厭債害債(或は余は如何にして投機を愛したか)

アクセスカウンタ

zoom RSS 中国のサブプライム投資とアメリカの戦略?

<<   作成日時 : 2007/09/05 17:43   >>

なるほど(納得、参考になった、ヘー) ブログ気持玉 1 / トラックバック 2 / コメント 5

中国のサブプライム関連投資が話題になり始めている。

中国銀行はすでに97億ドルと発表しているが、ほかの中国工商銀行や中国建設銀行もまったくやっていないわけではないだろう。ただこれらの銀行は比較的少ないといわれ(国内に投資先がまだあるということか)一説では銀行全体でもせいぜい130−150億ドル程度という見方もある。
しかし、中国の保有する外貨準備での社債の保有がいまだによくわからない状態である。外貨準備の内容を正確に公表していないのだが、ある2次資料によると中国(必ずしも外貨準備ではないのだが)の保有する米ドル建て社債の金額が1000億ドル以上にも上っているようで、その多くが不動産担保証券(通常のエージェンシーMBSなどもここに入るだろう)だということである。

なぜこのようなことを考えているかというと、先月末に中国で財務大臣が突然辞任するということがあったからだ。

北京30日AFP=時事】中国国務院(中央政府)新聞弁公室は30日、AFP通信に対し、金人慶財政相(写真)が個人的な理由で辞職願を提出し、中央政府がこの要請を受け入れたことを明らかにした。政府はすでに、政府系シンクタンク、国務院発展研究センター副主任への金財政相の任命を承認しているという。
香港紙は、金財政相は女性スキャンダル絡みで解任されたと報じている。香港紙・明報によると、金財政相は、中国石油化工集団(SINOPEC)の陳同海会長に女性を紹介した後、解任されたという。同紙は、金財政相とこの女性との関係ははっきりしないと伝えている。
金氏は2003年から財政相を務めていた。これまでに国家税務総局長、北京副市長などを歴任している。〔AFP=時事〕

なんだかよくわけのわからない理由だと思ったのだが、事実上の更迭であることは疑いない。この時期だけにサブプライム関係投資との関連性もなんとなく疑わしいと思うのは私だけだろうか?

ここから先はほぼ妄想の世界に突入するのであまりまじめに受け取らないでほしいのだが(といいつつ結構まじめに書いているのだけれど)、いろいろな形で急激に外貨準備を増やした国は中国であったりロシアであったり中東の産油国であったりインドなどの核保有国であったりまあアメリカにとって必ずしも未来永劫にわたって親しみを持ってくれる国ではないところが多い。過去にも色々いきさつがあった国々である。そういったところがお互い好むと好まざるとにかかわらず米ドルを握り締め、イザというときにはそれをもってアメリカの企業を買いあさろうとしているのである。
まあ企業なんて所詮グローバル化しているからいいではないか、というさめた見方もあるが、アメリカ人(人種は関係なく)が支配しているかどうかは安全保障上も覇権という見方からもきわめて重要な問題である。しかしながら一方で経済を支えるためにはドルを流して世界中のものを買い捲らねばならない。その結果ほかの国のドル保有は増えるばかりである。

今回のサブプライム問題は実はそのソリューションとなりうるのではないか?つまりアメリカ自爆テロ説である。サブプライムやLBOに関連した債券商品を投資銀行、格付け会社が(もちろん政府と結託して)大量に世界中にバラまく。外貨準備の運用に困る諸外国は、高格付け商品に飛びつく。あるいはそれらで運用するヘッジファンドにもお金を投入する。こうやって高密度爆弾が世界中のドル保有者の手元に送り込まれる。

自爆テロではあるが、実際アメリカの経済に与える影響はそれほど大きくないだろうと思っている。サブプライムそのものの延滞は基本的にARM(変動金利)で発生し、今問題となっているのは金利リセットによる支払額急増で払えなくなる人々が増えさらにデフォルトが増えることである。しかし、モーゲージ全体のプライム層にきちんと貸しているケースや、サブプライム、ニアプライムであっても固定金利で借りている場合は、別に支払額が特に増えないから問題が生じないはず。ARMのサブプライムやAlt−Aの金額は完全に「読める」わけでそれに対して対応必要な金額も読める。必要なケースを救済することは可能である。
貸し手であるが、彼らはすでにそうしたローンを転売しており、てーへんだぁといっているようであっても、まあせいぜいこれから商売ができなくてつぶれるだけであって自分自身が長期にわたって処理すべき不良債権を抱えたわけではない。所詮はもともとその辺のごろつきみたいな連中をにわかに雇ってセールスに仕立てたのが職を失うだけである。

同じことは組成販売した投資銀行にも言える。あくまで現状のリスクは、これらの根っこの部分が高濃度に濃縮された後主に外国の投資家やヘッジファンドに抱え込まれているのである。ヘッジファンドも実は何も困らない。運用者はこれまで十分な収入を得た後ファンドをクローズするだけだ。ヘッジファンドの投資家が困るのである。巧妙に練られたスキームを通じて米国の主だったプレーヤーは無傷で過ごせるようになっている。むしろマーケットで投売りが出ることを見越して着々と買いあさっているとの声も聞かれる。

もちろんSIVなどのバックアップを引き受けた銀行は大変だろう。しかし意外なほどアメリカネームが今回は登場していない。この点も注目すべきだ。

よく考えるとアメリカはそれほど困っていないのである。景気に与える影響だって?もともと家を買えなかった人が家を失ったところでどれほどの影響が出るんだろうか?住宅価格の現象はホームエクイティーの減少につながり、多少は減速するだろうが、深刻なリセッションになるというほどとは思えない。第一に株が他国に比べて割安である。

ロシアでも不動産が下がり始めているという説もある。今回の信用の逆転は絶妙のタイミングで伸びきったところで仕掛けられたのではないかという疑いが捨てきれない。

と成れば、外貨準備をドルからユーロなどに移そうという動きが出るかもしれない。しかしここでもアメリカは巧妙に弱いところに時限爆弾を仕掛けたようだ。欧州の金融政策の困難さを巧妙に攻めてきている。今回もサブプライム関連でやられたのはドイツだった。東西統合と欧州統合という複雑なプロセスを経て、いずれの国もそうだが公的金融の位置づけは縮小しつつある。とりわけドイツの旧公的銀行の役割はきわめて微妙なところにある。彼らが存在意義を賭けてやってしまったのがこうした投資ではなかったか?(日本の地銀や公的金融機関もその意味で同じリスクがある)。そしてフランス人がECBを牛耳っているなかで、ドイツとの間に微妙な温度差が生じ、さらにはユーロ加盟国が2004年から飛躍的に増え金融政策が統一的にとりにくくなっている。ECBが金融決定会合のたびに次回の利上げを明確に示唆するようになったのも、きちんと予測を与えないとばらばらなことになってしまうのではないかという恐怖感が強いからとも言われる。

いずれにしても、今回は仕組み商品の損が特定の国の金融システムに入り込んでしまった欧州が最も影響を受けるのではないかと思う。金融政策が極めて難しくなる。トリシェ総裁の混乱振りはこれを示唆していると思う。これはユーロの信任というところに相当効いてくるのではないか。

あくまで米国経済への影響がどうかという点が重要である。これがあまり出ないようだと、今回の事件の自爆テロ説が結構説得力を持ってくると思うのだがどうだろう?

もちろん、自爆だからまったく無傷ではすまない。今回の実行犯役(生贄)は「格付け会社」にほぼ決まったのではないか。

なお、繰り返し言うが、これはあくまで勝手な妄想であるので、まじめなツッコミはご容赦を。

テーマ

関連テーマ 一覧


月別リンク

ブログ気持玉

クリックして気持ちを伝えよう!
ログインしてクリックすれば、自分のブログへのリンクが付きます。
→ログインへ
気持玉数 : 1
なるほど(納得、参考になった、ヘー)

トラックバック(2件)

タイトル (本文) ブログ名/日時
そろそろレンジ相場から抜け出すか?
ずーっとチャートを眺めています。8月29日、がくっと下がってドルが114円前半ポンドが227円台まで下がってましたが、すぐに値をドルが115円50銭付近、ポンド232円から233円あたりに戻ってからさっぱりうごいてません。もう1週間以上になりますよね。そろそろ荒れてくるんでしょうけど???ドルが117円超えられないのでやっぱり下がる?皆どうなの?相場も個人投資家がどんどんチャレンジする時代。今までの流れだけでは読み切れないでしょう?でも勝ち続けている人がいることも事実。やっぱ... ...続きを見る
ぷーーさんの日記
2007/09/05 20:50
中国、3年内に石油備蓄量を1200万トンに増やす
国家発展改革委員会の陳徳銘副主任は11日、アメリカで行われた中米石油・天然ガス工業フォーラムにおいて、現在中国の戦略的石油備蓄量は200万 ―300万トンであるが、向こう数年間で、石油備蓄量をすごしずつ増やしていき、2010年までに、石油備蓄量を1200万トンに増やすことを明らかにした。これは中国のエネルギー安全にとって一里塚としての意味をもつ、と専門家は見ている。 また、2020年までに、中国は石油備蓄量を国際エネルギー機関(IEA)が建議している輸入量の90日分に達... ...続きを見る
中国ニュース
2007/09/14 18:59

トラックバック用URL help


自分のブログにトラックバック記事作成(会員用) help

タイトル
本 文

コメント(5件)

内 容 ニックネーム/日時
NY downtown 以前のWTCビルのはす向かい99 Charch Streetの煤けたビルと25 Broadwayが、同時に投資銀行員と称する厚いプレゼン資料の詰まったトランクほどもあるアタッシュケースを持った男たちに襲撃された。ターゲットは、格付委員会を牛耳るメンバー。襲撃犯は、サブプライムという商品やその加工品CDOとやらに、AAAマークの刻印を押せという。トランクのなかには、ドル紙幣がたんまり入っていた。1件30~50万jでどうかね。話は容易に決まった。 まずは着手金1000件で。
テロリストがアメリカ経済を混乱に陥れるのは、たやすかった。
lindemans
2007/09/06 00:15
lidemansさん、どうもありがとうございます。小説になりそうですね。
以前ミーティングでNYの某格付け会社オフィスを訪問しましたが、事前にあるかたから「傾向と対策」を授かりました。担当者はこういうタイプの人だからこういう封に説明するべきだとか。格付けというのはえらい属人的な話なんだなぁと思ったものです。一応その格付け会社の名誉のために申し上げると、実際はそんな感じはありませんでしたが。
厭債害債
2007/09/06 12:20
そんな俗人的なのはないでしょう。格付ガイドラインが決まっていますから、それにそれては個人技はできません。ただ格付アナリストは絶対にひとりでは出てこない。青信号も、ひとりでは渡らない。ふたり、3人で、確認し会って、青だねと。ある日突然色が区別できなくなるリスクがありますし。ひとりは、MBA(断然stanford, chicago, harvardあたりがいいらしい),一人はlawyer (Yale,harvard外囲らしい)、デリバティブであれば、数量経済か統計学Phdでしょう。
lindemans
2007/09/06 13:37
上の経済を混乱に入れる金融市場の襲撃シナリオですが、ビンラディンに連絡をとって、すぐに実行計画をまとめましょう。飛行機も化学兵器もいらないと。
lindemans
2007/09/06 13:40
lindemansさんどうもです。このブログが当局に目をつけられないために是非次回からヤバイ固有名詞は伏字にてお願いいたしたく・・・(笑)
厭債害債
2007/09/07 12:33

コメントする help

ニックネーム
本 文
中国のサブプライム投資とアメリカの戦略? 厭債害債(或は余は如何にして投機を愛したか)/BIGLOBEウェブリブログ
文字サイズ:       閉じる