厭債害債(或は余は如何にして投機を愛したか)

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zoom RSS 多少日銀の肩をもってみる

<<   作成日時 : 2007/02/23 06:44   >>

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今回の利上げについて、1月にやらずに2月にやるのは状況が筋が通らないという意見も多いし、GDPのような過去の数字に依拠するのはフォーワードルッキングといっていることと矛盾するという意見もあるし、なによりCPIがこれから下がるといっておきながら利上げっていったい何?ということもあり、いずれももっともな意見である。
票決については前回の6対3から逆に1対8に振れたことで一部審議委員としての判断の一貫性を問う声もあるだろう。

しかしながら、自分自身が所詮理論的思考パターンの持ち主ではないからでもあるけれど、日銀の行う決定は金融「政策」であるということを改めて思い起こすべきであろう、とも思った。

今回前日に財界の代表から「利上げはそれほど影響をおよぼさない」とのコメントが流されたことを見られた方も多いだろう。大企業の代表がこういうことを言うわけであるから、民間代表の審議委員は要するに福井総裁に頼まれれば利上げ賛成票を入れることは想像がついた。私はこの段階で勝負あったと思った。それは金融「政策」であるから、一応いろいろ理屈はつけなければならないとしても最後は「政治判断」であるということで、民間がいいといっている利上げをもともと「正常化」を勧めるべきだと強く信じている福井総裁がやらない理由はない。

1月の事件の反省から福井総裁はいろいろと動いてG7もその道具に使ったのではないか?中川幹事長が急におとなしくなってしまったのは、おそらく国際批判(円安そのものと金融政策介入との両方)への配慮があったと思われるが、これは2月のG7前後のごたごたが大きく影響していると考えられる。一連の欧州首脳の円安懸念発言がやらせというのはちょっと考えすぎだろうけれど、欧州で前から円安懸念発言を繰り返していた数少ない首脳のECBトリシェ総裁は福井総裁と仲良しであることを考えると、日銀の立場に多少同情が集まっていたとも考えられるから、そういう雰囲気を演出していたとしてもおかしくない。こういう外圧まで利用して「議決延期請求権」まで封じ込めた手腕はさすがだ。これも「政治」である。

インフレターゲットの立場からは、日銀の利上げなんてとんでもないということになる。しかし、そもそも今見ているインフレ率だけを見ていていいのか、という別の議論もあるだろう。一定の流動性のある資産(バブルのときは不動産だって流動性が増しますし)を持ちそれが大きく値上がりする中で、一切無視していいのか?理論的にはともかく「政策」としてはどうか?という議論もあるだろう。そもそも経済学、金融政策論というのはそれほど確立したものではないと考えているし、刻々変わる社会情勢に応じて常に修正を加えていかなければならない「実学」である。実際の「政策」は生身の社会を相手にしており、失敗は許されないのだが、だからこそ、がちがちの理論どおりの事を行うのではなく、むしろ経験や勘のぶぶんが入る余地は十分にありそうな気がする。その意味でこれはやはり「政策」であろう。

説明責任とか透明性という問題もある。しかし、政策決定発表直後に日銀はFRBなどよりも詳しく背景を記者会見で説明している。文書ではなく記者会見だからついつい突っ込まれやすいことも言う可能性があるにもかかわらず、よくやっていると思う。透明性についても、すでに市場は8月以降の利上げ年度内2回=1%ゴールをほとんど織り込んでおり、これは福井総裁の記者会見から導き出されているではないか?その意味で市場との対話もできているのではないか?(これまではともかくとして)。

1月の決定会合では関係者すべて敗者となった。2月はその逆ですべての関係者が面目を施した。問題はこの後である。日銀は「政策」として利上げを敢行した。政府が「日銀の責任で」とコメントしたことは正しい。「政策」である以上結果責任を問われる。それだけである。

(って、書いてて疲れますけれどね)。20年債思ったように買えません・・・・。お願いだから「大手」の方々、無茶しないで・・・

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