厭債害債(或は余は如何にして投機を愛したか)

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zoom RSS A Tale of Two Ministers (追記あり)

<<   作成日時 : 2009/10/01 09:13   >>

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ディッケンズの二都物語は、元貴族が爵位を捨ててロンドンに渡ったにもかかわらず革命の正義を目指してパリに戻ったところで「貴族」として逮捕され処刑されるというお話。時代背景はフランス革命であり、その背後には旧体制における支配層の暴挙や体制の疲弊によって民衆が苦しんでおり、「変革」が必要であった状況があります。A Tale of Two Ministersは現代の日本で変革を必要とする社会背景を前提に登場している二人の大臣のお話になりそうで、行く先はかなりの波乱が予想されます。

お二人とはいわずと知れたF財務大臣とK金融担当大臣です。とりわけ、K氏は先日のサンデープロジェクトでもほえまくっていたとか。発言を記録した人がいたので後で呼んでみたのですが、宇宙人との会話のようで、K氏の反論は反論ではなくこれは恫喝でしょう。論理ではなく力。K氏と郵政問題との関係を前提に任命されたわけですから、首相や小沢氏は確信犯的にこういう騒ぎを起こしているわけですが、K氏は党首が落選した結果回ってきたポストであり、またモラトリアムの政策はマニュフェストには明記されていないわけですから、民主党を支持した人にとっても果たして望んでいた結論だったのかどうか?そういう議論をとばして3党合意をたてに(誰も国民新党などに金融行政の主導権をとって欲しいと思って民主党に投票しとらんですよ)。それが民主主義にとって本当にいいことなのかという問題はありますね。

F大臣のほうは、まあ当たり前のことを言っているに過ぎないのというのはご本人のおっしゃるとおりでして、内容については、そもそも自民党政権の最後のほうでも介入は一切なされていなかったわけですから別に違ったことをやるといっているわけではありません。ですが、あまりにも自分のおかれた立場や状況をわきまえないでべらべらしゃべる癖があるのか、目立ちたいのか、その辺は良くわかりませんが、しゃべればしゃべるほど自爆している感じで、就任早々アレですがしばらくどこか田舎で隠れてハンコだけ押しててください、って感じです。

しかしながら、株価も為替もこれら大臣の言動「だけ」で動いているのではないことはきちんと認識しておく必要があります。

そもそも、民主党の政策は間違いなく株価を押し下げる政策になっているうえ、金融機関に関してはG20で明確にされた資本増強というテーマがのしかかっているので、今後の需給関係の悪化はきわめて明白です。金融株に対してはK氏の発言と無関係に下落圧力がかかり、当然資本充実というテーマからして企業金融への流れはなかなか厳しいものとなるという予想から、経済成長全体への下方圧力が残るはずです。K氏の発言はその辺を踏まえて、政府が(銀行などという「役に立たない」主体をすっ飛ばして)直接個人や中小企業へ救いの手を差し伸べよう、そして役に立たない銀行には退場してもらおう、という趣旨にとれます。このやり方は、民主党のハンズオン政策とでもいうべき、政治が直接患部に手を入れることで救済するやりかたの流れの中に位置づければ、いいか悪いかを別にすれば、民主党内部的には意外に整合性がとれています。まあ民間企業や金融システムの経済に占める役割を減じる方向に進んでいるように感じられるわけで、これでは株は上がらず、企業も資本回収に走るしかないので、株価は上がらず資本輸出国の通貨も上昇する。

ただ、最大の問題は、融資の元利返済猶予を後発的に認めるということは、貸出先の企業業績が悪くなればローンがこれまで以上のスピードで不良資産化する、ということです。しかもそれは銀行が追い貸しして何とかなるものではなく直ちに銀行の損益に直結するわけで、いわば融資が株式投資と同じレベルになるということです。ナローバンクへの回帰がひとつのアイデアとなっており少なくとも銀行が株のリスクを負うことが規制の流れからも世界的潮流からも疑問視されている中で、融資の株式化を推し進めるような政策は明らかに矛盾しているといわざるを得ません。

つまりこの政策の帰結は「銀行は民間融資をするな」ということであり、まさに狭義のナローバンク論そのものに近いのかもしれません。結果として預金を受け入れる銀行がかつての郵貯みたいに国債を買ったり財政投融資をしたりするだけの主体になるということです。民間への資金は原則直接金融で、それができないところは公的機関が代行する。ということで、公的主体の金融に占める役割(民間銀行の郵貯化も含む)が一気に増すことになります。

これは一種の革命をめざしているのかもしれません。K大臣のところをWikipediaで調べてみたら(裏はとっていませんが)このような記述がありました。

政治思想 [編集]
かつては自民党に所属していたが、学生時代にマルクス主義を勉強していた影響もあり社会民主主義傾向が強く、保守政党である自民党の理念に賛成しないときもあった。チェ・ゲバラの思想に心酔し、連合赤軍に対しても、取調べを通して向き合った経験から「“世のため人の為”と立ち上がった彼らの思想そのものに間違いはない」と一定の評価をしている。事務所にはポスターも飾られ、当時事務所に招かれたキューバの「敵国」であるアメリカのハワード・H・ベーカー・ジュニア駐日大使がこれを見て目を剥いたという。

そもそも民主党のプランは、CO2削減計画にしても今回の貸し渋り対策問題にしても、企業に厳しく家計に甘く(見えるだけですが)、という点で一貫しています。戦後長い間自民党政権の元で続いた産官結合体を一度壊して、ある程度犠牲を覚悟しつつ新たな日本の形を作り上げていく。輸出に安易に頼ることなく、内需主導型の経済に変革していく。その過程で世界的な不均衡の是正に貢献する。その中で生まれる痛みは政府が直接(金融システムや企業を通さずに)手を差し伸べる。重要なことはこうした流れの中では少なくとも目先においては「成長」というもののプライオリティーはかなり低いものとなっており、それ以上に日本を変えていくことを重要視し、結果として付いてくるはずの長期的な回復を目指しているように思えます。

ただ、心配なのは、すでに厳しい状況になっている日本経済や社会に対し長期的な正しさを求める道筋は、短期的なカンフル注射より狭くて厳しい道しかない、ということを現政権がちゃんと理解しているのかどうかです。言い換えると、このやり方はうまくいけばすばらしい結果をもたらす可能性がある(ある意味理想主義的)のだが、ちょっとしたミスや環境の変化で再生不能な致命傷を負ってしまう可能性があるということです。
CO2削減、派遣労働禁止などで企業に多くの負担をかければ、税収も落ちるでしょうし、企業収益や株価にはマイナスでしょう。金融機関は資本充実を要求されるため今後どうしても貸し出しに慎重にならざるを得ません。ましてや一部将来的に返してもらえないところにも貸せといわれると、それなりのリスクに見合った金利を本来は要求することになりますが、それなら借りない、というところも多いでしょう。新規投資は落ち込み、円高で物価が下落しデフレが続き、名目成長には下方圧力が強くかかるでしょう。名目成長率が伸びないのですから、株価が伸びるはずがありません。これが今民主党が目指している政策の明白な帰結だろうと思います。繰り返しになりますが、こうした施策はかなり正論を含んでいるのです。だからこそ国民はそれを支持したのだと信じたい。しかし、リーマン倒産のマグニチュードをおそらく多くの人々が想像できなかったのと同様、一種の「正論」を貫く結果、余計にコストがかかる結果にならないか、そこが心配なのです。歴史の流れはひとつのボタンの賭け違いが民族の存続につながりかねないきわめて微妙なものですが、世界中で様々な不満が渦巻く今、不機嫌を短期的に増幅してしまうことが世界的に悲惨な結果を招くのではないかという懸念です。

いずれにしても、ワタクシの目には、この二人の大臣のお話の結末として民主党がこの政策を推し進める限り、「株売り債券買い円高ドル安」が相当進むと思います。はたして日本国民がどこまでそういったシバキアゲに耐えられるのか興味深いものがあります。まあ自分たちが「変革」をもとめた選挙の結果としてきちんと受け入れるしかないのでしょうね。

(追記)
国民新党は「銀行に損失発生しない仕組みが必要」ということで早速やや(K大臣の発言からは)トーンダウンした感じの提案をまとめつつあるようです。最初のプランが当事者たる政党にもあまりにもインパクトが大きすぎたということでしょうけれど、結局いろんな人があちらこちらから口を突っ込んで、結局制度だけがどんどん複雑怪奇になってしまってなんだか別の既存の制度で十分代行できたのに、という感じに向かいつつあるような予感が・・・

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「A Tale of Two Ministers (追記あり)」について
「A Tale of Two Ministers (追記あり)」について 以下引用 金融株に対してはK氏の発言と無関係に下落圧力がかかり、当然資本充実というテーマからして企業金融への流れはなかなか厳しいものとなるという予想から、経済成長全体への下方圧力が残るはずです。K氏の発言はその辺を踏まえて、政府が(銀行などという「役に立たない」主体をすっ飛ばして)直接個人や中小企業へ救いの手を差し伸べよう、そして役に立たない銀行には退場してもらおう、という趣旨にとれます。このやり方は、民主党のハ... ...続きを見る
とはずがたりblog
2009/10/02 22:14

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コメント(29件)

内 容 ニックネーム/日時
K金融担当大臣はそこまで深い真意があっての発言なんでしょうか?
私には、銀行を叩いて中小支援を唱えれば、
庶民感情的な支持率が上がると言う単純な動機に思えてなりません。
今まで支援してきた地元の民主党事務所に憤懣をぶつけに行ったところ、秘書はKと同様、銀行=悪玉論をぶち上げてました。
また曰く、マスコミも金融の専門家も煽ってるだけだそうです。
知的レベルの低さに議論にすらなりませんでした。
まさかKもあの秘書並みとは思いませんが(思いたくない)、似たような感覚ではないのかと・・・
どちらにしても、安易に「change」に乗ってしまった痛いツケを支払わねばならないようです。
しかし、ここまでとは思いませんでした。
39歳無職
2009/10/01 09:42
もう一つ専門家の方の意見を聞きたかったのですが、
本文でも触れられてた金融機関の資本増強について、
私の理解では、日本のメガバンも既に増資などを行っており、コアTier1で4%というシナリオ通りで決まれば、
定義次第ではみずほですら、三菱UFJと三井住友はそうでなくても増資の必要はないと思っていたのですが、いかにも資本増強がどこもマストであるかのような報道も見かけます。
私の理解が間違っているんでしょうか?
超長期的には次の金融危機への備え的な意味での資本増強が必要とされている事は理解しておりますが。

39歳無職
2009/10/01 10:01
まあK氏は”落ちた犬をたたいて”いるだけだと思いますが。モラトリアムの意味もきちんと理解してなかったと思われ。「Kさんの制度で救われました!」というのを期待してただけだと思います。郵政にしても、郵便局員の票目当てだけでしょうし。
それよりも、このかた住宅ローンも、とおっしゃってましたけど、その住宅ローンの結構な部分は住公のフラットなんとかだと思いますけど。だとするとRMBS暴落ですかね。
ttori
2009/10/01 19:40
 いつも勉強させていただいています。
結局、我々はどうしたらよいのですか。民主党の理想主義的方策はリスク高く、特に地方にとって痛みは苛烈と思います。かといって、自民党に任せ続けさせるわけにもいかず。
 産業的に次の大きなネタがないのは、先進国には共通の悩み
ではないでしょうか。米国も2006年までのような、イケイケの消費にはもう戻らないでしょう。
 何か妙案があれば、ご教授くだされば幸いです。
傍観者
2009/10/01 20:03
100%同感です。
それにしても恐ろしいことは、銀行系証券系エコノミストが余りボーカルに批判していないこと。また日経の批判が非常に緩やかなこと。
考えすぎかも知れませんが、タイのタクシン政権発足後のタイの状況、あるいは中国経済を巡る奇妙に生ぬるいエコノミスト諸氏、メディアの論調を思い起こすのですが。
K大臣やO幹事長のこれまでのトラックレコードを考えると、何か嫌な時代の到来を予感させるものがあります。
まあ、色んな意味でフンドシが緩い自民党体制の方が国民には安全ではありましたな。戦前の大正デモクラシー以降の政党政治がそうであったように。
TN
2009/10/01 20:53
最近TVでKを監視している私の印象ですが、
金融機関に対しては、
いくぶんかトーンダウンしているようです。
しかし、相変わらず言ってることは友愛主義で、
やる気さえあれば、
時流に合わなくても、能力が不足しても、
行き詰った中小企業はすべて助けるようで、
しかもその判断は金融機関に任せるようで、
もう何をかいわんや・・・

この国が中国に追いぬかれた理由が分かったような気がします。
困ったら国に頼れば良い、悪いのは自分のせいじゃない、そんな精神がはびこってしまったからですね。
生き馬の目を抜く厳しい競争をしている人たちに、それでは勝てるはずが無いです。

39歳無職
2009/10/01 22:59
K氏は経済は無能かもしれませんが、政治家先生としてはやはりやり手ですから、理想は高く現実は折衷で手堅く、まとまるんじゃないでしょうか。そのあたりは氏が書かれているとおりの、よく見てみると同じものがすでにあるんじゃないという感じですね。このあたりの政治パフォーマンスというか手法は、拙いながらも変わらないかと思います。

それよりも極論を持ち出す方が多いですね。
AかBしかなく、AがだめならBが至高。最近特に両極端になっているような。しかし議論をするときは2極論のが盛り上がるのは間違いない。
名無し
2009/10/02 00:55
いつも大変示唆に富むご意見に感服しております。

退院のめどがつき、社会復帰のリハビリ中に先日のfsaのプレスリリース(記者クラブメンバー以外にも記者会見を解放したプレスリリース)を見て、K大臣は国士なのか、ポピュリストなのかよくわからなくなりましたが……(笑)。

最近なにかあると『友愛するぞ』という恫喝(笑)が流行っているようですが、ご指摘の通り、ゲバラの思想にも『友愛するぞ』はそこかしこに見受けられますよね。

小泉・竹中の完全否定で対立軸を明示したいのはよくわかりますが、近代資本主義のフレームワークを否定するがごとき政策提示は如何なものかと……

お手並拝見にしては、かなりインパクトありますね。

長文失礼しました。
ばてぃ
2009/10/03 08:04
39歳無職さんどうもです。資本増強はもう少し厳しいものが要求されるという方向のようですね。今は前回増資からの一種の待機期間ですのであまり目立った動きがないですが、今年の末あたりからまた増えてくると思いますし、市場はそれを織り込みに行くと思います。収益減にくわえて希薄化を織り込みに行くわけです。

ttoriさんどうもです。おっしゃる通り住公のものを含めるとRMBSの根本的な制度設計や前提を変えていかなければならなくなりますね。どーしよー・・・


厭債害債
2009/10/03 08:10
傍観者さん、コメントありがとうございます。今回理想を目指そうとしたのは国民の意思なので、「縮小均衡」に当面耐えるしかないのだと思います。以前に書いた「戦争焼野原状態」からのやり直しを国民自ら実現しようとしているのだと思いますが、あきらかにほかの国はそんなことはやらないので、その差は当面はっきり表れるのでしょう。

TNさんどうもです。おっしゃること同感です。ゆるすぎる時代から厳しすぎる時代へと振幅が大きくなりそうな予感です。

厭債害債
2009/10/03 08:23
39歳無職さん、コメント多謝です。結局のところ家計や中小企業だけを救おうとしても全体の仕組みを壊すので「社会主義」でもやらない限り無理なんだと思います。

名無しさんどうもです。小泉・竹中ラインのアンチテーゼを意識する人が多いからでしょうかね。

ばてぃさんコメントありがとうございます。「友愛するぞ」っていうフレーズ、結構ウケました。ご病気でしたか?どうかお大事に。
厭債害債
2009/10/03 08:31
「モーゲージ差押防止並びにモーゲージ融資促進法」PUB.L.111–22―MAY 20,2009
S. 896 (H.R. 1106)「家族から住宅を守ることを助ける法」で可決され制定され、モーゲージ・ローンの契約条件変更をサービサーに許可する(他人の財産(証券化)侵害の契約違反の)セーフハーバー規定を持ち、政府が救済支援プログラムHAMPに従い補償金を提供し、HAMPに協力的でない銀行に契約のmodificationを強制している。8割のモーゲージは4大銀行かその子会社が保有するから、数兆円の支援金が誰のものか。それもあり銀行財務が痛んでFDICのDIFが底をついたときには、FDICが財務省からの緊急融資10兆円(最大50兆円の時限あり)を受けられる定めを別に含む。
既に数十万件がローンの条件変更をを受けており、FNMAなども独自に条件変更を積極的にしている。
emergencyな状況だから当然としてありえる。ある国の経済状況で許されたことが、我が国が財産権侵害に嫌悪感があり、私的自治が重んじられるといってありえないというのは疑問。
誰でも知っているけど、誰も口にはしない他...
2009/10/04 07:42
誰でも知っているけど・・・さんどうもです。ワタクシ自身はそもそも憲法上の財産権は公共の福祉の制約を受けるのは当然だし、例外的な制限はありだと思います。とくにご指摘のような米国の状況においての一定のルール化はあり得るでしょう。ただ、米国以外はどうでしょうか?米国の中小企業を一般的に救済する法案はあるのでしょうか?今回のK大臣のアプローチへの違和感は、その範囲の広さと細かい議論をすっとばした強引さと性急さ、さらには銀行規制などほかの議論との違和感があまりにも大きすぎるからだろうと思います。きちんと業界などとの議論を行ったうえで範囲を明確にし規制との問題との整合性をとりつつ案を作っていくことそのものはありだろうとおもいます。
厭債害債
2009/10/04 08:45
前のコメントに関連してですが、アメリカで一定の規制が速やかにできたのは、今回の金融危機の火種となったサブプライムローンなどでもともとの詐欺的融資慣行が問題になったことも大きなポイントだと思います。さすがに日本の住宅ローンでそういう問題はなかったかとおもいますが。
厭債害債
2009/10/04 09:12
原因はともあれ、loan modificationの対象がprime loansを例外とせず、確か半分がnon subprimeでしょう。ただalt-Aも区分上はprimeでしょうけれど。
loan modsは、差押防止を目的とする住宅ローンに限定され、中小企業ローンは関係ありません。今回の提案に住宅ローンが含まれる?とのことゆえ、書かせていただきました。ボーナス払いが多い国で、2割年収が下がれば、代位弁済=>差押がどの程度発生するでしょうか。1年後には、他国の話ですみますか。米で最初に議会で議論がでたのが2007年9月、法案成立が09年5月。その間に5回、同じ法案が流れて2年がかり。mods法案はありえないといわれていたけど、ついには耐えられなくなった。
我が国で期間の延長が条件の変更でしょうから、要管理か要注意債権でしょうから、3〜7割の引当金が必要になるでしょう。資本計算上の検査基準をどうするか。どの程度の資本不足になるか。大手行であれば、全体の1割が中小企業ローンとすれば、さほど悪影響にはならないかもしれませんが。
この先は、借換の期間延長の猶予が始まれば、商業用不動産に行き着くか。
金融界、知っていても参考にださない他国法...
2009/10/04 09:44
金融界、知っていても・・・さんどうもです。
原因はともあれ、ということでしたが、まさにアメリカでこういう動きが先行したのはやはりその原因の部分が大きかったとおもいます。その意味でもしかしたら他国でもこれからいろいろそういう動きが出てくるかもしれません。さて日本でそこまで住宅ローン債務者を保護する必要があるのでしょうか?
アメリカでCMBSに同様の動きが広がるかもしれないというのは同感です。
厭債害債
2009/10/04 21:35
Fannie, Freddieのモーゲージは30mil.  2009年半期の差押は54万件、4.7%が延滞。60日以上延滞23万件、30日延滞68万件。6~8月、差押モラトリアム法及びHAMPにしたがうる2つのGSEのモーゲージ条件変更が20万件。
これら、コンフォーミングで、サブプライムではありませんよ。
そうした法案の背景にある原因が詐欺貸付だのおっしゃるが、modsの半分はそうではないし、3/4以上のサービサーが大手4行(CFCやワコビアのが含まれているが)で、サブプライムのウエイトが高いとはいえないし、サブプライム=詐欺貸付ではない。
差押を放置したら、地域経済が死んでしまう非常事態緊急対策であり、騙された悲劇のサブプライム救済ではない。しかも法案S. 896からPUB.L.111–22になって制定されるとき、cram down修正条項が削除された。もはやcram downを認めていない破産法を改正して、Chap.7をしなくても破産裁判所裁判官に元本減免の権限を与えるほかないところまで追い込まれており、2月オバマは、クラムダウンを削ることを提案して、失敗している。これもサブプライムでもないし、S. 896、H.R. 1106で上院下院の法案審議過程のどこで、またFDICを含め、サブプライムを議論して、MODSの必要性から立法していましたか。
金融機関の多くの人たちは、どこをどう解釈されて、アメリカのモラトリアムは特別だと言い切っておられ、我が国は関係がないことと主張されるか、全く事実が示されていないのではないですか。
金融界、知っても参考に出されない他国法案
2009/10/04 23:40
金融界・・・さんどうもです。サブプライムとか詐欺的貸付がなければ議論が起こりづらかったのではないでしょうか?米国は極端に延滞が急増しているから非常事態ということになったのであり、社会の在り方そのものにかかわる問題になっていますが、日本ではどうでしょうか?同じレベルで急増していますでしょうか?住宅ローンが払えないでホームレスがうじゃうじゃ出るほどの状況になっていますでしょうか?モラトリアムというのはやはりおっしゃるように非常手段であり、かなり追いつめられてからでいいと思うのですけれど、米国よりもかなり延滞が少ない現段階で日本でも導入すべき状況だとお考えなのでしょうか?
厭債害債
2009/10/05 05:10
住宅ローンは特殊。差押で家の明け渡しという結末になり、街が崩壊する。危険と犯罪が増え、結果、社会の安全と秩序維持費用が高くなる。それがサブプライムかどうかの問題でなく、結果論として理由が何にせよ、そういう事象が発生してしまえば、手を打つ必要があり、現実はGSEを含めプライムローン対策になっている。破産は今年140万件、modsは500万件を目標?で破産しないで、chap.13改正してでも破産なしに家を維持させる方向に動く。プライム・ローン破綻による経済の救済。
emergencyさえ法律名称にする。どこかの国では口では100年に一度の危機と嘯き、認識がないのか。1930年代前半、20年間ローンを延長して、差押防止のため政府機関を作って買い取り、償還が終わったのは50年代前半。既に前例がある。確かに法案制定には、空気やムードでなく、現実の悪化のデータによる証明が必要だろうが、金融庁は従来そういうやり口をしてこなかった。
商業用ローンで、支払い条件変更すれば、払えるけど期間の単なる延長という信用状況が証明できなければ、会計上、資本計算上、不良債権に認識せざるを得ない。どれだけ資本毀損に耐えられるかの勝負でしょうし、引き当てしなければ、市場では実質不良債権がモニターされるに過ぎない。
事業ローンは、人道(=政治)問題となる住宅とは質が違う。
金融界、知っても参考に出されない他国法案
2009/10/05 07:06
アメリカの法律制定の背景は、民間ローンは証券化されており、サービサーに条件変更権限がないこと、信託受託者に変更を指示する権限がないこと、受益者同意が必要なこと、投資家にとって有利変更であることの証明が必要なこと、モラトリアムすれば、その延滞期間中、サービサーは信託譲渡契約に基づき(GSEとの契約でも)、差押終了まで立替金を払い続け、保険、税金も払う義務があり、法律を作らないと、勝手にはモラトリアムできない状況があり、そのための費用の弁済のための法も必要になる。GSEのモラトリアムは、証券化されていても保証する自身が負担するだけで、投資家に無断で勝手に変更権限がある。だけど立替金問題が起こり、サービサーに立替金支払い免除をすればすむ。
公庫は投資家の許可なくやりたければできる。差押が数十万件にもなれば、社会問題化(消費者問題として動きだす)して避けられない。民間が証券化されていたら同様な法律が必要になる。米は最初の法案提出から制定に2年近くを要した。減収でローン支払い差押さえが増えれば、ありえない議論ではない。
金融界、知っても参考に出されない他国法案
2009/10/05 07:20
金融界・・・さんどうもです。住宅ローン差し押さえが増えればありえない話ではない、という点は賛成です。これまでも個別対応で日本でもやってきたことは周知のことですし、それが規模的に大きくなれば制度的対応が必要であることに異論はありません。
ただ、K大臣は中小企業向けや住宅ローン一般に今すぐ対応するような発言であるため、金融業界からのある意味当然の反応を招いているのだと思います。不良債権としないという本日の発言も、実際会計や税務にかかわる話としてちゃんと詰められた上で発言されているのか、怪しいものです。そういう不確実性はビジネスにとって大きなリスクであり、反発はいたし方ありません。
厭債害債
2009/10/06 18:10
08年10月の金融機関救済のためのEmergency Economic Stabilization ActのTroubled Asset Relief Programに基づくくつかの金融システム安定化プログラムが準備されたが、中小企業や消費者の信用市場への資金フローの回復、住宅の差押防止も含まれた。
住宅ローンのMaking Home Affordable Programでは、700〜900万の住宅所有者に借換支援や差押防止のため750億ドルの契約条件変更が設けられた。財務省は09年3月4日、Homeowner Affordability and Stability Planに従い、債務不履行となったり差し押さえられた債務者の返済額を所得の31%までとする契約条件変更をサービサーの大手金融機関に促し、そのための必要経費の補助金や所得補填の補償金の予算を含めたモーゲージ救済のためのHome Affordable Modification Program,規則を発布し即時施行された。
HAMPはサブプライムでなくFNMAなどのGSE適格モーゲージ及び証券化されたモーゲージ全てを対象とし、GSE承認のサービサー全てが参加を義務づけられ、参加者にはGSE不適格ローンの扱いも認められた。
金融界、知っても出されない...上記に追...
2009/10/09 00:32
プライム層の適格ローンの大半がGSEにより証券化されている。通常、証券化のサービシング契約では差押売却処分までサービサーが延滞金、保険金、税金を立替払いする義務があり、支払猶予や差押猶予には費用が伴い、補償金なしには提供できない。
3月15日、FNMAは34頁に及ぶHAMPの条件変更のためのサービシング指針Announcement 09-05 Rを発表。
GSE保証のない場合に、投資家の事前許可なしにサービサーが契約条件を変更すれば契約違反となり、賠償請求を受ける。そこでサービサーの契約変更行為により生じる損害賠償責任からサービサーを保護するようセーフハーバー免責を設ける法案も必要になる.
民主党上院議員Chris Doddは、サービサーのセーフハーバー免責条項を含む独自の法案S.896(Helping Families Save Their Homes)を4月24日に提出し、上院で5月6日可決され、下院を5月19日に通過し、翌20日に大統領が署名しPUB.L.111–22として法律となった。
金融界、知っても出されない...上記追加...
2009/10/09 00:36
金融界・・・さん、追加情報ありがとうございます。参考になります。
厭債害債
2009/10/14 06:25
Citi...適格60日+延滞ローンの内,42%がHAMP,33%が条件変更.Wells(同34%,20%),JPM(37%,27%),Saxon(48%,41%)
2008年末に7.8%だったCitiの住宅ローンの延滞は、3月末、HAMPで9.6%に、9月末には12.5%に増加。
       延滞合計 90~179日 180日+延滞
2008年末    7.8   3.9    3.9      
2009年3月末   9.6   4.5  5.1    
2009年9月末 12.5 4.9 7.6

第3四半期の増額分の半分がHAMP
180日以上が昨年末に比べて倍増しているが、差押執行処分できないため。

http://www.treas.gov/press/releases/docs/MHA%20Public%20100809%20Final.pdf

http://www.fhfa.gov/webfiles/15055/2Q09ForeclosurePrevention100209F.pdf

http://www.treas.gov/press/releases/reports/modification_program_guidelines.pdf
金融界、誰もが知っ米の返済・差押猶予,条...
2009/10/16 11:07
米国のMHA(Making Home Affordable)プログラム関連のことを事細かに書かれていらっしゃるけれど,そこまで詳細に記載したいのならご自身でHPなりまとめブログなりを作られたほうが良いのでは・・・。

ちなみに,米国のloan modsはこれで成功しているわけではなく(loan mods後のre-default率は50%を優に超えています),また住宅の差し押さえ率も今後さらなる急上昇が見込まれています。逆に言えばloan modsがなければ米国の大半の住宅ローンがデフォルトしていたはずで,だから緊急法案が通っているという事情があるのだとおもいます。
日本ではどうなのか,国内住宅ローンの半分が差し押さえの危機にあるまでになっているのか。そこまでではないからこそ(そもそも日本における住宅ローンの審査が米国に比べて厳しいと個人的には思う。GSEのコンフォーミングローンにしても,実は信用力が足らない場合追加手数料を払えば審査が降りるなど,コンフォーミングにおいてもノン・プライムなものは結構含まれていたりする)日本で今必要なのかという批判が出てくるのだと思います。
そこら辺もご自身のまとめブログ・HPで比較してみていただけると興味深いです。

自分でやれ?いや、めんどうなので・・・。
すごいなー
2009/10/18 02:42
HAMP(3月4日発布)とそれ以前のHOPEなどのloan modificationとは異なります。実際にはGSE適格であてもS.896の制定以降で、累積適用者は6月14万件、7月25万件、8月39万件、9月49万件。HAMP以前では、modsといっても、殆どrepayment planやら猶予利息の元本組み入れで、金利下げも20%で、その比率も2割もなかったような。だから再デフォルト率が90日後に半分にも達した。HAMPでは、元本繰り入れ無しの支払猶予、税前年収比率の31%までの支払額に調整し金利下限2%で上限capあり、満期40年まで延長、短期リセット金利型から長期固定に変更など(元本カットはない)制度に基づく。制度のないmodsと制度化されたHAMPは性格が異なり、結果も違うだろう。
だからといってHAMPが成功するかはまだ不透明で、支払不能となれば、short sale、最悪差押に向かうことになる。議会監視評議会は、予算上900万件処理できるのかと否定的。
金融界...HAMPとそれ以前のmods...
2009/10/18 17:52
>金融界...HAMPとそれ以前のmods...さん

ですから,せっかく諸々お調べになられていらっしゃるのだから,まとめブログを書かれては如何でしょうか?
このサイトの読者も識者が多いと思いますが,意外にこの分野は矢継ぎ早に制度が導入されたりしていてなんともわかりにくいですからね。

HAMPはそういえば先週、当初目標の50万件突破したって財務省がコメントしていましたね。このまま増えていって住宅市場の安定化につながればいいなぁ。もっとも財政負担の激増と引き換えになるのでしょうけれど。
すごいなー
2009/10/20 01:47
たぶん、年金の運用とかで米のFixed Incomeに関して助言していた人でしょ。横浜方面の大学で教鞭とってたのでは?
こいつあちこちに顔出してるよね
2010/01/16 15:49

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A Tale of Two Ministers (追記あり) 厭債害債(或は余は如何にして投機を愛したか)/BIGLOBEウェブリブログ
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