厭債害債(或は余は如何にして投機を愛したか)

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zoom RSS デフレ脱却議員連盟、120円台への円安誘導を主張

<<   作成日時 : 2010/04/13 23:14   >>

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デフレ脱却議員連盟の要望案がちょっとでて多少円安になったようです。

http://jp.reuters.com/article/marketsNews/idJPnTK038136120100413

「 [東京 13日 ロイター] 民主党の有志議員による「デフレから脱却し景気回復を目指す議員連盟」は13日、参院選のマニフェスト(政権公約)策定に向けた要望案を取りまとめた。

 同要望案では、貿易・金融に過度のゆがみが生じないよう、購買力平価を参考とし、1ドル=120円前後を目安に相場が適切な水準を保つよう努力することなどが盛り込まれた。これに対し、13日の会合において、出席した議員から為替レート部分の表記で修正を求める声が出たため、表現を弱めることを含め、最終的に執行部に一任することが決まった。


 このほか、要望案は、デフレからの完全脱却に向け、金融政策と財政政策のあらゆる手段を一体的に駆使して「総合デフレ対策」に取り組むとしている。政策目的として「あらゆる金融政策と財政政策をデフレ脱却に向けて集中的に投入する」とされた。

 具体策としては、1)デフレを完全に脱却するまで思い切った金融緩和を実行・継続する、2)金融政策の指針となる物価などの適正水準について、政府が数値目標(消費者物価指数の対前年比2%超など)を決定、それに基づいて日銀が政策手段を独自に選択して数値目標の達成に努める、3)貿易・金融に過度のゆがみが生じないよう、購買力平価を参考とし、1ドル=120円前後を目安に相場が適切な水準を保つよう努力する、4)米連邦準備理事会(FRB)の制度を参考に、金融政策の目標として「雇用の最大化(失業の最小化)」を明記し、国民生活の安定につなげる、5)経済の底上げ効果のある財政政策を実行し、企業の資金調達円滑化のための制度融資などを大胆に行う──ことをあげている。


 デフレ脱却議連には、衆院を中心に民主党議員130人程度が参加している。」


購買力平価ペッグというのも決してありえないアイデアではないけれど、少なくとも世界中のどこも採用していないところを見るとまあ非現実的だということでしょうね。

為替レートの理論的水準を購買力平価でみる、という意味や、円高を何とか阻止するための介入は多少はやむをえないという意味と、為替レートを購買力平価付近に持っていくということとは根本的に違うことですが、その辺のことはどうも一部の民主党議員さんには理解してもらえてないようですね。まあそういう提案をしようと考えた段階でワタクシは自由貿易と資本取引原則自由を謳う国の政治家としては失格だと思っています。これができるのはまあアメリカと中国だけでしょうに。

第一、購買力平価といってもいろいろな種類があります。消費者物価ベース、卸売物価ベース、輸出物価ベース、輸入物価ベースなど。あとはICPなんてのもあります。 http://www.stat.go.jp/info/meetings/icp/pdf/hyo0.pdf

どれをとるかは議論が分かれているし、当然のことながら世界の為替相場は全体として見れば流れには沿っていながらも、それぞれの基準値が大きくぶれている(たとえばCPIベースと輸入物価ベースだと120円台と60円台ぐらいの違いがありますね)。
いずれにしても120円台というのは、CPIベースとかICPベースとかに近く購買力平均でも相当円安の方であり、これをまともに政策として主張したら、アメリカや中国に対し宣戦布告しているうようなものだということに早く気が付いてほしいですね。戦争で勝てる自信でもあれば別ですけれど。

逆にこれまでの歴史は輸入物価ベースと輸出物価ベースの購買力平価(いずれもCPIベースよりはるかに円高水準)の間でであることが多く、しかも時のアメリカの政治状況によってかなりぶれがあります。かなり特徴的なのは、極端に円高方向にぶれたのが過去のアメリカの民主党政権時代であること。オバマ政権が輸出倍増政策とか言い出しているときに120円台目指すとか言い出すのは、相当気合入れて喧嘩する覚悟がおありなんでしょうなぁ。

確かにデフレ脱却のために何らかの行動を起こすべきという気持ちはわかるのですが、為替レートはあくまで結果であってそれを手段としてはならないというのが過去の教訓(近隣窮乏化政策で国際紛争が起きてきた)ではないでしょうか?

申し訳ないけれど、このことだけをとっても、日本の民主党の一部議員の政治的センスは相当低いと思わざるを得ません。

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コメント(14件)

内 容 ニックネーム/日時
はじめまして。エントリの内容に完全に同意します。大規模介入を行った2003〜04年とは状況が全く違うことを彼らは分かっていません。それとも09年衆院選と同様に、国民に聞こえのいいことを言っておけば票が取れるとでも思っているのでしょうか?仮にそうだとすれば、尚更現状認識ができていないことになりますが。
nwonder
2010/04/13 23:57
人民元が切り上げられたらドルに下押し圧力がかかるので、このタイミングで投機筋に牽制球を投げておくのは適切だという気もします。
1
2010/04/14 03:43
nwonderさんコメントありがとうございます。基本的にデフレと円高のどちらが原因でどちらが結果かは議論のあるところだと思うのですが、そうした議論がちゃんとなされているのか、と疑いますね。

1さんコメントありがとうございます。おっしゃる通りドルに下押し圧力が出ることが予想されますが、だからといってはじめから120円まで押し上げるというのはちょっと議論としては乱暴だとおもいました。牽制球はもっと効果的にやるべきであり、今回の議員連盟のようなコメントは逆に問題だと思いますね。
厭債害債
2010/04/14 06:26
民主党の議員さん達の気持ちも分からないでもないですけどねえ・・・
どうせ毒にも薬にもなりませんから、
問題にするまでもないかと(^^)
マーケットも一瞬だけは反応があったようですが。
40歳無職
2010/04/14 09:41
大規模介入が実施された当時と現在は為替にとってどのように状況が違うのでしょうか。素人としては、表立って政治が為替に介入するのは愚行と考えています。今回の民主党の提案は評価できませんが、それ以上に当時の介入は犯罪的であるとさえ思っているのですが。
傍観者
2010/04/14 21:32
 こんばんわ。いつも大変参考にさせていただいてます。
今回の件も仰るとおりだと思います。

 結果として過度な円高を防ぐための政策は必要だとは思いますが、こういったことは裏で、出来れば言い訳のたつ政策で実行するべきだと思います。(金融緩和とか)
今回は議連なので大事にはならないでしょうが、某大臣あたりが迂闊にも具体的数字を述べないことを願っています。逆にアメリカ辺りに『現状の経済状況では1ドル=50円が望ましい』とか言われちゃったらどう抗議反論するつもりなんでしょう…
CCA
2010/04/14 22:50
ご無沙汰してます。
まあ、このていたらくは結成当時からそうなるだろうと思ってましたので、気にもとめませんでしたが、為替市場が反応したのには正直驚きました(笑)
個人的にはデフレ脱却のために円安誘導をぶちあげたことは素直に評価したいのですが「それって米国に喧嘩売ってるよね」というか「それが出来ないからデフレなんだけどね」ということが分かってないのんきさを要望文から感じてしまうのは私だけじゃなさそうで一安心です。
というか、為替政策を司るのは財務大臣って分かっているのかなあ、あのひとたち。。
a-kun
2010/04/15 00:50
120円は勝間和代さんの入れ知恵じゃないでしょうか。昨年、下記のようなプレゼンを民主党議員にしていたようですし
http://www.katsumaweb.com/market_eye_mtg.pdf

デフレ脱却議員連でもついこないだ講演を行ったようです。
http://kazuyomugi.cocolog-nifty.com/private/2010/04/post-fe79.html

仮にも経歴の中に「外資系金融機関で債券のトレーダーをしていた」と公言する人間が、為替の固定相場制の導入を推奨しているわけですから、マーケット関係者は本気で彼女を怒ったほうがいいと思うんですよね……。
saitotak
2010/04/15 07:38
与党議員が個人の発言ではなく議員連盟としてこんなことをいっているのかと思うと、唖然ですね。
人為的な為替操作をすると公言しているのですよね。
外国為替は、1国に関係するものではりません。
2国間ひいては多国間に影響を与える外国為替に、日本のデフレだけを理由に勝手に好きな水準にもっていく行為が、外国からどういう目で見られるのか考えられないのでしょうか?

カツマとかいう似非経済評論家の入れ知恵だとすると、本当に低レベルですね。
あの人のいうことは内容が本当に酷いです。

そもそも「デフレ退治!」なんていうのがもう異常です。
デフレが原因で景気停滞しているわけではありません。
景気停滞が原因でデフレが起こっているのです。
デフレをなんとかしたいのなら、景気をなんとかするしかありません。
しかし、ここまで履き違えた主張が誰にも是正されずに公表されていることに愕然とします。

デフレは怖くありません。
物価下落には限界があります。
しかしインフレは天井知らずです。
デフレ脱却と盲目的に狂った政策を続け、ハイパーインフレになったらもう止められないでしょう。
そのときはデフレのせいにするのでしょうがw
348ts
2010/04/15 14:57
与党議員が個人の発言ではなく議員連盟としてこんなことをいっているのかと思うと、唖然ですね。
人為的な為替操作をすると公言しているのですよね。
外国為替は、1国に関係するものではりません。
2国間ひいては多国間に影響を与える外国為替に、日本のインフレだけを理由に勝手に好きな水準にもっていく行為が、外国からどういう目で見られるのか考えられないのでしょうか?

日銀とかいう似非役所の入れ知恵だとすると、本当に低レベルですね。
あの人たちのいうことは内容が本当に酷いです。

そもそも「インフレ退治!」なんていうのがもう異常です。
インフレが原因で景気停滞しているわけではありません。
景気高揚が原因でインフレが起こっているのです。
インフレをなんとかしたいのなら、景気をなんとかするしかありません。
しかし、ここまで履き違えた主張が誰にも是正されずに公表されていることに愕然とします。

インフレは怖くありません。
物価上昇には限界があります。
しかしデフレは底知らずです。
インフレ脱却と盲目的に狂った政策を続け、デフレスパイラルになったらもう止められないでしょう。
そのときはインフレのせいにするのでしょうがw
鏡の国の通行人
2010/04/16 21:56
40歳無職さん、どうもです。まあ気にしてませんけど、ちょっといじってみたかった。

傍観者さん、コメント有難うございます。当時は小泉ブッシュ間の日米の暗黙の合意がある中での為替水準調整(極めて政治的)であり、イラク戦争協力御礼補助金という感じでしょうか。今回は日米関係崩壊寸前の状況で、具体的なレベルにまで言及した点でけんかを売っている感じです。まあ介入が必要な場面はあるかとは思いますが、原則的には市場機能が失われそうな場合が基本だと思いますね。

CCAさんどうもです。望ましい、と言うだけではまあたいしたさわぎにはならないでしょうけれど、政策としてそこに持っていくと言った段階でアウトだと思いますね。
厭債害債
2010/05/10 21:53
a-kunさんどうもです。おっしゃるとおりで、議員さんたち(民主党にかぎらず)に多く感じられる「外交」への感度の鈍さが気にかかります。

saitotakさんコメント有難うございます。そうですか、Kさんでしたか。勉強になります。この方はちょっとあちこちに口挟みすぎだと思います。

348tsさんどうもです。デフレと経済成長については議論がありすぎるのでワタクシはコメントできませんが、少なくとも為替で何とかなると思うのはやや楽観的過ぎると思っています。


厭債害債
2010/05/10 21:58
情けない。すべてに恵まれてる日本が、どん底を続け、真の技術も金もなかった中国が、あのように成長しているのを、少しも疑問に思わないのか。 あなたのような人が多いと、このまま低成長をつづけ、いずれ最貧国に落ちますよ。
本たぬき
2010/12/28 15:53
本たぬきさん、コメントありがとうございます。中国が成長しているのは、まさに何もないどん底からだからです。グローバル化した経済の中で開放政策をとれば成長率が高いのは当たり前です。疑問でも何でもありません。為替レートを人為的に操作することが長続きできるのかどうか、そして、本文の内容と日本が最貧国に落ち込むことへの因果関係はどのようなものなのか、をきちんと示していただけるとありがたいです。
厭債害債
2010/12/30 00:28

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