厭債害債(或は余は如何にして投機を愛したか)

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<<   作成日時 : 2011/07/16 07:52   >>

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http://mainichi.jp/select/jiken/news/20110716k0000m040073000c.html?inb=yt

大方の予想通りでしょうか、賃貸物件の更新料について、最高裁は原則「有効」という判断を下したようです。
これまで高裁レベルでは判断が分かれていたもので、最高裁小法廷が全員一致で判断を下したことから、この問題には決着がついたといえそうです。

判決文全文をきちんと読まないうちにあれこれ言うのは危険であることを承知の上でコメントすると、ワタクシにとってもまあこうなるんだろうなぁという結論です。更新料が消費者に対して

消費者契約法第10条

 民法 、商法 (明治三十二年法律第四十八号)その他の法律の公の秩序に関しない規定の適用による場合に比し、消費者の権利を制限し、又は消費者の義務を加重する消費者契約の条項であって、民法第一条第二項 に規定する基本原則に反して消費者の利益を一方的に害するものは、無効とする。

という条文によって契約条項が無効となる要件を満たすか、という争点だったようですが、このうち、「消費者の権利を制限し、又は消費者の義務を加重する」条項であることは認めたものの、「民法第一条第二項に規定する基本原則に反して消費者の利益を一方的に害する」点は否定し、結局更新料条項の無効を訴えた原告が敗訴しました。

ワタクシとしても昔賃貸にいたころ更新料では契約するときから不動産屋とか家主とよくやりあったもので、原告の気持ちはわかるんですが、心の底ではまあ勝てないよなぁと思っていました。金融屋的発想からは、更新料というのは全体でみたキャッシュフローを一部ゆがめただけのものにすぎないと思われ、普段の家賃を安くする代わりに更新のときにがっぽりいただく、その代わり住み続けるかどうかのオプションは借主にある、という性質のものです。二年なら二年という期間において更新料と解約オプションコミで平均的な賃料を自分で計算して有利不利を判断できるわけですから、契約書にきちんとその金額などが明記されている以上、借主がそれを含めた判断をすればいいだけで、契約してからあとから無効っていわれてもねぇ、という家主側の主張のほうにやはり分がありそうに思いました。たとえば旧借家法が定められた時代のように、借家を見つけるのが厳しくて家主側が不当な権利行使をしがちな時代であれば結論にも影響が出たかもしれませんが、いまはいくらでも借家は見つかりますから、更新料コミでも安いところを探してください、ってことになりますか。

仮にこれが無効になるとしたら、「不当に高い」「何らかの理由で借主側に(階層としての)弱さがあるのに(たとえば震災直後の地域など)貸主側が結託して高い更新料をとるカルテルを結んでいる」など要するに民法の「信義誠実の原則」(1条2項)に反するような条件が満たされる必要がある、ということを示したわけで、ある意味契約自由の原則に忠実なケースだったといえるのではないかと思われます。

すみません、ワタクシはもう賃貸出ちゃったもので・・・・

このケースを見て当然思い出すのが、サラ金の過払い返還と、NHKの受信料でしょう。前者は利息制限法に引っかかっていたので、そのグレーゾーンを無効にしたということであり、政策論としては多少問題があるし遡及させた点について問題があるとしても、その辺が無効だという判断そのものは十分納得できる。一方NHKについては、私は(もちろん払ってますが)やっぱり契約自由の原則との兼ね合いでまだ納得しておりません。放送法でさだめる「契約義務」というのがどうも近代法の根本原則と学校で教えられた「契約自由の原則」と真っ向から対立しているような気がしてならないのですが、だれかこの辺のすっきりした説明をしてくれないかなぁ、と思います。

よく巷で言われるように、これは契約してしまえばすでに判例もあるように完全に負けですが、「契約締結義務」そのものの違反についてNHKが訴えて勝訴したケースはまだないような気がします。契約したくないって徹底的に突っぱねたら、なかなか取るのは難しい。仮に法律に契約締結義務が定められていても、逆にだからこそ契約がない段階では受信料は取れないわけですね。まあワタクシはNHKの番組を評価しているので、喜んで払っていますけれど、内容がつまらなかったらきっと徹底的に契約を拒否していただろうと思いますね。うん、やっぱり現在の法律のタテツケはちょっと変だと思います。

なんだか話が脱線しましたが・・・

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コメント(2件)

内 容 ニックネーム/日時
3つについて全く同感です。
更新料は重説にも書いてありますし、設定のない物件も探せないことはないので、契約に従うべきでしょう。
グレーゾーン金利は遡及したのはまずかったですね。
行政の不作為があのような形で社会に悪影響(悪徳弁護士の跋扈、巧妙な闇金融の隆盛)を与えたということで、しっかり国民として理解しておかなければなりませんね。
NHKは酷い法律です。NHKだけ写らないテレビを買いたいけど、選択の余地がないです。
携帯やカーナビ、PC視聴、ネット経由視聴・・・
全て契約義務があるそうです。
おそろしや・・・
しかし借地借家法は酷かったですね。
経済的には契約した時点で底地の価値の8〜9割が借地人のものになるなんて、どう考えても不条理で保護しすぎです。
嫌な思い出があるので、自分は絶対に土地建物を貸すことはしないと固く誓いました。
あと残っているのはパチンコですね。
与謝野さんがなにやら「ギャンブル射幸税」を創設するなんて抜かしたようですが、パチンコをギャンブルと認めてしまったということですね(笑)。
ああいう日本の弱者から金を巻き上げて、しかも勤労義務を行使させない仕組みは、例え経済規模が大きくても、どうかんがえても日本の国益を害します。
戦後放置して権益を拡大させてしまった行政・政治家の罪は重いと考えます(昔のように慎ましく景品交換でとまっていれば特に問題はなかったのですが、3店方式で高額の換金を認めてしまった時点で決定的に悪になりましたね)。
コナン
2011/07/17 01:08
コナンさん、どうもです。
ワタクシも残った「悪のサンキュチュアリー」の一つがパチンコだと思います。最初は「技術」であることを理由に「偶然性」がないということで賭博に該当しないという解釈だったんじゃなかったかなとおもうんですが(もしかしたらこのスジは今も維持されている?)いまではだれがどう見てもコンピューターの抽選による偶然性に支配されています。そして、こういった場所が、堂々と繁華街のど真ん中に存在することで、非常に広い階層に日常的に足を運ばせ、借金問題や家庭問題など多くの問題の原因となっている。政治家には勇気を持って業者や警察権力などの既得権勢力と対決してほしいですね。
厭債害債
2011/07/18 19:58

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