厭債害債(或は余は如何にして投機を愛したか)

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zoom RSS 新銀行東京への追加出資

<<   作成日時 : 2008/02/16 13:33   >>

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http://www.tokyo-np.co.jp/article/economics/news/CK2008021402087341.html
まあもともと公的資金で作ったものですから公的資金追加出資ということ自体はありうるのですが、いろいろなところで批判されているようにあまりにも筋の悪い金融機関だったといわざるを得ません。というか、経営という観点からははじめから失敗することが運命付けられていたというべきでしょう。

第一にノウハウ、審査能力がないし、金融庁も指摘しているようにクレジットスコアリングに大きな甘さがある。
第二に、東京都の職員も多くが反対する中、現都知事の強い意志で押し切った案件であること、すなわち、素人がエエカッコするために税金を使い込んだ案件である。
第三にその後もきちんとした都民全体を巻き込んだ議論が起こっていない。今回の追加出資もきわめて筋の悪い対応であり、すでに資本金のほぼすべてを累積損失で食いつぶした銀行がこれから根本的なビジネスモデルを変えることなく存続することはありえない。今回の追加出資もさらに損を増やすだけとなる可能性が高い。


言うまでもなく最大の責任者は石原都知事であり、通常民間企業であれば、こういう決定の仕方や対応の仕方でこれほど巨額の損失を与えたのであれば「特別背任」となるでしょう。もちろん新銀行の個別の融資それぞれはきちんとした手続きをとっているとしても、はじめからだめだとわかっている案件を周囲の反対を押し切って作らせそのうえ漫然と損失の拡大を放置したのは責任者として許されることではありません。少なくとも官僚批判とかそういうことのできるような能力のレベルではないということをご自身がきちんと自認されてやったことの総括をきちんとされなければ納税者はこういう事案を決して許すべきではないでしょう。

たまたま首都機能が東京にあり、ビジネスが集中し財政はゆたかで、こういう経済面でまったく無能な首長でも何とかなっているというのが実態です。はっきり言いますが今の東京都なら平均的な大企業のエグゼクティブなら(学者はだめ)彼よりもっとましな政治ができるでしょう。もしうそだと思うなら次の選挙でそうしてみましょうよ。ワタクシが何よりも不満なのは、東京でも大阪でもそうですが、どうしてこういう人たちが選挙で選ばれるのか?ということです。

いろいろ格好のいいことを言うわりに、これまで結果に責任を取っていないのが石原氏です。あちこちのメディアに発言なさっているようなことを本当に身上にされているようなお方なら、まずはこの件にたいしてご自身の責任を取られるべきです。都知事は「旧経営陣の責任追及をする」と言われているそうですが、「はぁ?」という感じです。繰り返しになりますが無理やり作らせて部下やほかの人に仕事をやらせておき、不都合ができたらその人たちのせいにする。ああ見苦しい。粉飾だとか人のせいにするなんて本当に見苦しい。

ともあれ、まずははじめからだめだと思われていた組織を作って公的資金の出資にいたった判断、そして今回の追加出資の経緯を明らかにする。そして都税のこうした無駄遣いという結果について誰がどういう形で責任を取るか、明確にしてもらいたいと思います。もはや当事者の東京都ですら先行きあきらめているというのは新しいトップ人事でも容易にわかる。新しいトップは財務畑ではあるようですが、民間企業や金融機関の経験はまったくない。ご本人も十分自覚されているように「敗戦処理」です。

もちろん困っている中小企業への援助という趣旨そのものは否定されるべきではありません。しかし、銀行という形を作ったこと自体思い上がりもはなはだしいのです。しかし、すでにニュースで報道されているように、資産比で中小企業向け融資は50%をすでにきっていて、むしろ国債などの有価証券の比率が上がっている。

さらに気になるのは、その他有価証券の含み損が拡大しているということです。はっきりとディスクローズはされていないものの、「デリバティブどを組み込んだ複合金融商品」を時価評価した評価差額が284百万円(会計上当期の損益計算書に入る)、その他保有目的の含み損が1738百万円。国債などからの評価損はわずかで、このうち7割は債券以外の「その他」から来ている。しかもこの金額は昨年より増えているのです。そもそもこの「その他」の投資残高は19年3月末で500億以上あったが9月末では290億に激減している。しかし含み損益のほうはほとんどチャラだったのがいきなり13億円の含み損になっているのです。投信?証券化商品?とか想像が膨らんでしまうではないですか。

そもそも「継続企業の存続に重大な疑念がある」と監査報告書に2半期連続で書かれながら、増資をやるのは背任ではないのか?その増資の責任者はだれか?石原都知事の問題点は「自分の能力に対する根拠のない高すぎる評価」と「独善性」であります。そういう人が銀行などということを思いつくこと自体が思い上がりなのです。キンユウをなめるんじゃない、ということなんですよ。

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コメント(4件)

内 容 ニックネーム/日時
こんばんは、はじめまして。
おっしゃるように、新銀行東京、経営苦しすぎです。
増資をしたからといってビジネスモデルが変わるわけでもないですし、まさに問題の先送りに過ぎないと思われます。これ以上損失が拡大しないうちに廃業したほうがいいと思います。誰も買う企業は出てこないでしょうし。
そもそも新銀行東京の設立のタイミングが遅すぎて、改めて新銀行をつくるニーズがなくなっていたのでしょう。
せめて、ファンドでよかったのかもしれません。
しるし
2008/02/16 20:15
内容はごもっともで私ごときが付け加えることなどありません。私が気になったのはこれについての報道のされ方がどこか他人事で、「一体どうなっとるんじゃ!」というトーンの物が少ないような気がすることです。今回お書きになった内容をそのまま新聞の社説にでも貼り付けて発行したい気分です。
cresta
2008/02/16 21:12
既存の金融の審査というのは護送船団方式で培われたものから余りにも飛躍が無さ過ぎです。金融と融資対象とのリレーションシップの構築が必要なのですが、全く切離された侭です。こういう状態が金融の閉塞を生んでいるのではないでしょうか。これからの叡智を待ちたく考えます。
hbar
2008/02/16 22:33
しるしさん、コメントありがとうございます。本文にも書きましたように中小企業支援という心意気そのものにけちをつけるつもりはありません。おっしゃるようにファンドとかほかの主体にリスクを負わせる仕組みを作れば拍手喝さいだったかもしれないのですけれどね。

crestaさん、どうもです。有権者もある意味無責任かな、と思いますね。それにしてもメディアは一体どうしたのでしょうか?と思います。

hbarさん、どうもです。おっしゃるとおり閉塞感が満ち溢れる金融界では原点に返ったリレーションシップバンキングも一つの選択肢となりうるのかもしれません。
厭債害債
2008/02/18 13:59

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