厭債害債(或は余は如何にして投機を愛したか)

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zoom RSS 悲観の中で

<<   作成日時 : 2008/10/16 10:46   >>

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株価が大きく戻したかと思ったらまた暴落。この世の終わりかと思っておられる方もいらっしゃるかもしれません。まあ、前回も書いたように、長期にわたるレバレッジとまやかしが一気に崩れたのですから、すぐに元に戻らないことは間違いありません。1929年の大恐慌の時は、NYの株価が直前のピーク(まあ必ず暴落の直前にはバブルがあるので)水準を回復するまで25年かかりました。今回もかなり重症であることは間違いありません。バブルの過程で必ず起きるのは「価値のないものが取引され値段があがる」ということです。昔チューリップ、今サブプライムローンといったところでしょうか。その上物の崩壊がそこにいたる仕組み全体への信頼を失わせてしまい、建物すべてが崩壊する危険にさらされているのです。

重要なことは、信頼の欠如を仕組み全体へと波及させないことです。そのために広域消火活動が間に合わないなら、一定の堅牢な下層階は守りその代わり上層階部分はさっさと壊してしまうことです。まさに今世界で起こっていることはそれだと思います。銀行システムという堅牢な部分をしっかり守るために公的資金を注入し、そのかわり従来のようなレバレッジをさっさと解消するよう命じているのでしょう。上層階の住人(レバレッジによって盛り上がっていた資産クラス)は死んでいただくしかないとおもいます。

株価は確かに急落していますが、個人的にはそれほど悲観していません。まだ下落が止まったわけではないのですが、冷静にこれまでの株価のどこまでがバブルだったか、そしてどこまでが実体経済の成長に根ざしていたものだったか考えていく必要があると思います。

ここで一つの参考となるのが1996年のエコノミックフォーラムでグリンスパンが語った株価に対する評価「irrational exuberance」ではないでしょうか。データの分析で定評のある彼は真っ先にバブルの兆しを感じ警告を発したのだと思いますから、その時点で彼の目にはバブルだったといえるのですが、そこはおくとして、乱暴にそこまではフェアバリューだったと仮定した場合、純粋な経済成長だけでどこが現在の株価として適正か、ということです。

超荒っぽい議論をすれば人間の欲望と必要性が一定であれば、消費の量は人口増減に比例すると思われます。その消費は経済成長に直結し、それが株価に直結すると考えられます。1990年あたりでは2億人ちょっとだった人口は2008年に3億人を超えたと見られる。つまり18年で50%増えた。これは年率1.5%複利で増えていることになる。グリンスパンのスピーチを基点とすれば1.5%複利でのNYダウの基礎的な水準は7600ぐらいになるでしょう。

NYダウのチャートをみれば95年当たりから急に角度が上向きになっていることが読み取れます。それはその時期の技術革新があまりにも急速であったため「生産性革命」に近いことが起きたからだと思います。したがって基点を90年ではなく96年に取ることはITなどによる生産性向上や海外リソースの活用といった状況を織り込む上で間違っていないと思うのです。

もちろん市場ですから、需給関係が価格を決定する。瞬間的に大きくへこむことはあると思います。ただ、上記のような立場に立って、長期的な視野から投資を考えるのも悪くないかもしれませんね。

それから、もう一つ最近面白いなぁと思うのは、株価の崩落を通じて為替の適正水準がうまい具合に調整されてきていることです。アメリカに居住経験のある多くの人が賛同してくれると思うのですが、物価感覚としてやはり1ドル=100円というのは「いい感じ」なんですね。NYダウと日経平均の数字に何の論理的な結びつきもないのですが、結構「円換算NYダウ」とか「ドル換算日経平均」なんて見てる人も多いんですよね。グローバルなお金の動きがチラッと見えたりすることもありますから。

分析というレベルのものではない単なる戯言ですので、聞き流していただければ…

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NYダウの下げは止らない
昨夜、NYダウが9千ドルあたりで揉んでいるところまで見て、懸念を書いた。 ...続きを見る
よく考えよう
2008/10/16 12:13
欧州に引続いてNYも下げて始まった
米国の傷口は深い。 何しろ、三つ子の赤字を50年続けて、何とか金融で誤魔化して来ただけだからだ。 ...続きを見る
よく考えよう
2008/10/16 12:13
世界同時株価暴落
いまさらではありますが。 ***♪最悪♪ ...続きを見る
歌は世につれ世は歌につれ・・・みたいな。
2008/10/18 00:26

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コメント(4件)

内 容 ニックネーム/日時
79年前と異なるのは米国経済に対応する日本経済です。当時の日本は数年前に金解禁をやらかしてしまって、昭和恐慌真っ只中であったと言う事です。他の西欧諸国も同じで、多額の賠償金を抱えたドイツは当然の事、夫々が戦費に費やした国家財政の傾きを修正する為に苦吟していました。そこへバブルが弾けて第2次大戦へと夫々の国家が歩みだしたと言う経緯が歴史事情でしょう。
今回は日本に個人資産が千五百億円持っているという事情が大いに異なります。三菱UFJがモルガンに手を差伸べえたのが良い証拠です。前の世界恐慌よりは早く回復するでしょう。力強いパートナーが居る事がなにより異なります。
Hbar
2008/10/16 13:41
なるほど、「ドル換算日経平均」かと思って、早速ググッてみました。
ざっと調べたところ、03年5月に安値63.2777をつけてますね。今日の終値が84.1302ですから、まだ25%近く余裕がありますね(^^)
ここんとこのペースだと、あっという間かもしれませんが。
初心者
2008/10/16 20:15
もうひとつ教えてください。
物価感覚では、ユーロと豪ドルはどれぐらいなんでしょうか?私のイメージでは、米ドルが100円なら、ユーロは120円で豪ドルは70円くらいなんですが。
初心者
2008/10/16 20:27
今後ルールがどうなるのか?
まだ、そこまで行けないのは分かるけど、気に成りますね。

とりあえず今日本でやらなきゃいけないことは、銀行の貸し渋り批判でしょうね。
マネーゲームで稼げないことはどう考えてもはっきりしたんだから、日本の実物経済に金を回して貰いましょう。利益率は低くてもそれしか道が無いでしょ。金融業者ども、足を棒にして必死に地べたを走り回れ。日本には大当たりは無いかも知れないけど、守るべき融資先はたくさんある。言っとくけど日本人の税金がいっぱい入ってるんだろ。すじが通らないことはもう許さない。
kazzt
2008/10/18 00:01

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