厭債害債(或は余は如何にして投機を愛したか)

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zoom RSS あえて問う偽装の根源

<<   作成日時 : 2008/01/20 19:54   >>

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今度は再生紙疑惑である。ワタクシの会社でもパンフレット類の表示について頭の痛い問題らしい。

ワタクシにいわせればこの問題の根源は非常にシンプルである。人々がええかっこしすぎ。そして科学や技術に基づいた議論がなされていないこと。行政や立法がそういう議論に基づかずくだらないルールを作ってしまうこと。この3つに尽きると思う。

今回の再生紙のニュースを見る限り、そもそも再生紙をいっぱい入れて多くの人々を満足させるようなものができる技術には達していないということである。行政政治家たちがそういうものを買うことを官公庁に強制するような法律を作るからややこしいことになる。まあ当時は古紙の値段がこれほどまで高くなかったということもあるだろうが、世の中ほとんどの事象について未来永劫同じ状態が続くと思っているのだろうか?この点において政治家や行政はいつも「間抜け」である。信じられないぐらい先を考えないし、変化を感じて速やかに状況にあわせていくという能力に欠けている。

しかし一方で、そういう技術水準であることをきちんと知らしめることのできない状況というのはある意味危険である。間接的であるにせよ、今回は官が民の正しい情報開示を妨げたわけだが、それをうまく使えば今の世の中で「自主的な共同隠蔽」が十分起こりうることを示したわけだ。そういう状況で人々が技術レベルを知らないまま再生紙をたくさん使った紙できちんとした者ができていると思わされてきたことは恐ろしい。

こういう問題はきちんとした技術レベルへの理解が共有された上で、それでも(多少インクがにじんだり汚くなったりすることがあっても、あるいはコストが逆にかかっても)再生紙を使わせるべきなのか、さらに言えば本当に再生紙が環境保護に役立つのか?という議論をしてから判断すべきなのだが、それがすっぽりと抜け落ちていたような気がする。

思うに偽装の根源は情報の偏りと議論の不足である。消費期限偽装についても、消費期限なるものの持つ意味がきちんと理解され、消費期限なるものの本質を問う議論がもう少しきちんとされていたら、ここまで騒ぎになることもなかっただろう。

今回の再生紙はこれまでの偽装とは少し色合いが違う。これまでの事件が品質の悪いものを良いように偽装していたのに対し、再生紙偽装は品質の良いもの(印刷しやすいもの)を品質の悪いものと偽っていたのである。つまり偽装していたのは紙の質ではなく、企業としての環境に対する取り組みなのだ。その意味で企業の側も「ええかっこ」しすぎたことを攻められるべきだ。しかしながら、やはりそういうものの購入を強制するようなルールを行政が、何の技術的な検証もなしに作ってしまうことが問題の根源にあったと思える。

まずは現在の技術とコストのもとで、再生紙の利用が本当に善なのか、という議論をすべきである。そして、品質の悪い紙しかできなくても、それに甘んじて環境を優先するのかどうか、という問題について考えるのが先決だ。そういう議論をサボってきたわれわれのうかつさをさておいて、これが発覚したとたんうそをついていた企業だけを責めるのはどうかと思う。

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コメント(11件)

内 容 ニックネーム/日時
官庁に環境に優しい物品購入の努力を謳う通称「グリーン購入法」は確か議員立法です。いくらお役所が馬鹿でも自分達の手足を縛る法律を率先したりしません。(企業に嫌われたくないですからね。)「ええ格好しい」はお役所よりも政治家です。崇高な理念とビジネス感覚を冷徹に計算できる政治家が小選挙区制と昨今の政治状況で少なくなったようです。議員立法でよくある「〜基本法」って要注意です。彼らの脳内理念は現場をやすやすと超越します。一見すばらしい理念も「ちょっと待てよ」と冷徹に計算し、すぐに拍手喝采しない国民が多数にならないとこんな問題はこれから何度も起こります。
ktkbtmy
2008/01/20 21:54
さらに付け加えると、役所も政治家に対して真っ当な反論さえもしなくなりました。いまの風潮は役所の反論に耳を貸すと、中身も吟味せずに「官僚寄りだ」と叩かれます。声を大にしていえないが、現実的な耳の痛い話が政治家に届かなくなりました。(または聞き入れられなくなりました。)結果、青臭い正論が幅を利かす国になりました。でもそんなのは世界では通用しません。アメリカの役人との話を聞いていると、彼らはそれが「科学的」か「コスト面で割に合うのか」を指摘されます。
ktkbtmy
2008/01/20 22:31
ktkbtmyさん、ご指摘ありがとうございます。議員立法でしたね。失礼しました。まあ政治家はええかっこうしいであるのは多少やむをえない部分はあると思ってますが、ご指摘のとおり理念が現場の冷静な分析を超越し、それにメディアや多くの国民が簡単に乗っかってしまうという構図でもたらされた無駄や害が多いと感じますね。さまざまな問題について、フェアな議論をあちこちで展開してもらいたいと思っております。
厭債害債
2008/01/21 00:39
国家公務員と政治家は数学や科学ができない落ちこぼれだから仕方がないですね。技術立国で科学ができない人は落ちこぼれです。
一般人
2008/01/21 22:10
一般人さん、コメントありがとうございます。おちこぼれという言い方はともかくとして、情緒的な煽りや感情論に基づく報道を廃し、いろいろな面で科学的な議論を進める能力を行政も立法も持ってほしいものだと思います。
厭債害債
2008/01/21 23:09
うーん、新品の値段を上げちゃうっていう解決方法もありますよね。
環境問題ってリサイクルの問題というより、物資の値段が下がり過ぎて、強引に自然を使って一次産業が行われてしまい、過剰な森林伐採や砂漠化が止まらないという問題ですよね。
ようは物価が上がらないと本当は解決できない、物価が上がれば、リサイクルもできちゃうし、人は物資を大切に使う。
だけど、インフレに成ると都市部の貧困層が死ぬ。
だから、懸命に物資の値下げ、自然がさらに壊れて都市部に貧困層がさらに増える悪循環。
環境問題の本質はこういう問題ですよ。
人類はこれをどう解決するのでしょう・・・・
kazzt
2008/01/23 13:49
kazztさんどうもです。最近マーケットが騒がしくてお返事が遅れました。一次産品価格上昇が環境問題の一つの解決であるという見方はあると思いますが、まだまだ備えが出来ていないから経済が大きく調整するということなんでしょう。その過程でおっしゃるとおり淘汰が進んでしまうのでしょうね。
厭債害債
2008/01/24 19:16
農地というのは、いったん砂漠化させると元に戻せない。
すなわち、無理して使って砂漠化させるとその土地を人類は永遠に失う。
そして今人類は狭くなりすぎた地球に生きていて農地のフロンティアを失っている。

市場原理に従って農地を無理使いさせ続けると人類は食料調達能力を永遠に失うんです。
そして、今世界の農地はどんどん瘠せていて、人口は爆発的に増えている。
地球も自然も本当に市場原理などには従わないんですよ。
人間がこの閉じられた地球に従う、適切な流通をつくらい無いと、本当に滅びるんです。
デフレデフレだと金融業者は本当に儲かりますけど・・・
それだけに浸ってると本当に人類は滅びるんだという事も自覚して欲しいです。
短期的視点だけでなく長期的視点でも見ないと本当にダメです。
kazzt
2008/01/28 10:49
kazztさん、どうもです。おっしゃることは非常にごもっともだと思います。ただ、それをコンセンサスとして直ちに実行に移すことは、経済の大幅な後退を受け入れる覚悟が必要です。かなり大規模な合意形成は事実上困難かもしれません。したがってできるだけ個別の国や個人や団体の取り組みによって少しでもそういうカタストロフを遅らせることぐらいしかないのではないでしょうか?
厭債害債
2008/01/30 02:41
>それをコンセンサスとして直ちに実行に移すことは、経済の大幅な後退を受け入れる覚悟が必要です。

そうですね。一気にやるのは無茶かも・・・
でもアメリカあたりがイキナリ一気にやりだす可能性も無くはない。
やりだすと豪快すぎる国なので・・・・

ですので、暫時的に取り入れていく必要がある。
今、リサイクルは経済的な矛盾やカッコ付けに見えてしまうが、本当は違う。
物資を大切に使うという習慣をちゃんと少しづつ作っていかないといけない。
だからカッコ付けでは無く、将来必要とされる一種の保健なのかも知れませんね。

ただ、イギリスのように国内をインフレにして一次産業を守っておくというのは結構必要な戦略かも・・・
kazzt
2008/01/30 09:40
たしかにアメリカという国はやるときは大胆にやってくれますね。それがいい意味でブレークスルーになることもありますが、かの国の環境問題への取り組みについては根本的にあきらめています。無理です。
厭債害債
2008/01/30 23:30

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