないという確信があればだが)それに投資することは顧客利益に寄与することもあるだろう。つまり、悪いことをした相手であっても、営業することが認められている以上そこと取引することやそこの製品を買うこと自体は違法でもなんでもない。要するに取引停止というのは「私的制裁」であり、絶対にしなければならないものではなく、経済合理性から別の判断がありうるのだ。ところが、社会全体にその相手先の「悪さ」が強調されるため、「庶民的」ないし「役所的」アプローチでの事実上の「村八分」、「いじめ」が発動され、まず私的制裁が行われる。受益者にとっての経済的なメリットデメリットはほとんど検討される余地がない。

残念ながら、世界中の年金基金に共通した問題はどうしても扱うお金が大きくなりすぎて、個々の事態に最適なきちんとした判断ができにくくなっている。私的制裁のルール化というのはそういう主体の巨大化という問題と切り離せない。受託先であるわれわれは、そういう「庶民」と「役所」の価値判断に振り回され、機械的なアプローチを迫られる場面が増えてきているような気がする。

ちょっと関係ないかもしれないが、新聞でその「大儲け」ぶりが伝えられている米国投資銀行のG・・・S・・・社が社債を発行した。10年ゾーンで5年の2倍のスプレッドを支払うという最近まれに見る「大盤振る舞い」であった。同社の格付けから見てもこれはなかなかジェネラスだった。儲けすぎ批判を回避するために「投資家への還元」を意識したプライシングではなかったかと思う。これもまた「異例」ではあるが、金融村というのはきわめてウェットな世界であり、役所流の教条主義的アプローチだけでは本当はまずいのだろうと思っている。
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