厭債害債(或は余は如何にして投機を愛したか)

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<<   作成日時 : 2008/10/08 19:00   >>

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ワタクシのブログではあえてこれまで論評を避けてきましたが、人口わずか30万人の小国で国のど真ん中に活火山を持つところの銀行が発行する債券が格付けだけを根拠に堂々と個人に対して売られてきたことに疑問を持っていました。同国のカウプシングバンクなどここ数年結構な額のサムライ債を日本で売りさばいていますがここも国に5億ユーロの増資を求めていますし、第二位のグリトニル銀行はすでに国有化されました。同国は漁業国だと思われていますが、実は金融や不動産ビジネスがGDPの30%近くあるといわれ、銀行が海外からの巨額の借り入れをつかってかせいできたのが同国のビジネスモデルです。まさにこういう時代には一気に崩れます。

実はワタクシのところのポートでも以前この国の国債を持っていたことがあります。まあ当時は今ほど酷くはなかったにせよやはり格付けだけで投資するにはリスク要因の高すぎる国ということで処分しました。半分冗談半分本気でよく言っていましたが、火山噴火したら国ごと吹っ飛ぶようなところは投資できないでしょう、ってことで。経済規模に合わない巨大な借り入れによる金融収益に依存している銀行モデルを許容している国がA格ってのはちょっと納得いかない感じはずっと持っていました。(ま、米国との関係を考えれば多少納得ではありますが)。

EUにも加盟していないので、リスクが顕在化してみれば、同国の銀行の債券は一種のレバレッジの高いヘッジファンドへの貸付のような感じになってしまっています。国家が保証するとしても、GDPの12倍の銀行債務なんて保証したら国そのものがどうなるのか?というわけで、アイスランドでは国家的な危機にまですでに発展してしまいました。為替はずいぶん実勢より高いところで固定してしまったようですし、なんとロシアからお金を借りる話まで…

ところで、このロシアからの融資というのは地政学的には結構重要なお話だと思います。ご存知のとおりアイスランドはNATOの加盟国であり、だからこそレイキャビクには米軍基地がある。それは、もし地球儀が手元にあれば見ていただきたいのですが、ロシアの北端(つまり北米大陸に一番近い場所)からニューヨークやワシントンめがけてミサイルを発射したら、妙な航路を取らない限りアイスランドの上を通過するからです。ここで迎撃できるかどうか、これはアメリカの安全保障上の肝の一つであり、冷戦時代には(多分今も)きわめて重要な軍事上のポイントであります。

まあ、金借りたからってすぐに敵に寝返ることもないでしょうが、それなりの下心は十分に感じられる融資案件ではあります。そもそもロシアっていまほかの国のこと構っている場合じゃないはずなのですが、これは別腹ということでしょう。

個人の世界で苦し紛れにやくざから金を借りたらあと身ぐるみはがれてシャブ漬けにされて置屋へ売り飛ばされるのが習いですが、アイスランドに対して米国は優しいお父さんの役割を果たす余裕が果たしてありますか?

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コメント(12件)

内 容 ニックネーム/日時
優しいお父さんの役割を果たさざるを得ませんね。少し哲学的な考え方を記事にしましたのでTBさせて頂きます。
Hbar
2008/10/08 22:26
まー国際政治学的視点はありますが、アメリカの銀行が日本でなく中国の政府系Fに頼んだこととかって、やっぱり信用ないか、将来昔の日本みたいに買収させて後で安値でかっぱらうと思っているかどっちかです。ということであまり地政学はあてになりません。歴史的に見ても、「篤姫」見てもわかるように昨日の敵は今日の友だったりするわけで。日英同盟ってのもありましたね。そういえば今年150年で英皇太子が来るともこと関係ないか。そろそろアメリカとの関係も相対化しないといかんですよ。
次の大統領は日本より中国でしょ。
かるパース
2008/10/08 23:19
昨日の話題ではロシアがアイスランドへ融資と言う件が一番驚きました。おっしゃるように安全保障上の問題がどうなっているのかさっぱりわかりません。NATO加盟国に何故ロシアから金を借りるのか。担保に何か差し出すのか。港でも提供するのでしょうか。謎です。もしそうなら旅順みたいな感じになるのでしょうかね。
植田日銀総裁
2008/10/09 00:44
昨日の話題ではロシアがアイスランドへ融資と言う件が一番驚きました。おっしゃるように安全保障上の問題がどうなっているのかさっぱりわかりません。NATO加盟国に何故ロシアから金を借りるのか。担保に何か差し出すのか。港でも提供するのでしょうか。謎です。もしそうなら旅順みたいな感じになるのでしょうかね。
植田日銀総裁
2008/10/09 00:44
そのロシアが困ったら、日本が金出してシベリア天然資源の100年間の優先採掘権を確保するとか。米国困窮時の資金的支援についてはアラスカ資源の格安利用権とかもらいたいですが。
本石町日記
2008/10/09 02:02
ぐっちーさんとこによると、「ロシアマフィアのお金がたくさん入っているから」だって。
K
2008/10/09 03:24
冷戦期のアイスランドはNATO加盟国として非常に重要な地位を占めていたのは、UK-IS-GRラインと呼ばれるイギリス・アイスランド・グリーンランドを結ぶ対潜ソナー網の中間拠点であるという点と、当時ケブラヴィークに米空軍が駐留し防衛の任についていたなど地理的な要因が極めて大きいです。

仮に、ソビエト帝国がNATO諸国に軍事侵攻した場合、米国によるNATO援助のためには北大西洋を横断する輸送船団(コンボイ)を運行する必要がありますが、アイスランドをソビエト帝国が占領した場合、コンボイ船団は超長距離巡航ミサイルを搭載したソビエト海軍航空部隊の長距離爆撃機の理想的な出撃基地となったからです。
von_yosukeyan
2008/10/09 21:29
冷戦後、NATO軍は縮小し、同国のGDPの多くを占めていた米軍の駐留も最近終了してしまったために、同国の国内生産は観光や鳥の羽毛(非常に高価なもので同国の有力な輸出品目でもあります)、漁業を除いては有力な産業がなかったために、銀行開設規準の緩和や法人税の値下げによるタクスヘブン化を狙っていました。

#レイキャヴィークには空港がなくて、ケブラヴィークに米軍が駐留していましたが既に撤退しています。
von_yosukeyan
2008/10/09 21:34
あそこの火山は非常に特徴的で、溶岩の流動性が非常に高いので、噴火しても国ごと吹っ飛ぶようなことは起きません。粛々と低いところに流れていくだけです。だから人々も慌てず騒がず粛々と対応します。
今回の件も同様に、粛々と対応して済むとよいのですが、、、1783年の噴火は全世界を寒冷化させ大量の餓死者を生み、フランス革命の遠因となったとされてますなぁ、、、
Polly
2008/10/10 01:16
連鎖でイギリスも危なそうなんですが。
K
2008/10/10 15:12
HbarさんコメントTBいつもありがとうございます。
かるパースさん、どうもです。大きな流れはアジアに来ていると思います。

植田日銀総裁さんどうもです。ワタクシもあまり詳しくはないのですが、両国は昔から金の貸し借りの関係があったと言う話は小耳にはさんでしまいました。

本石町日記さん、どうもです。そうなんですよね。お金は国際関係でもそういう風に使いたいものです。まあ軍事力で対等に近くないとむりでしょうか。
厭債害債
2008/10/11 11:24
kさんどうもです。情報ありがとうございました。イギリスはさっさと銀行債務の保証に踏み込みましたが、今後どれだけお金が必要かはこれからの議論ですね。

von_yosukeyanさん、いろいろご指摘ありがとうございます。そもそもまだ駐留していると勘違いしていました。

Pollyさん、ご指摘ありがとうございます。たとえ話ですので、聞き流していただければ幸いです(汗)。
厭債害債
2008/10/11 11:29

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