厭債害債(或は余は如何にして投機を愛したか)

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zoom RSS 海外政府保証債

<<   作成日時 : 2009/01/13 23:17   >>

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日経でも先週の金曜日にちらっと出ていましたが、外国の金融機関でその国の政府が元利払を保証する債券を出すところが増えてきています。すでに米国が様々な通貨で出しているし、オーストラリアも円を含む多様な通貨で発行できるようになりました。またイギリスも近々円建てが可能となるようです。ドイツやフランスなども出しています。

日本でも政府保証債はありますが、一部公的機関に限られていますし、利回りも限りなく国債に近い(殆ど流動性プレミアムぐらいしかスプレッドはつかない)。今回の海外政府保証プログラムが特徴的なのは、その極めて高い利回りにあります。たとえば米国にせよオーストラリアにせよ、国としての格付けは日本より高い。そこが保証する円建ての債券が、5年でL+80前後で取引されている。固定金利に直すと1.7%台。日本の国債金利を1%程度上回る水準です。しかも発行元の民間銀行等は0.7%程度の保証料を国に払っているので、発行コストは極めて高いのですが、それでもお金を取るほうが優先する、ということなのでしょう。

今日来た別の話では、日本の某AAA企業の米国金融子会社で3年でドルLibor+300以上。これまでは金融システムの中に限定されていたお金の詰まりが、今は製造業の資金調達に影響を与えている、ということでもあるのですが、実は上記のような信用リスクのほとんどない政府保証債などがバンバン出ると、わざわざスプレッド変動リスクの高い社債でなくてもそこそこのリターンが取れるそういう債券に向かってしまうお金が多くなると思います。もっといえば、日本の国債や各国の国債だって、それよりも高い利回りで同じ最終的信用リスクのものが出ていれば、流動性を犠牲にする覚悟があれば、政府保証債のほうを買う人も多いのではないでしょうか?

日本の社債市場も、ここのところのデフォルトが多い影響もあり、かなり限定された発行体しかまともに発行できなくなっています。12月の銀行貸出は特殊要因を除いても4.1%伸びましたが、大企業が社債発行をあきらめ銀行融資へ駆け込んでいる姿の現れだと思われます。それに加えて政府保証債などがA格の社債の流通利回りより高い水準で出てしまうわけですから、一種のクラウディングアウトに近いのだと思います。

ドイツでは国債入札が札割れ。政府保証債の影響があったのかどうか定かではありませんが、いずれにしても結構珍しいことです。

ともあれ、こうした海外政府保証債がほかの債券を「おしのけ」て存在感を示している、ということはいえるのではないでしょうか?それによって銀行を通じて経済にお金が回ることで経済の回復につながればそれは成功ですが、はたしてどうなりますでしょうか?

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日本人はもっと胸を張らねば
厭債害債さんのブログで始めて海外政府保証債 と言う言葉を知ったのだが、調べてみると日本人は人が良い。 ...続きを見る
よく考えよう
2009/01/14 22:10

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コメント(3件)

内 容 ニックネーム/日時
やっぱ、金融危機の時は間接金融でしょ。国家にベットしたほうが賢いですよ。というかそのための政策なのであえてそれを批判せんでもいいでしょ。市場が崩壊しているときなので、格付けとスプレッドなんて余り意味ないです。オーストラリアですか。また面白そうですね。
BOJ
2009/01/14 01:18
私の目下最大の関心事が、この豪政府保証のサムライ債が個人向けに発行されるのか否か?そしてその利回りはいかほどか?ということでしたので、非常にタイムリーなエントリーありがとうございます。
私がそうだからと言うわけではありませんが、こういうものが色々出てくると、従来なら株や社債に向けられていた個人のリスクマネーはそちらに吸収されてしまうと思います。それが果たして大局的に見て良い事なのかどうかは分かりませんけど、安全で比較的好利回りな商品に飢えている身としては嬉しいことです。
初心者
2009/01/14 07:03
BOJさんコメントありがとうございます。おっしゃるように市場機能に制約があるとき間接金融をみなおすことで、上手く行けばいいのですが。川下にちゃんと回るような手配がセットになるべきですね。

初心者さんどうもです。個人向けは色々ビジネス関係上の問題が多いらしいです。時間限定という性格上もうーんどうなりますかね。
厭債害債
2009/01/14 12:05

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