厭債害債(或は余は如何にして投機を愛したか)

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zoom RSS 外貨運用の利益は「利益」ではない?

<<   作成日時 : 2007/05/17 18:40   >>

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本石町日記さんのところで5月8日の経済財政諮問会議での塩崎議員(官房長官)の発言が取り上げられていた。要するに(必ずしも真意は明らかではないが)日本国が持つ資産の運用効率を高めるべきだというお話であり、外貨準備の運用を念頭に置かれていて、GIC(シンガポール政府投資庁)や中国が予定している投資公社のようなものをイメージされているのだろうと思う。

http://www.keizai-shimon.go.jp/minutes/2007/0508/shimon-s.pdf

本石町さんのところのコメントにも書いたのだが、この会合における議論の中で伊藤(隆敏東京大学教授)議員が外貨の運用の(金利差分の)利益については金利裁定が働くので準備金に計上すべきものだという意見を述べている。これを読んだとき一瞬そうかな、と思ってコメントにもそう書いたのだけれど、なんとなくしっくりこない。しばらく考えてその原因は、伊藤議員の意見がマーケットの水準が金利差と将来の金利差の動向をすべて織り込んでいること、すなわち市場の効率性を前提にしているからだろうと思った。

市場の効率性が成立するには、情報がすべて瞬時に平等に参加者に取り入れられそれが即座にプライスに反映する必要がある。しかし、為替市場は実はこの世界からもっとも遠いのではないか。なぜなら究極のインサイダーである政府による介入とか中央銀行による金利操作という要素が大きく左右する市場だからだ。しかも、企業の収益情報と異なり通貨保有による収益率を決定する大きな要素であるところのインフレそのものの数字がバイアスがかかりやすく捉えづらい。これによって為替市場ではミスプライスが生じる可能性が極めて高いと考える。ミスプライシングが生じるのであれば裁定機会が生じることになるから、その利益は将来的にかなりの蓋然性で損になるとか絶対返さなければならない代物とかとはいえず、利益として認識することもありだと思う。ましてや合法的インサイダーの親玉の管理するアカウントなのだから、ますます利益としてあげてもなんら問題ないのではないかと思ったりする。

なお、重箱の隅をつつくようだがこの議論の中で伊藤議員が外貨準備の運用の仕方を変えるのに「外為法」の改正が必要だと述べているのは明らかに思い違いか言い違いか議事録を作成した方のミスか、そのいずれかだろう。外為法(通常「外国為替及び外国貿易法」をさす)というのは民間主体の外貨取引を管理する法律であり、外為特別会計の運営方法を定めたものではない。おそらく「外国為替資金特別会計法」の事ではないかと理解している。

それにしても素朴な疑問なんですが、どうして「資産債務」改革って言うのでしょうか?我々は学校では「資産vs負債」「債権vs債務」と習ってきたので、ちょっと違和感がありますね。きっとなにか理由があってそうしているのだと思いますが。

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