厭債害債(或は余は如何にして投機を愛したか)

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<<   作成日時 : 2011/10/29 17:17   >>

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先日、仕事場の近くが騒がしいと思ったら、TPPに反対するデモや集会が近くで行われていたのであった。
そもそも、TPPとは何か?と聞かれて正確に答えられる人はどれぐらいの割合いるのだろう?メディアでこれほど話題になっているにもかかわらず、メディアが何一つ正確な全容を伝えていないのではないか、という不満を押さえることができない。

日本は民主主義の国である。自由な意見表明が保証され、それに基づいて基本的にあらゆる情報が入手され、そのうえで有権者がきちんと判断し投票行動や請願行動を通じてその意思を反映させ、国会議員や首相を選び立法や行政を動かす。これがその基本的な仕組みなのだが、その大前提となる情報が十分に有権者に伝わっていないと思われる。なにも瑣末な話まで有権者が細かく知る必要もないが、TPPはかなり大きな問題だ。それが、いつの間にか話が進んでいるし、多くの国民にとって、あれあれ?ってな感じではないだろうか?

もちろん、知ろうと思えば知ることができるという意味では、知ろうとしない国民の側にも問題はある。しかし、これだけ大きな問題になれば、もっと積極的に政府が広報活動などを通じその意義(と問題点)を正確に国民に伝えて判断を仰ぐべきなのだ。選挙で選ばれたから何をしてもいい、というものではない。選ばれたものであるがゆえに、その知らしめる責任は重いのだということへの自覚がなさすぎる。(その最たるものが鳩山元首相だが)。

あまりにも技術的な問題が多いので、詳しいことを説明してもわからないだろう、というのは、有権者をなめた話だ。企業のディスクローズと同じで、どんなに技術的なことでも、必要なことはディスクローズする。それが理解できるかどうかはまさにそれを利用する側の問題だが、ディスクローズしないことは企業の怠慢というか不誠実さということになる。つまり、重要な話はきちんと端折らずに利害関係者に開示して、そのうえで評価を問うというのが正しい姿勢ではないだろうか?

今、野田内閣が頑張って進めようとしているTPPなるものの正確な全文(日本語)をどれぐらいの日本人が読んだのだろう?関税自主権の放棄とまでみられ、双務的ながらも平成の「日米修好通商条約」ともみられるような話に日本が入ろうとしているのだけれど、どれほどまで国民がその意味を理解しているのだろうか。

念のため言っておくけれど、ワタクシだって、正確な内容を把握しているとはとてもいえない。その前提で言わせてもらうなら、今のところ価値判断は中立だ。日本の行き詰まりを解決するためには「開国」の必要があるかもしれないと思っていて、明治維新と同様、それなりの犠牲を払う必要があるかもしれないと思っている。明治はある意味軍事的に押された開国だったが、いまは黒船はいないから、相手国の圧力ではなく、自分たちでしっかりと考える必要がある。しかしながら、その判断の前提は十分とはいえないと思う。性急に物事を進めてしまうことはあまり好ましくないと思われる。その割に、政府は急いでいるようだし(対外公約とかでしょうか)そしてその割には、これほどの重大な問題を国民に知らしめる努力は不足していると思われる。そのことだけでも、大いに非難されてしかるべきだ。

とはいえ、どうしても、ほうっておけば物事は進んでしまう。少し前に「TPPが日本を壊す」という本(廣宮孝信著、青木文鷹監修、扶桑社)でその試訳が掲載されているようで、ブログでも公開されている。有権者としてはそういうものを参考にしながら、きちんと判断していかなければならないだろう。

それにしても、これほど問題を取り上げつつも、主要メディアはこうした重要な条約案の全文をどうして翻訳して公開しないのだろうか?主要メディアの頭の中には、一般国民の知的レベルに対する相当な見下し感があるようなきがしてならないが、わかろうがわかるまいが、そういうきちんとした情報の媒介をしてこそ、存在意義があるのだと思うのだが。
(万が一、すでにそういうものが公開されていてワタクシが知らないだけだったら謝ります。)

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コメント(6件)

内 容 ニックネーム/日時
えー、別に現時点でTPPの条約文があるわけじゃないんです。これから交渉しましょう、と言ってるだけで。参加国同士で合意して、それが妥結したら条文化して、それを批准する際には国会で全文を討議することになります。かな〜り先の話になります。
かんべえ
2011/10/29 17:52
TPPの賛成側はメリットをきちんと説明できていないように思います。経団連のTPPに関するレポートを読みました。わかりやすくまとめられていましたが、反対派の「低俗的なわかりやすさ」に比べればまだまだだと思います。新聞は有権者をバカにしすぎですが、賛成派は大多数の有権者の知的レベルを考えるべきです。ほとんどの有権者は自分から経団連のレポートをわざわざ読もうと思いません。「TPPのデメリットはわかりやすいですが、メリットはわかりにくい」という事をもっと意識するべきです。また「反対派がクリティカルな危険性(食品の安全性など)のどれか一つでも存在を示せれば、国民の大多数は反対する」という事を賛成派は理解するべきだと思います。賛成派は反対派の懸念の全てをつぶすか、その懸念に見合う利益を国民に説明するべきですが、具体的な利益が何なのかが国民まで届いていません。
確かに
2011/10/29 22:41
賛成派なのですが、農作物の安全基準については正直不安があります。TPPに詳しくないので良くわからないのですが、日本はWTOよりも安全基準が厳しい内容(牛の月齢、残留農薬基準など)があると理解していて、その基準がWTOの基準まで引き下げられるのではないかという不安です。(参考 農林中金総合研究所:TPP(環太平洋連携協定)に関するQ&A)

商社の方のHPで以下のような記述を見かけたこともありますが、WTOの基準に統一しましょう、というように最終的になるのが傍目から見て自然なように思えて仕方がありません。
(溜池通信 <10月14日>(金))
「Q基準緩和の強制等で、安全でない食品が輸入されるのではないか。」「TPPでは、安全な食品の輸入を自由化するということであって、安全基準を引き下げるような交渉はしていない。輸入肉用牛の月齢制限緩和は、TPP交渉の中では議論されていない。この問題は引き続き、TPPに関わらず、米国との二国間問題として、科学的根拠に基づき議論。」
賛成派なのですが、、
2011/10/29 23:09
かんべえさん、コメントありがとうございます。えー、そうだったんですか。勘違いしてました。失礼しました。

それでも、もう少しきちんとしたまとまった具体的な解説を伝える努力がまだまだ政府にもメディアにも不足しているような唐突感がぬぐえない(もちろん多くは自分の勉強不足なのでしょうけれど)と感じています。

確かに、さんコメントありがとうございます。
これまでの重要案件でもそうですが、最後の最後にえええ?っていう話になって、別の意味で日本の信用がまた落ちたりするのが懸念ですね。

賛成派なのですが、さん、コメントありがとうございます。日本だけが独自の基準を持っているのであれば、おそらく趣旨からしてもそれを貫徹するのは難しいのが当然のように思えますね。そのような内容も含めて、かなりきちんと知らしめて行かなければならないと思われます。
厭債害債
2011/10/30 10:03
いつも急所を衝く内容、楽しみに拝読しております。
私もやや中立派なんですが、いまやGDPの7割以上は実質、内需である日本が、参加するメリットは今一つかと、思っています。

政治的圧力に負けて、外資系にいきすぎた優遇措置を与えることになるんではないか、と思うのですが…?
みっちー
2011/10/30 21:53
TPPやFTAは、保護してきた業種と、相手に保護されて輸出で苦労してきた業種の、痛みわけのやり取りを、外交ルートを通じて行うものだと思っているので、アバウト的には農産は大変で、製造業はラッキーという程度のものだと思っているのですが。自民の政府ですら信用しきれないのに、民主の人たちに、国内の産業の売り買いみたいなものを通じて少しでもトータルでプラスに持っていくようなハードネゴシエーションが、ちゃんとできるのかと思うと不安になります。
全体でプラスという話と、国内産業は切り捨てて相手に依存する方向に舵を切られる側の人たちへの飴というか説得をどうするのかという話は別でして、その辺の現実がいまいち議論の俎上に上がらないままに、TPP交渉に突入してしまうと、国内がまとめられずに譲れない条件ができて、交渉に不利に働かないかと。
まあ、相手も同じような事情を抱えているでしょうから、敵失も含めてプラマイチャラみたいな事をやろうと思えばできるのでしょうけど役人さんたちにがんばってもらわないといかんのかなぁと。

とはいえ、TPPってやっぱブロック経済なんですよね。中国の軍事的な威勢の良さと、対米敵対のスタンスを見ていると、なんか第三次何とやらの前夜のような気がしてなりません。

そういや、昨今のサイバーテロに対して中国を名指しせずに、まるでサーバーテロを受けてしまった方だけが悪く、ひたすら受身だけで対策をしなければならんみたいな協議を政府がしているってどういうことなんだろうと・・・。
通公認
2011/11/01 00:33

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