厭債害債(或は余は如何にして投機を愛したか)

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zoom RSS 米国の自動車販売低迷

<<   作成日時 : 2008/06/04 12:58   >>

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数字を見てもチャート
画像
を見ても、かなり悲惨な状況になっています。5月の国内自動車販売台数は1050万台(年換算)程度で7ヶ月連続の低下となるマイナス11%(対前年同月比)。しかも、内訳はアジア勢がまだ延びているのに対し、米国ビッグスリーはぼろぼろです。日本と韓国のメーカー合計が対前年同月比で3.7%伸びているのに対し、BIG3はマイナス21%。

当然その関連会社であるGMACとか金融子会社の業績も厳しくなっています。業界の苦しさはサーベラス社がこないだ買ったばかりのGMAC株やクライスラー株を売ったと言う憶測記事がでました。サーベラスは否定していますが大体においてサーベラスはクライスラーの80%、GMACの51%を取得したわけであって、こういうことが憶測されるぐらい自動車業界の不況が中から見たら我々が見るより深刻であるという印象を受けます。さらには住宅金融会社救済のために巨額の資金を親会社のGMACやサーベラスが注入する羽目になり、混迷の度を深めています

もちろん不振の理由は消費者の買い控えに加え、原油高騰、ガソリン価格高騰によりガソリンをがぶ飲みするSIVタイプやピックアップトラックなどの車が売れなくなっていて、これらを得意とする米国メーカーが厳しい状況となっていることでしょう。

ところで2002年ごろワタクシがアメリカに行ったころは、やはりハイテクバブル崩壊と9.11事件とかいろいろあって相当落ち込んでいたときですが、テレビでしょっちゅう見る広告がいわゆる0%ファイナンスでした。文字通り車のローン金利が最長24ヶ月程度の一定期間ゼロ%というもの。まあ色々制約もありましたが、間違いなくお客の心をつかみ多少の売り上げ増に貢献したはずです。しかしながら、それも本体や金融子会社の財務がそれを受け入れられる状況であるからこそ出来たわけです。また当時はレンタカーはことごとく新車でした。自動車販売の数字を挙げるために、大量にレンタカー屋に安値で売却したからです。(出張や旅行でよくレンタカーを利用しましたが、一度はマイアミの空港で紛れもない新車のSIV(=走行距離10マイル!)にあたったことがありますし、それ以外でも殆ど1000マイル以内の走行距離のものが多かったと記憶しています)。話はさておきこういうことも、財務に余裕がなければ出来ません。

今回金融バブル崩壊で証券化ビジネスモデルが崩壊した今、金融子会社の将来はかなり厳しくなっており、同じような形での販売促進はおそらく無理でしょう。しかも中古車市場がきちんと回っている限りにおいて低利のローンが終わったあたりで新しい車に乗り換えるなどということもやりやすかったのでしょうが、これだけ車が売れなくなってくるとアメ車のセカンダリー市場の状況は推して知るべしでしょうから、そういうタイプのお客さんもなかなかつかなくなる。

そのうえ、仮に原油が安くなっても、そもそも環境というものへの取り組み方がポスト・ブッシュ政権においては代わってくるでしょうから、かつてのような米国車モデルが相当苦しくなることは明白です。比較的強みがあるバイオ燃料車も、様々な面で先行き予断を許しませんし。

さらに金融子会社の問題は不良債権問題であります。今回のResCapの救済劇も彼らが予定していた資産売却が思うように進まないためその資金手当てを迫られているからであって、要するに不良資産の抱え込みにほかなりません。これは時間が立てばたつほど、バランスシートを侵食していきます。


波及効果の大きい自動車業界のこうした落ち込みは、アメリカ景気の行き先を決して楽観視すべきではないというシグナルとしか見えません。

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コメント(2件)

内 容 ニックネーム/日時
米国の世界支配は破綻したと言えましょう。何と言ってもその真犯人は労働組合に他なりません。働かない労働者が米国を食い物にしてしまった。一番意思を持たないものにだ。穀物からも見放され様としているこの国は大変身を遂げ、引篭り力を蓄えねばならない。又、次の潮流に乗る為に。
Hbar
2008/06/05 13:22
Hbarさん、どうもです。確かに自動車業界の労働関係における負のレガシー(年金や医療費負担)の大きさは競争力をそぐ大きな原因となりました。とはいえ、今回の米国の問題はそれ以上に金融というところに依存して引っ張ってきた経済の制度疲労(良く言えば)という面が大きいと思います。
厭債害債
2008/06/08 10:13

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