厭債害債(或は余は如何にして投機を愛したか)

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zoom RSS 一つの希望

<<   作成日時 : 2008/10/06 12:53   >>

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欧州が炎上していることはご存知のとおりで、国ごとに別れた銀行監督とそれとは別に存在する金融政策の矛盾が露呈している感じであることは前にも述べたとおりですが、逆にそのことがワタクシにとっては一つの希望となっています。つまり、その問題の困難さゆえに、各国は最初から最終兵器をどんどん打ち込んでくると思うからです。週末のドイツ、フランス、英国、イタリアによる首脳会議では「大きな金融機関の破綻を起こさせない」ことで合意した、とFTは報じています。それゆえに、預金保護はもとより財政安定化協定基準の一時的緩和、はてはせっかくほかの国がそれに収斂させようとしていた「国際会計基準」の厳しい時価会計基準を緩和させることまで話が進んでいるようです。

各国ともユーロとEUの抱える矛盾とリスクに十分すぎるくらい気づいているので、はじめから「なんでもあり」の姿勢を打ち出していることは、実は(市場への影響という点を除けば)金融の世界は意外に早く落ち着きを取り戻すのではないか、ということです。

米国でも、よく考えればほぼ金融機関のサバイバルゲームは終盤に近づいてきて、生き残るところの名前がはっきり出てきたのだと思います。銀行にせよ証券会社にせよ、競争政策上の観点からとりわけアメリカでは同じカテゴリーや規模のところが2つ以下になることはまずないと考えられます。独占を許すことは、アメリカが信じる自由競争のメリットを否定することになるからです。欧州はまだまだですが、こちらは政府の強い関与という異なるアプローチをとるのだろうと思います。アメリカに比べて社会主義的な政策の入る余地は大きいでしょうから。

もっとも、実体経済はまだまだ酷い状況になっていくと思います。グローバリゼーションによる恩恵は、時代が変われば逆にデメリットになるのでしょう。銀行問題は、言っちゃぁなんですが政府が腹をくくれば何とかなる。しかし過度にレバレッジによって膨らみすぎた経済は一度小さくさせてからでなければ拡大は出来ないだろうと思います。今後はむしろそちらのほうが為替にしろ株にしろ焦点となっていくのではないでしょうか。

ちなみに先週のVIX指数は過去最高水準の45−50というレベルに達しました。ブルンバーグのチャートで見る限り、90年以降50を越えたことはありません。市場のパニックもピークをつけつつある感じです。もっとも本当に「金融市場が終わる」のであればこのような見立ても何の役にも立ちませんが。

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「一つの希望」について
「一つの希望」について 金融は血液であるから、止める訳には行きません。止めない代わりに付けを残して残す訳ですから、金融にせよ長い長いトンネルが待受けている事は事実です。例えば資本注入はAIGのように収益部門を切売してでも返済しなければならず、潰れないまでも今回の危機で大きな傷を負ってしまっています。その上、欧米の金融機関であればという印籠さえも失ってしまったのですから。 信用の失った金融ほど厄介なものはありません。言う事が信用されないのですから、実態の無い証券化証券という奥の手はもう通用... ...続きを見る
よく考えよう
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オツカレです。 ...続きを見る
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コメント(13件)

内 容 ニックネーム/日時
希望どころのようですね。
アジア株も全面安、ロンドンは寄付きから5%安ですから真っ暗闇です。今晩の10時過ぎが怖く思います。真の魔の火曜日になりそうです。
Hbar
2008/10/06 19:16
>もっとも、実体経済はまだまだ酷い状況になっていくと思います。グローバリゼーションによる恩恵は、

グローバリズム?日本の実体経済には何の恩恵も無かったよ。企業の利益率が上がったけど・・・数字だけじゃん。帳簿上の数字だけ・・・その数字すらこれで吹っ飛んだ。
人材がまともに育たないシステムが出来て、技術力を育てる長期投資が出来にくくなって、日経新聞が吐き出す数字におびえ続けるしか無いじじばば大量生産しただけじゃん。
>時代が変われば逆にデメリットになるのでしょう。
うんざりだ。数字しか分からん馬鹿どもには。

でも、働くさ。まじめに実体経済で働くよ。そして自分のそばに居る人々の苦しみを取り除く行為を一番優先するよ。オレは変わらない。そういう人間が一番強いからね。
kazzt
2008/10/07 00:05
某所の某記事でひょっとして…お見かけしました。久しぶりに緊張した一日でした。
人間,希望があれば何とかなるものですよ。10年かかるのは困りますが3-4年ならドンマイです。
EURO SELLER
2008/10/07 01:14
おはようございます、今朝もきつい状況です(涙
米国ではかなり形がみえてきましたね、私も欧州はまだまだ予断を許さないと考えていますが。長いところでは避けられているネームもあるようなので。

kazztさんの書き込みが、大部分の国民が考えている事と大差ないのではないでしょうね。
”何だか難しい事で全然わからないけど、何だか物価が上がって給料は上がらない持ち株は下がる、どうしたらいいんだろう???”ってとこですか。
一番大事なのは金融機関を救う事ではなく、実体経済を立て直す事ですからね。
※明日の物価連動債の入札どうなるんでしょうね?

フレッド
2008/10/07 09:10
>>グローバリゼーションによる恩恵
実感ないですか?
中国や東南アジアで安価に生産された部品なしでは、特に家電なんかは、現状の価格は有り得ませんよ。

>>時代が変われば逆にデメリットになるのでしょう。
逆にデメリットの方がイメージしづらいです。マネーが簡単に世界を行き来するようになった事で、株や為替の値動きが激しくなったことぐらいでしょうか?
初心者
2008/10/07 14:08
実は最近、仕事の関係で東南アジアの某国で暮らしています。この国では、非常に安い人件費を当て込んで次々に工場が進出し、先進国並みの工業製品を作れるようになっています。そこで、近年この国にとっての外資系企業に勤める人を中心に、賃金が非常な勢いで上昇し、政策金利が9.5%だと言うのに不動産向け、あるいは自動車ローンの貸し出しはどんどん伸びています。

これはバブルで、先進国が不況になれば深刻な影響を受けるという意見もあるのですが、物が作れて人口増があれば、経済は実体として伸びて行くのではないでしょうか。この国の通貨で手にできる物やサービスが「割安」と思える間は、昨今の信用不安でこの国の通貨がドルや円に対して大きく売り込まれたら、これは「買い」ではないでしょうか?

今週急激に落ちているユーロやポンド、最近どう考えても不合理なほど物価が高かったですよね。こういうのは「売り」ですよね。日本の円は、そういう意味で、良い指標になると感じています。
お染
2008/10/07 18:13
ハイもう最終局面です。実態経済への影響はありません。2年で解決です。もともと実態のないものが、終わっただけです。むしろ投機的な行動が抑制されるのであれば、実態経済にとってプラスです。
最後の投資先は金でもなく、米国債でもない日本株ですよ。
円高、資源価格の下落、土地バブルはいい具合に崩壊したことで、本邦経済にとっては追い風ですね。
また外国勢の売りだとかヘッジFだとか騒いでいるが、そんな力はねーから日本金融関係者はもっと自信もってこーよ。そのための外資買収、資本協力だろ、雇った奴らに母屋をとられんなよ。
ノーベル賞もとったんで明るくいきましょう。
国営企業
2008/10/07 21:38
どうせ、働き蟻だから、暗かろうが、明るかろうが、日本人は働きます。働けば実体経済は絶対に直ります。
でもね、苦しんでいる身近な人間を能力がないとか、馬鹿とか見放さないで下さい。
人は苦しみを減らそうとし、喜びを増やそうとする存在です。ですが、その二つにも優先順位があるんです。当たり前ですが苦しみを減らそうとすることこれが優先なんです。「痛みに耐えてよくがんばった。」なんて無茶です。特に今の経済状況はそうでしょう。
お願いです。金融業者さん、中小企業への貸し渋りは止めてください。税金つぎ込んでも金融業者救え!って応援したでしょ、オレ。
kazzt
2008/10/07 23:37
Hbarさんコメントありがとうございます。なかなか落ち着きませんが、今回の信用危機について株は遅行指標と考えたほうがいいと思います。(経済はさらにその後でしょうが)。

kazztさんどうもです。金融が今後実体経済に及ぼす影響は大きいでしょうが、おっしゃるとおり足に地をつけて仕事されている方は強いと思います。

EURO SELLERさんどうもです。Bloombergですか?今回の危機は処理のスピードは速いことから見たら4年ぐらいかなと見積もっていますが、その後の風景がちょっとイメージできない(そのとき自分が何をやっているかを含め)のがちょっと・・・

厭債害債
2008/10/08 06:22
フレッドさんどうもです。物国の入札中止になったと聞きました。ひどい状況ですからねぇ。おっしゃるとおり実体経済を立て直すことが本来の目的ですが、とりあえず目の前の問題に必死にならざるを得ない。まさに出血をどう止めるか、のどに詰まったもちをどう取るか、まだその方法を考えている段階なんでしょうね。

初心者さんコメントありがとうございます。海外の低コストリソースに依存することでできた低価格製品のおかげでインフレを免れていると言う面はメリットですが国内的にはその分しわ寄せが来ていますね。もちろん、それによって新たな成長を得た国にとってはやはりメリットでしょう。一時的にせよその流れが逆転したら、やはり負の面が意識されるのだと思います。中期的な流れが変わるとは思いませんが。

お染さん、コメントありがとうございます。中期的にはおっしゃるとおりだと思います。国内需要が伸びている限り、経済は伸びていくと思います。ただ、一時的には外需に依存していた部分がはがれてマイナスが強く意識される期間はあると思います。
厭債害債
2008/10/08 06:32
国営企業さんどうもです。今回の場合、投資銀行的なレバレッジモデルが終焉しているとしたら、そしてより規制が強くなってそれを制限するようになったら、危機前にくらべて危機後の世界の経済規模は縮小しているはずです。まあその代わり国がばら撒くという説はありますが。

kazztさん重ねてコメントありがとうございます。おっしゃることはまったく同意です。ワタクシは懸命に働く人に対して能力がないとか馬鹿だとか見下したりしたつもりはないのですが、そのように感じられたとしたらすみません。金融業者も生き残りに必死ですから、自分の都合が優先してしまうでしょう。ここは当面は政治の出番でしょうね。
厭債害債
2008/10/08 06:43
ロシア、中共F、アラブ結構です。今はG8なんてくそ食らえです。今彼らのほうが、資本主義を熟知し世界経済についてももっとに考えているのですよ。IMF世銀がいっているように、こういった気にを集めないと、今回の火付け役のくせに、何もせんバカコクミンのアングロサクソンと、何も考えてないイタ公とフランス欧州はだめ。アイスランドがロシアですから。今こそ日本はこういった国と大ユーラシア連合として大西洋のバカどもを助けて、新しい世界秩序を作ったら。いまだにGSに欧米資本主義は終わり。海の色は変わった。
国営企業
2008/10/08 22:42
米国は対応する体力が残ってないのですよ。GM・GEの粗破綻と言う現実が現在の米国経済に他なりません。金融やIT等は霞ですから。尤も、その霞が食べられるようにするのは凄い事ですね。
Hbar
2008/10/23 10:15

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