厭債害債(或は余は如何にして投機を愛したか)

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zoom RSS フィオン首相(フランス)の講演会

<<   作成日時 : 2010/07/16 16:05   >>

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最近フランスではサルコジ大統領の存在感が大きくて首相ってだれだっけ?とワタクシの周りでものたまう人々が多くなっているのですが、フランスにもちゃんと首相がおられます。コアビタシオンの時代なら大統領と異なる会派から首相が出るのでどうしても頑張って存在感を前面に出すのでしょうが、まあいまでは必要もないのでしょう。G8などの国際トップの会議では大統領なので、この辺は実権のある大統領が居る国における首相という限界はあるんですが、それでも今日の講演を聴いて、政治家の講演はかくあるべしとか思ってしまいました。首相はラガルド財務大臣とともに来日中で、たまたま本日その講演会に参加する機会を得ました。

内容は「国益」というものへの意識を十分すぎるぐらい感じさせてくれる講演でした。そして現在何が聴衆(市場)へのメッセージとして重要か、その限界も十分にわきまえたないようでした。そしてそれゆえに、一部の論点においてはかなりの強弁も目立ったといわざるを得ないでしょう。

まず、当然のことながらEU、ユーロ、欧州統合の問題について触れます。彼の答えは「21世紀はEUなくして語れない」というものです。現在体験している危機は「単一通貨本来の脆弱さに起因するもの」ではない!と断言しています。すなわち国家財政の管理不行き届きによる従来型の国家債務の危機で、過去の経験の一例に過ぎず、ユーロ圏全体で見ると米国や日本よりもはるかにいい、と言っています。今回の問題が独仏関係に傷跡を残しているのか、ということについても明確に否定し、お互いの蔵相がお互いの国の閣議に出席するなどの協力関係を強調しました。

そしてこのように依然として地域全体がひとつの経済共同体として存在することで日本をはじめとする海外企業のビジネス上のメリットが極めて強いことを強調し、投資の促進をよびかけています。

話題となっている財政再建についてもかなり具体的なプランを(前から言われていることですが)語っています。とりわけ公務員削減についてはおよそ3%にあたる15万人を2012年までに削減するとのことです。みんなの党が聞いたらきっと喜んだのではないでしょうか?一方で成長の糧としての近代化政策や投資についても述べまし

一方で日本との貿易関係については、自由貿易協定(FTA)については決して否定的ではないのだが日本のほうでの非関税障壁・不必要な規制などの問題が大きく、その解決についてトップとして強く訴えていきたいということです。

フランスの今後の課題としては「金融規制」をまず第一に挙げました。報酬の慣行、非協力的な地域に対する対抗措置などの包括的な対応を実施することが肝要であると述べています。またハイリスクの金融取引への課税が前向きに検討されているようです。そのほか、農産物などの一次産品の価格変動を抑える方策についても考えるとの事です。


参加者の顔ぶれを見る限り、比較的金融関係者が多かった印象でした。そのなかでやはり聞き所はユーロ、独仏関係、財政などのところでした。ユーロや独仏関係についてはまあ当然といえる内容ですが、ただ、今回の危機が「単なる単一国家の財政ミスマネジメントの一例」というのだったら、ドイツやフランスがいちいちカネやら口やら入れる必要もないわけでして、いいところだけはユーロ全体で測定して悪いところは個別国家、なんて使い分けはなかなか通用しないのがユーロの仕組みというものだと思います。まあこの辺が政治家の「技量」といえばそれまでですが。

面白かったのは、あえて「アングロサクソンのメディア」に言及したこと。人々がアングロサクソンのメディアからの情報ばかりを重視しているので、必ずしもきちんとしたユーロ圏のニュアンスが伝わっていないのではないかと、ちょっと苦言めいたことも話しておられました。とりわけ一部の「ユーロにあえて入らなかった国」については、そういう対抗意識みたいなものがあるのでは?ともおっしゃってました。

この点に関しては、ワタクシも一部同感です。まあFTなどはいい記事もありますが、デイリーテレグラフなどは、内容そのものはそれほど目新しくもないのにヘッドラインだけまああおり記事みたいなのが多くて、しかも悪いことに日本でもその翻訳をありがたがってばら撒く人が多いのです。危機に対してみんなで何とかしなければならないという時に、不必要な不安心理をあおることは極論すれば犯罪に近いと思います。内容をきちんと精査した上で本当に意味のあるものについてのみ報道するのが報道機関の役割だと思うのです。

もうひとつ、EUの存在意義についてのくだりで「バルカン」という言葉がでました。バルカンの安定のためにもEU(あるいはユーロも?)は必要なんだと。やはり欧州の政治家の間には第一次世界大戦やロシアやトルコといった問題が相当重くのしかかり続けているということなんでしょうね。

繰り返しになりますが、国益というものを背負っていることが明快なスピーチは、たとえ多少矛盾や強弁があろうとも、却って気持ちがいいものです。政治家とはやはりこうでなくちゃ、ということですね。

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