厭債害債(或は余は如何にして投機を愛したか)

アクセスカウンタ

zoom RSS 予定調和?

<<   作成日時 : 2007/11/02 17:26   >>

ブログ気持玉 0 / トラックバック 0 / コメント 2

こういうのを予定調和というのでしょうか?

シティグループの決算発表と時を同じくして明らかになったスーパーSIV構想、一旦下方修正してまた元に戻った米国の非農業部門雇用者数、利下げでバブルが膨らみそうになった時に出てきたアナリストたちによるシティグループ(またか…)の投資判断引き下げ。
ポジティブ材料とネガティブ材料とが交互にあるいは同時に提示されて、マーケットは微妙な危うい均衡を保っているように思います。

しかしながら、やはり水面下ではかなり煮詰まってきたというか追い詰められているというか、そういう感じです。
10月の後半にはCheyneキャピタルのSIVが破産しそのアセットの買取・処分にRBS(Royal Bank of Scotland)が乗り出したというニュースが出ていました。本当はおそらくもっと相当前から話が進んでいたはずです。でなければ破産から財務代理人選定までがこんなにスムーズにいくはずがない。
http://www.bloomberg.com/apps/news?pid=20601087&sid=aUnwg090nrEE&refer=home
しかし、これもどうやら折り合わなかったようで、破談になったようです。ブルンバーグによれば以下のとおり。
Page 1 of 1
BN 10/30 Royal Bank's Exclusive Talks Expire on Cheyne Refinancing


By Sebastian Boyd
Oct. 30 (Bloomberg) -- Royal Bank of Scotland Group Plc's
period of exclusive talks with structured investment vehicle
Cheyne Finance Plc ran out yesterday.
Receivers from Deloitte & Touche LLP are still talking to
Royal Bank about refinancing Cheyne Finance, which defaulted on
debt earlier this month, the investment company said today in a
Regulatory News Service statement.

--Editor: Anderson.

To contact the reporter on this story:
Sebastian Boyd in London on 20-7673-2075 or
sboyd9@bloomberg.net

この間にS&PによるサブプライムRMBSの大量格下げがあったため値段がおかしくなってしまったのでしょうか。ここでも好材料と悪材料がうまくミックスされているような感じですねぇ。
考えようによれば、ここで投売りになってしまうとほかのSIVのスキーム(特にアメリカのM−LEC)に大きな影響を与えるため、S&Pがそれを身を挺して防いだと思うのは考えすぎですか…でしょうね。

ともあれ時間はどんどん経って言って11月も半ばに近づいていきます。8月中旬に起こったマーケットイベントは記憶に新しいのですが、決算期まえのヘッジファンドの解約などが波乱要因だったとの見方も強かったですね。45日前Noticeというやつ結構あるはずですが、今度はどうなることでしょうか?何事も無く過ぎてくれることを祈りたいものです。

あまり悲観的なことばかり書いても仕方ないので、私がひとりよがりに「希望」と考えている材料を挙げておきます。それはABX.HEのBBB−クラスの価格がかなり底値に近くなっていることです。
ABX.HEというのはいわゆるサブプライムホームエクイティーローンを担保にした証券化商品の先物だと考えていただいて間違いないのですが、クレジットの更なる悪化を見越してこれを売って大もうけされたファンドが結構多いようです。現状これが20以下で取引されている。
http://www.markit.com/information/products/abx.html

最近は上位クラスにまで価格下落が着実に進行しているのですが、これは商品先物市場と同じく、価格変動を狙った人々が狙いやすいマーケットになっているからだろうと思います。この時期に敢えて火中の栗を拾う人がいないことが明らかだからで、値段はどんどん下がる。時々いいニュースを交えておけばたまにちょっとした買いもでて、売り手は利食える。ただ、価格はゼロ以下にならないというところが重要だと思います。ゼロに近くなればこれは先物ではなく「オプション」としての性格を持つ。つまりペイオフパターンが極めて片面的となるということです。わかりやすく言えば損が極めて限定されていて益が無限大になる。これが例えば一桁の価格で買える様になれば、投機的なお金を買いサイドで呼び込むことも可能になってくるでしょう。以前に書いたように米国が住宅保有者のことをかなりプライオリティーの高い存在と考えていることをかんがみれば、デフォルトはもしかしたらかなり少なくなるかもしれない(単なる楽観論かもしれませんが)。

たしかに住宅のデータならびにデフォルトのデータは少なくとも公表されているものを見る限りかなり絶望的ですね。ただ、ABXのデータを見ていただければわかりますが、問題となりそうなのは2006−02シリーズ(2006年上半期分)から2007−02(2007年上半期分)シリーズまでです。当然2007年後半以降はほとんど証券化は出来ていないと考えられるからです。その意味ではエリアというか横の広がりはかなり限定されてきたと思います。問題はその深さというかレバレッジというか、そこのほぐし方にかかってくるのではないかと思います。まあそこが一番難しいでしょうけれど。

それにしても金融政策はこういう状況では本当に難しいですね。中央銀行のかたがたには本当に同情申し上げたいです。FEDの今回の利下げも、前回断りを入れなかったためにマーケットに催促されて下げざるを得なくなった。そのため、今回はインフレリスクと景気後退リスクがバランスしたという断りを入れてあります。しかし、このように主導権を自らの手に取り戻そうとすると、それでは困る、もっと利下げしてほしいという勢力からシティグループ格下げをしたり、金が足りなくなったとか騒がれたりするという嫌がらせを受けるわけです。このへんがグリンスパンとバーナンキの違いといえなくはありませんね。

話があちこちに飛びましたが、結局のところもしかしたら金融政策にしても破たん処理にしてもある程度すでにシナリオが出来ているのではないかという邪推(あくまでも邪推です!)でした。まあそんなこと出来るぐらいなら苦労はないですわなぁ。

と、思ったらこんな記事が。
http://online.wsj.com/article/SB119396956371280131.html?mod=hps_us_whats_news
メリルリンチがほんとに「飛ばし」をやったのではないかという疑いでSECが調査に入ったというWSJの記事ですが、これが本当だとすると、メリル自体ただではすまないだろうと思います。メリルがただですまなければ米国金融もただではすまないということだろうと思います。

テーマ

関連テーマ 一覧


月別リンク

ブログ気持玉

クリックして気持ちを伝えよう!
ログインしてクリックすれば、自分のブログへのリンクが付きます。
→ログインへ

トラックバック(0件)

タイトル (本文) ブログ名/日時

トラックバック用URL help


自分のブログにトラックバック記事作成(会員用) help

タイトル
本 文

コメント(2件)

内 容 ニックネーム/日時
どうもです。マスオカです。(休日モードです)
M-LEC、もうだめなのでしょうね。
このような時こそ「替え歌」なのですが、師匠、すみません。宿題忘れた小学生のようなコメントで。考えていません。
予定調和も、いつまでもってくれるのでしょうかね。
fedのサービスが足りないのかしら?
あまり役に立たないのですが、新聞でバフェットさんのゴルフのハンディキャップは20.8という情報をつかみました。
マスオカ
2007/11/03 23:24
マスオカさんコメントありがとうございます。ちなみに替え歌の師匠(というかすでに「大家」と言えると思いますが)は「・・・みたいな」さんでして、ワタクシは不肖の勝手弟子でございます。
バフェット氏、ハンデ20ってことは100以下で回れるってことですね。あーそうですか。アメリカでいたら、そりゃゴルフはうまくなりますよねぇ。
厭債害債
2007/11/05 01:28

コメントする help

ニックネーム
本 文
予定調和? 厭債害債(或は余は如何にして投機を愛したか)/BIGLOBEウェブリブログ
文字サイズ:       閉じる