厭債害債(或は余は如何にして投機を愛したか)

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zoom RSS エコニュートラル?

<<   作成日時 : 2008/02/17 00:19   >>

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今日の日経一面の「環境力」というシリーズでは『ごみ拾いも植林もせず、旅行しただけで地球環境に貢献できた』と喜ぶ人の話が取り上げられた。要するにツアー代金に500円上乗せしそれでバイオマス発電に投資することで排出権を買った形になるからだそうだ。いわゆるエコニュートラルということである。
しかし、ワタクシはどうしても違和感を禁じえなかった。まずは、細かい話だがこの事例では地球環境に『貢献』はしていないだろう。旅行をすることでCO2の増加には寄与している。仮にバイオマス発電に投資していても、その分既存の発電方法を通じたCO2排出が削減されて始めて貢献になる。旅行をしない方が貢献になるのは言うまでもない。
もう一つは、500円ぽっきりの支払いで罪悪感を免れるというのは、なんだか安易だなと感じたことだ。もちろんこういう細かな積み重ねが最終的に大きな成果を生み出すのだろうし、こういった細かいことを通じて意識を高めていくことの重要さは理解できるのだが、こんなわずかな金額の支払いで罪悪感を消して旅行需要を増やしてしまったら環境にはマイナスなんじゃないの?っていうのが素朴な感想である。

そもそも排出権って結構胡散臭いと感じているのはワタクシだけだろうか?あまりエネルギーを使わない途上国や森林の豊かな国がCO2排出クレジットを供給しエネルギー消費の盛んな先進国がそれを購入する。先進国は金を払う代わりに効果的な削減手段を入れることによってクレジットを増やすことができる。非常にもっともらしいのだけれど、これだと逆に途上国やロシアのような森林の豊富な国は努力しないでドンドンエネルギー消費増やして、全体としての排出権ってえらい暴騰してしまうんじゃないかな?そして結局金融業者の新たな飯の種を増やすだけ?

こういった環境を金に変えるという最近の流れに接してワタクシの脳裏に浮かんだのは「免罪符」という言葉。従来の教会堕落の象徴として宗教改革を通じてプロテスタントが生まれるきっかけとなったのだが、環境問題ではどういう展開を見せるのだろうか?

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アグリハート
2008/02/22 10:08

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コメント(11件)

内 容 ニックネーム/日時
人は楽に走ってしまいますね。米国の何でも金融化には困ったものです。実質は印刷しただけの紙幣ですから厭債害債さんの仰る似非になりがちでしょうね。それにしても北京オリンピックでマラソンできる出来ないの議論には困ったものです。
hbar
2008/02/17 11:19
hbarさんどうもです。環境保護はもっと地道に、というのがワタクシの考えなものですから・・・。
厭債害債
2008/02/18 14:00
うーバイオマスは環境に良いかどうかは実のところ疑問符?ただし資源国の独り勝ちは防げる。
CO2排出クレジットは方向性としては間違っていないとは思うけど・・・ロシアとかが余りにも有利に成り過ぎる。今は止めた方が良いですよね。
ルーブル強くなりすぎるのは・・・・まあ、ドルの強いライバルがいた方がアメリカが善人に成るかもしれませんが(笑)・・・

どっちにしても石油の代わりを見つけないと経済的にも環境的にもやばいのは事実じゃないのかなぁ
kazzt
2008/02/19 11:05
国内での排出権取引(年毎に、排出総量分だけ発行されるクレジットを企業が取引する)は、「一律みんな5%減らしなさい」とかより効率よく削減できますよねえ。初期配分をどうするかという問題がありますが。

国際取引だと話が違ってくるんでしょうかねえ。よく分かってませんが、総量が決まってないとか?
luke
2008/02/20 16:58
年賀状の時もやってましたね。電子メールにしましょうが筋でしょう。
ただ排出権に関してはエコロジーを人体ホメオスターシスにたとえると、今までの神経(=金融・政治の)システムが運動神経のみで筋肉を無駄に肥大させていた所でやっと呼吸困難を自覚できるように感覚系を意識(市場)に上らせましょうということでしょう。
やぶ医者
2008/02/20 23:22
よって取り組みとしては大変重要なシステム作りの第一歩であると見守る必要があると思います。
やぶ医者
2008/02/20 23:25
kazztさん、どうもです。代替エネルギーの問題がきわめて重要なことは疑いないですね。エネルギーの供給がおぼつかない中での排出権取引の枠組みは、日本経済にとって縮小均衡になりかねないと思います。これほど資源のない日本では原子力の利用をもっと真剣に議論すべきだと思っています。

lukeさんコメントありがとうございます。これを機にもうすこしまじめに勉強してみたいと思います。

やぶ医者さま、違った角度からのコメント参考になります。人間も環境も苦しくなって初めて病気に気づくということですかね。おっしゃるとおりきっかけとしては有効な仕組みなのかもしれません。
厭債害債
2008/02/22 07:19
>日本では原子力の利用をもっと真剣に議論すべきだと思っています。

原子力だと電気自動車か?悪くない選択だけど・・日本向きではあるけど、アメリカはちょっと電気自動車は無理。ユーロは協力してくれるかな?
ただバイオマスエタノールの開発は日本でも確かに必要ではあるんです。現在使われていない杉林を使ったもの、海藻を使ったものなど研究は始まってる。
ただ、まだまだ実用段階では無い。
食料でバイオマスエタノールは出来ればやめて欲しいです。
kazzt
2008/02/23 10:35
kazztさん、参考になります。ありがとうございました。これから研究が進んで様々な選択肢が増えることを祈るのみです。食料を使うのは、ブッシュがやったようにあらぬところで経済をおかしくしかねないので、慎重な対応が必要ですね。
厭債害債
2008/02/23 16:11
排出権が暴騰したらそれは(CO2削減にとって)よいことです。暴騰した排出権を購入しなくてもよいように、企業はCO2削減の努力をするでしょう。っていうか、それが排出権取引の目的なので、排出権の価格が低すぎるとまずいわけです。ヨーロッパあたりでは排出権価格が低すぎて困っているという話をどっかで聞いたような。
eliya
2008/03/07 13:18
eliyaさんコメントありがとうございます。確かにそういう考え方もあるでしょうね。でも、今のところ大幅に削減するのは無理なのでいずれ結局大量に買わなければならないというのがコンセンサスと思われます。いずれにしてもどこかで成長の一部を犠牲にせざるを得ないということではないかと思っています。
厭債害債
2008/03/07 18:33

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