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どうして年金運用のSWF(ソブリン・ウェルス・ファンド=政府系投資基金)設立議論がここまで暴走しているのか。とても米国のトップクラスの学校を卒業されたと思えないような分析やアプローチをされている国会議員のかたや、どうしようもない内容の日経のちょうちん記事で外堀を埋めつつとうとう福田首相に答申まで出されました。 別にSWFそのものが悪いといっているのではありません。議論があまりにも浅薄であり、国民の財産について真剣に考えた形跡が伺われないということが問題なのです。 要するに「ハイリスクハイリターン型」の運用に一部振り分けたいということですが、過去にも書いているように外債や外国株に配分するだけで相当なリスクをとってすでに運用しているわけですし、その運用を通じて海外の高い成長の一部を享受していることになります。今回の案では国内債への配分は変えないということですから、その点においてどこがどう違うのか、説明する必要があります。ましてや上記議員様のように「海外の高い成長の分け前に預かろう」というのが趣旨ならば、どこが変わるのか(つまりより具体的な投資内容とか運用ガイドラインにまで踏み込んだ)議論が必要になると思うのですがいかがでしょうか? 5年間塩漬け(上記議員様のHPより)でだめだったら解散、ってのもよくわかりません。塩漬け、っていう表現だとその間一切動かさないってことですか?要するに運用会社も運用対象も個別銘柄も動かさないってことですか?それって責任ある「運用」とはもはやいえないのではないでしょうか?その上でだめだったら解散ってどゆこと? 10兆円というのは半端な金額じゃないですよ。ここまでやろうとしているのだったら「だめだったら解散」はないでしょう。5年後はどうせ議員じゃないとか考えてませんか?無責任ですよ。 だめだったら今提案しているPTの人間が私財をなげうって弁償するんでしょう?少なくとも議員年金は返上でしょう?それぐらいの気合でやってくれるなら認めてもいい。なんだか金持ちの坊ちゃんが外資系の運用会社の口車に乗せられて調子に乗っているだけと感じるのはワタクシだけ? GPIFの年金運用が今のままではいけないということについてどうもパッシブ運用が多すぎるという問題意識をお持ちのようですね。 たとえば上記国会議員様のHPでは次のように書かれています。 GPIFでは、パッシブ運用を大部分で実施することの工夫をし、機動的運用のかなりを放棄せざるを得ない状況にある。この点を打破するために、現実的なサイズを切り出して、資産運用管理のプロに任せてみるべきではないか では平成19年度の実績を見てみましょう。 http://www.gpif.go.jp/kanri/pdf/kanri03_h19_p04.pdf これの31ページを見る限り、(まあワタクシとしてはあまり認めたくないのですが)パッシブのほうがアクティブに大勝しているのですよ。ナイトの不確実性とまで言われる状況の下、本当に過去の事例では計り知れない部分が多いので、生半可なアクティブはかえって危険かもしれませんねぇ。個人的にはアクティブ万歳なんですが、少なくともGPIFについては必ずしもうまく言ってないようで、それをひっくるめてパッシブとかアクティブとかでばっさり切るのはどうかなぁ。(まあその意味でアクティブ運用者を変えたいというのはわかりますが)。 議論の質が極めて悪いと感じるのは日経などで見るとよく「外国人」に運用させるというのがキーワードになっていると感じることです。もちろん日経の記者は政治家などにインタビューしてそれを書いているのでしょうから、当然この設立を推進している政治家がそういうことを言っているということです。 でも、冷静に考えてみてください。いまその名だたる外国人たちの会社がどういうことになっているんでしょう?米国の著名な投資銀行の一部は資金繰りで青息吐息、一部のところは米国当局から隠し口座問題でそれこそ追放の瀬戸際、ほとんどすべてのところが過去の負の遺産に苦しんでいる。早い話が世の中をなめきった経営をしてきたということが明らかになっているわけですよ。もちろんその隙間で収益を上げてきたヘッジファンドもこれまでは高レバレッジの恩恵にあずかってきただけというところが多いです。ワタクシはこの環境の中で「外国人」がどうしてキーワードになるのか良くわかりません。 サブプライムや証券化商品に関する投資だって、日本が損失が少ないことは客観的な事実じゃないですか?つまりここ2−3年については日本人のほうが運用はうまかったんです。少なくとも客観的にはね。証券化商品だってわからないから手を出さなかったのではない(わからないで手を出したところは大体身分不相応な損を出していますからすぐわかります)。2006年以降は明らかにやばいと思ったから手を出さなかったし、市場の動きが明らかにバブル形成の流れを忠実にトレースしていたから手を出さなかったところがほとんどでしょう。ワタクシの部下もCPDOの案件など一笑に付して相談すらしてこなかった。こういう部下のようなまっとうな人間が多いのが日本の運用業界であります。 確かに新しいアイデアを生み出す力は弱いかもしれない。でも、アセットアロケーションで3.2%の期待リターンを目標としているのですから、今の金利環境で言えばそれが達成できればよしとするべきでしょう。いい時は株のリターンで二桁をゲットできた年もありますし上限がキャップされているわけではないのです。 SWFの議論をする前に、どうしたら日本の株式市場が活性化するかなどといった根っこの議論をやってもらいたいと思います。それはひいては日本の人口問題とかにつながってくるはずです。今のアイデアのようなSWFみたいな浅薄な議論をやっている議員さんたちは、本当にお気楽で結構ですねぇ、と申し上げておきましょう。 ところで、この問題は国民一人一人のお金の問題なのです。 10兆円は国民の年金原資です。要するにあなたがこれまで預けていた運用者にちょっと不満を感じていたとき、突然別の運用者がやってきて次のようなことを言ったとします。 「うちは目標リターンはこれまでの運用者と一緒です」 「運用者に外国人を使います」 「国内債券の比率はこれまでと同じです」 「残りを何に投資するかはまだ決まってませんが任せてください。悪いようにはしません」 「変更していただいてから5年間はお金は動かせません」 「結果については誰も責任を取りません。失敗したら元の運用者に戻っていただけます」 さてあなたは運用者を変えますか? |
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SWFの議論がよくわかりません 厭債害債(或は余は如何にして投機を愛したか)/ウェブリブログ
どうして年金運用のSWF(ソブリン・ウェルス・ファンド=政府系投資基金)設立議論がここまで暴走しているのか。とても米国のトップクラスの学校を卒業されたと思えないような分析や... ...続きを見る |
トレフォ - 投資家のためのソーシャルニ... 2008/07/05 13:24 |
日本版SWF設計図
厭債害債さんやTori Boxさんがツッコまれてますが、こりゃあ確かに滑稽千万。 ***♪ソブリンファンド構想♪ ...続きを見る |
歌は世につれ世は歌につれ・・・みたいな。 2008/07/08 00:03 |
| 内 容 | ニックネーム/日時 |
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初めてコメントさせていただきます。「年金」業界の端っこにいる者です。 |
「年金」生活者 2008/07/05 18:35 |
資産運用に絶対はあり得ません。初めは緊張するから良い成績かも知れませんが、人間というものはやっている内に慣れが出てきてミスをしがちです。そこらの担保がとれるならですが、それが出来ないのですよ。それを無にする位の集中力を発揮するなら、日本の資本の弱い中小企業に増資としててこ入れして配当で充分回収できるのではと考えますが。尤も、これも人間の集中力をどう維持させるかと言う事が1番の問題なのでしょうが。 |
Hbar 2008/07/05 19:22 |
リンク先の概要書pdfを見て思うのは、支払う報酬が桁違いに「安い」ですね。市場運用91兆円に対して、運用手数料310億となると平均3ベーシス。。。昨年円債パッシブ受託したところは報酬0.1ベーシスという噂も聞きました。 |
resol 2008/07/05 20:13 |
まってましたよ。この論議おばかな元金融担当大臣にいたっては、救えませんね。この場合のプロとは、市場に対して30年に渡りファンドのアウトパフォームを約束してくれる人たちということでしょうか。そんな奴はこの世に存在しないというのは、【プロ】の方ならおわかりの議論です。 |
かるパース 2008/07/05 21:33 |
ついでに一言、神になれる可能性があります。インサイダーです、ちなみに国家ぐるみということになりますが、一時的には勝てるかな。でもかりに今儲かっている商品Fに10兆円をウマーク投資して、市場の最後のおこぼれをもらって、あなた方がいう【高い】運用成績をあげたとしても、その影響で間違いなく、本邦の年金生活者も将来の年金生活者も実質化処分所得は減るだろーな。何度もいうが年金の最大の脅威はインフレというか将来にわたる物価上昇による実質所得の減少ですよ。 |
かるパース 2008/07/05 21:55 |
民間という多国籍の悪魔をそろそろ取り締まらんと、どこの国家も終わりだよ。まー欧米の聖職者たちは悪魔と組んで国家を滅ぼす。おまえらがいるところが地球上である以上、おまえらの領土でしかないということ知るべきだよ。そうやってきさまらをたたきつぶすテロリストは君らのとなりにいるよ。 |
そろそろ悪魔と手むな 2008/07/05 23:16 |
食い詰めた外国人が、日本に雇ってくれよと熱烈アプローチ。 |
K 2008/07/06 00:27 |
SWFなど作らずに,現状の株式譲渡益税を全て年金目的税にしたらどうなんですかね。損はかぶらないし,みんなそれこそ生き残りをかけて収益を目指すのは分かっているのですから。年度によって変動するのは,SWF自身がそういう変動がつき物なんだから甘んじて受けるべし。 |
EURO SELLER 2008/07/06 01:35 |
ちょっとまともな投資本を読めば、「外国人」や「プロ」に任せただけで、夢のようなパフォーマンスが得られる訳ではないことは分かりそうなもんですが・・・ |
初心者 2008/07/06 07:06 |
ひどい結論が出てきそうなのは予想道理でしたが、ここまでひどいとは思いませんでした。ただ、「なんでこういう話になっているのか」「落としどころはどこで、それに対してどうすべきか」というのは考えていたほうがよさそうな気がします(まあ個人的にはビジネスチャンス?なんですけど、、)。なぜSWFというアイデアが出てきたか(政治家が運用に口を挟めるお金確保?)、ある種年金の問題のスケープゴートになっていないか(年金問題を逃れるための人身御供、10兆円の上納金?)、注視する必要があると思っています。 |
ttori 2008/07/06 09:34 |
> さてあなたは運用者を変えますか? |
774 2008/07/06 12:25 |
こんにちは。 |
黒ネコ 2008/07/06 15:29 |
「年金」生活者さん、コメントありがとうございます。金融系の議員様にとっては、格好の活動場所だと思います。だからといって闇雲に突き進む姿にはちょっと恐怖感を覚えますね。 |
厭債害債 2008/07/06 17:54 |
kさんコメントありがとうございます。確かにそういう面はありそうです。 |
厭債害債 2008/07/06 18:14 |
774さん、コメントありがとうございます。年金の組織的管理は一種のセーフティーネットという役割も担っているとも思います。とはいえ、あまりにずさんな管理であれば、自分でやるから金返せ、といいたくなる気持ちは良くわかります。 |
厭債害債 2008/07/06 18:48 |
レス、ありがとうございます。 |
黒ネコ 2008/07/07 09:06 |
黒ネコさんどうもです。個人の資産運用についてはワタクシはあまり語る資格はないです。大体がマクロ中心の計画に沿った運用を運命付けられており、またご高承のとおり色々シバリがありまして、いわゆるFXすらできません。とはいえ、個人の方々にも参考になるようなエントリーをあげることが出来ればとは考えております。今後ともよろしくお願いします。 |
厭債害債 2008/07/07 11:48 |
SWF自体には私は賛成です。 |
kazzt 2008/07/07 13:40 |
kazztさん、どうもです。SWFそのものについてというより、きちんと議論されていないことが問題だと思っています。何か事態が起きたとき、多少個別銘柄を入替えるぐらいは可能でしょうが、これぐらいの巨額になれば、イザという事態が起きても売り払うことは不可能で、その意味では長期的にどっしり構えた運用は必要でしょうね。あくまで邪推ですが、すでにPTの方々やその請け負う予定の方々の頭の中に特定の投資先がイメージされているのかもしれないとか考えてしまいますね。 |
厭債害債 2008/07/07 20:11 |
>>特定の投資先がイメージされているのかもしれないとか考えてしまいますね。 |
kazzt 2008/07/08 10:37 |
そもそも年金の問題では、このSWF始めアセットサイドの議論が多すぎると思います。そもそも負債の管理無くして、運用競争しても意味がないですよね。このことは言を待ちませんが、どうもあまり議論されていないようですね、負債サイドの特長を考えずにリスクを取っていいパフォーマンスを実現しても、それは単なる無茶しただけですからねー。 |
Capri 2008/07/08 20:49 |
このSWFの議論って、最初は、外貨準備(外為特会)をどうこうという話だったと思うのは私だけでしょうか。いつの間にか年金財源に話が移っていますね。 |
shittakaburi 2008/07/08 23:52 |
kazztさん、どうもです。やはり民主主義国かつ非資源国でSWFをやる意味を改めて問い直すべきだと思うのです。 |
厭債害債 2008/07/10 09:46 |
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