厭債害債(或は余は如何にして投機を愛したか)

アクセスカウンタ

zoom RSS G7雑感などなど

<<   作成日時 : 2007/10/22 17:27   >>

ブログ気持玉 0 / トラックバック 0 / コメント 4

週末のG7のステートメントは無力感の漂うものでありました。ドル安の問題に言及せず(まあできないでしょうね)かたや中国に対してあまり実効性のあるとはおもえない為替の言及を行っています。もとより中国も徐々に為替を切り上げてきているところであります。かつての日本やドイツのような旧敗戦国に対して恫喝するようなわけにはいきますまい。

経済成長が減速する原因として、「最近の金融市場の混乱」「原油価格」「米国住宅部門の落ち込み」が上げられていました。どれもこれも米国発のイベント(ここまで急激な原油価格上昇は金融市場の混乱ないしそれを引き起こした主体の行動が遠因)でして、本当になんというか、この國際版亀田一家のような国をどのように落ち着かせるか、まったく持って頭の痛いところであります。

週末のNYの株安は、リーマンブラザースの宮島さんがロイターのインタビューかどこかに書いておられましたが、G7の結果というよりはドイツのIKBとCheyne Capitalが運用するSIVのデフォルト?によるところが大きいのではないかと思います。http://www.bloomberg.com/apps/news?pid=20601087&sid=aG5Nw73ZH6Tg
IKBはドイツ復興開発公庫(KfW)が38%出資する準公的金融機関です。というのはドイツ復興開発公庫には(きわめて新しいものは別にして)債券にドイツ政府保証がついており、これはドイツがその経営にきわめて深くコミットせざるを得ないということを意味しているからです。
その関連会社扱いとなるIKBのSIVについてのデフォルトが政治問題となることは必至です(だからこそドイツの首相や財務大臣は口を極めてヘッジファンドをののしったりするわけですが)が、さすがにこういう過剰なリスクをとった投資の失敗の後始末に公的資金を投入するわけには行かないでしょう。今後ヨーロッパ特にドイツでM-LEC的な買取機構が出てくる可能性もありますが、ちょっとよくわかりません。少なくとも公的資金による事態の収拾というのは論外だろうと思いますから(純粋な国内の住宅ローン問題ではないので)、最悪の場合資産の投売りがじきに出る。株式市場はそれを恐れたのであろうと思われます。

ぐっちーさんのところに紹介されていましたが、昨日は英国の銀行であるバークレイズとRBSがFRBからの借り入れ枠を申請したというニュースが出ていました。もちろんこれは「ドル」のファンディングがきついからFRBに泣きついたわけであり、根っこがドル建てのややこしい資産負債を抱える別働隊がいらっしゃることを宣言したに等しいわけです。通常は自国のインターバンクで調達してスワップすればいいのですが、このご時世でマーケットで調達しようとするとべらぼうな超過金利を取られる。だからいきなり本丸通貨の中央銀行に泣きつくのですが、そのこと自体、状況が結構切迫しているということを示しているのだと思います。IKBの事案をみて結構あわてたのかもしれません。

すでに以前にも書いたように、欧州の状態こそまだよくわかっていない可能性があります。こうやってアメリカとヨーロッパでもぐらたたきのようにいろんな出来事が顔を出していくことになりましょう。とりわけ問題点の本家本元であり、政権交代を控えているアメリカにおいて、ドル安というのはもっとも手っ取り早いオプションでしょう。

もう一つ、ドル弱の背景としてジワリと効いていると思うのが国富ファンドの存在感です。
これは外貨準備の一部を積極運用するものですが、有事の場合をのぞき「塩漬け」と捉えられていた外貨準備(この場合ドルですね)が動き回れるポジションとしてマーケットに出回るわけです。もっと言えば大部分米国債だったものが
・社債
・ヘッジファンド
・PE
・コモディティー
・ドル以外の資産
といったところへ移ることになります。

ある程度はこれまでも生じている動きだろうし、国家に限らず民間レベルで稼いだドルをそういうところに投資したりする主体も多かったはずですから、これまでと大きな違いではないかもしれません。しかし、最も大きいのは「ドルの余剰感」がマーケットに認識されてしまったことではないでしょうか?これだけの規模のドルが海外に抱え込まれている、ということを改めて認識させたのがSWFの一連の報道だったのではないかと思います。

こういう状況の中で、FEDが利下げに追い込まれたとしたら、なかなかドルが持ちこたえるのはしんどいですね。


話は変わりますが、今朝の日経金融新聞に年金基金の投資行動についての特徴が特集されていました。一面に某厚生年金基金が投資するヘッジファンド(ファンドオブファンズの様な感じ)の話が出てました。年10%の絶対収益目標(多分特に断りも無かったので円ベースでしょうね)らしいのですが、これだけの目標を達成するためには、値上がり益の期待できる、しかも長期ではなく毎年値上がりするような資産クラスを見つける必要があり、ここでは原油、穀物、REITなどに投資するこのファンド1社に年金資産の4.5%を委託されるということです。

いろいろいいたいことはありますが、そもそも、長期的に年金原資を増やして保全すべき主体が、このような資産にこれから、そしてこの水準から投資して年率10%のリターン(つまり平均して原油や穀物やREITが年率10%ずつ値上がりするということ)を期待できるのでしょうか?
今後長期にわたって10%ずつ値上がりするなら世の中壊れますし、今後数年で足抜けするつもりなら、短期的なモメンタムベースの価格形成に手を貸すことになります。いずれにしても民間年金ってインフレに弱いんですが、インフレに手を貸してしまうのはありなんでしょうか?ファンドの運用者が天才で日々の鞘抜きを繰り返してずっと10%のリターンを上げてくれるということも無いとはいいませんが・・・。


いろいろと雑感でした。

テーマ

関連テーマ 一覧


月別リンク

ブログ気持玉

クリックして気持ちを伝えよう!
ログインしてクリックすれば、自分のブログへのリンクが付きます。
→ログインへ

トラックバック(0件)

タイトル (本文) ブログ名/日時

トラックバック用URL help


自分のブログにトラックバック記事作成(会員用) help

タイトル
本 文

コメント(4件)

内 容 ニックネーム/日時
お役所のお金が出てきたとなると、そろそろ商品市況も調整局面ですかね。
どうもこの国のお役人様は、算数が苦手なようで・・・。
Eco
2007/10/23 09:06
先日は2重書き込み失礼しました。
"國際版亀田一家のような国"笑いました!小生神奈川の片田舎に住んでいるのですが、昨晩はネイビーたるジェット機が夜11時過ぎまで飛び回っていました。 お陰で楽しみにしていたNスぺの”http://www.nhk.or.jp/special/onair/071022.html"音声が聞き取れない事がたびたびあり、まじで竹やり持って表に出て戦いたかった・・・
BBI&RBSの行動ですが、素人考えだと”先にBOE行けよ!”ですが、お書きになられている様に相当やばいんでしょうね、ついこの前まで散々¥$BASISでおいしい思いしてたはずなのに、肝心な時には??
国富ファンドの積極運用=ドル安ですが、外貨準備預金は通常(亀田)ドル建てですよね。シンガポールを見習えとその運用が積極的になりつつありますが、増やすつもりで運用すればするほどドル安を招き結果自分の資産が目減りする事になる??
風が吹けば亀田が負けるですか?

おじゃましました。
フレッド
2007/10/23 09:44
Ecoさんコメントありがとうございます。僥倖に頼ることなかれ、ということではないかと思う今日この頃です。
厭債害債
2007/10/25 17:53
フレッドさん、どうもです。国富ファンドの話はむしろそれが動き始めることによるドルの余剰「感」の問題かなと。実際にドル安になるためにはドルを売って他通貨を買うという作業が必要になるでしょうから、今すぐに同ということは無いのかもしれませんが、余剰感があればいずれはそうなっていく可能性が強いと思います。
厭債害債
2007/10/25 17:57

コメントする help

ニックネーム
本 文
G7雑感などなど 厭債害債(或は余は如何にして投機を愛したか)/BIGLOBEウェブリブログ
文字サイズ:       閉じる