厭債害債(或は余は如何にして投機を愛したか)

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<<   作成日時 : 2010/12/29 12:23   >>

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Systemically Important Financial InstitutionS の省略形で「システム上重要な金融機関」と訳されていますが、要するに国際的に「Too Big To Fail」の概念を事実上導入せざるを得ないぐらい大きな(あるいは決済システム上重要な)対象であります。一方でもはや国家にToo Big To Failを適用し続ける余裕もなくなっていることから、これらの金融機関は自分たちで「つぶれないだけの自己資本」の積み増しなどを強制される可能性がある、ということです。

毎日新聞の報道(リーク?)では、金融庁と日銀がFSB(Financial Stability Board)に提出する日本案(全体としての案であるため外国金融機関を含んでいます)60機関をまとめたとのことで、その中には日本から野村HD(19)、三菱UFJFG(24)、みずほFG(36)、大和証券G本社(48)の4社が仲間入りしました(カッコ内は順位)。正式にはFSBはG-SIFIs(世界的に影響の大きいSIFIs)を来年6月ごろをめどに選定するようです。

「また野村か・・・」とどこかのコマーシャルで聞いたようなせりふが聞こえてきそうですが、メガバンクではなく証券業務中心の野村さんが日本勢のトップに位置するということはなかなか意味が深いです。全体で見ても、ゴールドマンが2位、モルガンスタンレーが10位とバリバリの投資銀行系が上位に食い込んでいる。野村もリーマンをおなかに入れているという意味ではGSやMSに近いともいえますね。今後こうしたところがより厳しい資本規制を課せられる可能性が高まり、増資を要求されたり、一方でバランスシートを使ったリスクをとりづらくなったりするということです。行動が制約され収益力が落ちる可能性がある反面、債券投資家からすれば、実はこれらの金融機関の資本強化が図られるので、相対的な安心感が高まる、ということになるでしょう。野村さんがちょっと前に出した劣後債などもそういう脈絡で理解しておく必要があるのでしょう。

ところで、メガの一角、三井住友さんは姿が見えません。いつぞや記者会見かなにかで自分たちは入らない見込みだとおっしゃってましたが、そのとおりになりましたね。政治力の賜物なのかどうかはわかりませんが、これも興味深いことのひとつです。




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コメント(4件)

内 容 ニックネーム/日時
年末を迎えるにあたってお聞きしたいのですが、以前尖閣問題で国内が大騒ぎしたときのエントリー記事を読み返してみて恥ずかしくはないですか?
>今回、あきらかに中国側ははじめから計画的に一連の事件を起こしてこの辺の問題の結論と「どちらが強いか」をきっちり認識させるつもりだったのでしょう。

単に酔っ払い船長が魚を追っかけているうちに日本の領海に入り込み、接近してきた海保の警備艇に逆ギレしてぶつかってきただけの話でしたよね?

>圧倒的な軍事力の脅威を目前にした、外交能力のない弱小国の国民ができるのはただ一つ、ゲリラ戦とレジスタンスです。これも組織が必要です。我々にはそろそろその準備と覚悟が必要なのではないか、とおもいます。

漁船がぶつかってきたぐらいで、この大仰な表現! まさに平和ボケですね。

>さっさと中国の省の一つに組み込んでもらってなんとか特区とか名前を付けてもらって高度経済成長(生活水準はいきなり落ちるでしょうけれど)を味わうという手もありますけれど、とりあえず多くの国民は拒否反応を示すのではないかと・・・

「中国」を米国と読み替えれば、わが本邦はとっくの昔に米国の特区になっていると思いますけど…

今読み返してみて、厭債さまの現在のご心境をお聞きしたいものです。
kokudo
2010/12/30 20:08
kokudoさん、コメント並びにご指摘ありがとうございます。ワタクシは明らかに間違ったことを述べた場合には一応きちんと対応するつもりですが、本件に関してはいまだに正しいとも間違っているとも判定しかねております。まあ、何年後か何十年後かわかりませんが、歴史がそれを次第に確認して行くのだと思います。非核三原則でも明らかになったように、外交の世界では、ウソは普通につかれますから、公式見解だけ信用して正しいとか間違っているとか断じるのはナイーブ過ぎると思います。
今回の事件は結局うやむやになりそうですが、事件直後に中国政府がとった態度は法的にいえば船長の行為の「追認」でありますので、反証がなければ挑発を意図していたと言われても仕方のない事例であると思います。この事件はそもそも当該中国船長は中国で裁かれていないように思うのですが、意図的に船をぶつけてくるようなケースでは仮に中国領海であっても何らかの犯罪だと思うのですけれどね?裁かれないのであれば、やはり中国政府は彼の行為(飲酒して船を操縦し他国の警備艇に向かっていく行為)を正当行為として見ているということになります。この点については、いかがでしょうか?
あと、これはお願いですが、エントリーに関するコメントは当該エントリーで行っていただくとありがたいです。新着コメントはチェックできます。
厭債害債
2010/12/31 11:18
お久しぶりです。あけましておめでとうございます。久しぶりに拝見いたしましたが、いつもやはり勉強になります。そうですか、SMBCでなくMizuhoうーんて感じです。このあたり三井住友の深謀遠慮を感じますが。ところで中国の大銀行ってどうなるのでしょうか。
今後の市場インパクトという意味ではそっちのほうがでかいかもしれませんね。
karu
2011/01/24 22:59
かるさん、どうもです。今年もよろしくお願いします。中国の場合SICs(systemically irresponsible countries)の一角でありましょうか。勝手な造語ですが。
厭債害債
2011/01/31 03:38

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