厭債害債(或は余は如何にして投機を愛したか)

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zoom RSS やさしすぎる国

<<   作成日時 : 2012/09/16 19:27   >>

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最近、世の中が自分の価値観と全く異なる方向に進んでいるので、非常な無力感を感じています。ブログが書けないのもきっとそのせいだと思います。原発問題では、きちんとした国の考え方が示されず、反対派に単におもねるような動きになっていて、国家の将来像が見えていません。外交では、韓国や中国に散々こけにされて、強制力を持たない国家の限界が露呈しています。中国で起きている反日暴動は、民主党の政策ミスの集大成のようにも感じます。

今中国で起こっていることはどうこう言っても仕方ありません。実際のところ騒いでいるような民度の低い人々にいくらそのことをあげつらっても声は届かないし聞く耳も持たないし理解もできないでしょう。よその国で起こっていることです。ひたすらカントリーリスクと割り切ってやり過ごすしかないと思います。ただ、まあ「尖閣の国有化」はやらずもがなでしたね。実効支配しているのにわざわざ「国有化」宣言して相手がアクションを起こさざるを得ない状況においやった。まさにポピュリズムのリスクです。もちろん実際に海上で交戦して勝つ覚悟があればいい。フォークランドにおける英国海軍みたいな存在があればいいんです。また英国とアルゼンチンぐらいの力の差があればいいと思います。しかし、いま日本のやったことはフォークランドの前夜のアルゼンチンみたいな話で、戦争もする気もない癖に偉そうに出てしまったということ。アルゼンチンも過去もポピュリズムの代表みたいな国なので、まったく同じ事をやっているとしか思えない。

実効支配している地域については「守り」に徹すればいいのであり、わざわざ「国有化」という攻めをやる、あるいは喧嘩を売る必要があったのか?本当にその必要性は何だったのか?関係者の方に一度きちんと教えてもらいたいと思います。入ってきた外国船などには毅然とした態度をとればいい。これまでもそうやってきているしその範囲では特に大きな問題になっていない。こういう土地をわざわざ「国有化」すること自体、「領土問題が存在しない」という公式見解に弱みを作ったような感じはしました。

それに金額だって20億円ってどこから出てきたのか?収益としてすでに地主にお金が支払われているという事実はあるにしても高すぎませんか?収益還元法というのは、政府が税金で払っているキャッシュフローを前提にするべきではなく、実際に商業的利用価値をベースにすべきで、それであれば、不確定な要素である漁業の基地としての価値などは大幅に割り引かれるべきで、20億円という値段はどこからも出てこない。国有化ということがどうしても必要だったにしても、それは20億円での買い取りではなく、「強制収用」でやるべきだったのでは?と思います。成田の時みたいに。まあ国内で騒ぎが起きると相手を利するだけという懸念はありますからこれもどうかとはおもいますが。

尖閣の問題は石原知事が買うと言い出したところ、14億円も寄付が集まったそうです。
まあ建前上は日本の私有地ですから、誰が買おうと構わないのですが、どう見ても挑発に挑発で答えたにすぎません。そこから話がややこしくなりました。そもそも東京都はその土地を都民のために有効活用するプランを持っていなかったと思います。つまり石原氏が「ええかっこ」するためにそういう構想をぶち上げたら、また同じような精神構造のひとがお金を集めてしまい、後に引けなくなってしまったとみています。その後始末を更に悪いことに国がやった。石原氏のやったことの人気に乗ろうとしたのでしょうか?まだ石原氏個人が買うのならまだよかった。でも目的は「公的」所有権を誇示することにあったから「国有化」ということに勢いがついてしまった。その結果がこれです。

丹羽元中国大使は結局更迭されましたが、尖閣の国有化問題では日本政府に異論を述べています。普通この状況では丹羽さんのような状況判断が正しいと思うのだけれど、竹島問題でトサカに血が上ってしまった日本人が逆の判断を支持したということです。丹羽さんのような国際経験豊富なビジネスマンの言うことよりどうしてチンピラみたいな政治家集団のやることが正しいと思えるのか、ワタクシは不思議でなりません。結局目くそ鼻くそを笑う、というたぐいの状況で、中国(鼻くそ)のポピュリズムを日本(目くそ)でも踏襲しているだけの話です。

ポピュリズムとはすなわちある意味での「やさしさ」です。尖閣の国有化の問題は、日本人に本気で武力衝突する覚悟ができていないままに行われてしまったことにあります。ツッパリならそれなりの覚悟が必要なのですが、石原氏や国や寄付した人々に本当に自分が尖閣に行って身体を張って中国の軍艦と対峙する覚悟はあったのでしょうか?仮に自分ではなくてもいい、自分の子どもや夫や恋人でもいいです。そういう準備と態勢のないままにないままけしかけるのは単なる無責任です。明確なビジョンと覚悟のないままに挑発に挑発で答える。こう生ぬるい考えに基づいたいい加減さは日本の持つ「やさしさ」と表裏の関係になります。

本当に日本はやさしい国です。それだけの余裕があった国だとも思います。対外的にも戦争の反省から、今では完全に絵空事でしかない、「平和を愛する諸国民の公正と信義」に信頼して、われらの安全と生存を保持しようと決意したわけですし、その反省からアジアの様々な国々でこれまで謝罪をしお金をばらまいています。実際これまでの日本の政権中枢には戦争に直接手を下した人々も多かったわけでその気持ちは十分にわかる。しかし、申し訳ないですが、ワタクシたちの世代は関与していません。ワタクシたちの世代や下の人たちが、ねじ曲がった愛国教育を受けた中国などでいじめられる理由はない。彼らだって自分たちが日本に何かされたわけではない。かれらの地位をここまで貶めたのは毛沢東などの共産主義者です。そのことをはっきりと彼らに理解させる必要があります。
本来すべてが将来を向いて力を合わせて頑張らなければならないのに、東アジアの主要国が後ろ向きで攻撃しあうのは不幸です。そして攻撃しやすい日本に矛先が向き続けるのは、日本がとことん「やさしい国」だからです。しかし喧嘩慣れしていないやさしい人が突然逆上して包丁持ち出して最後は自殺したりするというリスクがあります。

内政でも優しさが目にあまります。民主党は特にひどかったですが、国民を鍛えて必死で生き延びるために何でもさせる、という気概が伝わってきません。日本はそれほど豊かな国ではないのです。資源もそれほどなく、利用可能な国土もせまい。その中でここまで成長できたのは、ある人々が「必死で」生き延びるために仕事をしたからです。いまその役割を周辺諸国がやっている中で、経済的に生き延びるためには取捨選択した資源の有効活用を行わなければならない。国益を守るために昔は人を死なせたわけです。追い詰められたら最後はそういうことになるかもしれない。大きな被害を避けるためには、早いうちから「やさしい政策」から脱却する必要があると思います。

誤解を招くといけないのですが、人としてのやさしさはもちろん重要です。問題はそれが制度化し固定化し陳腐化したりすることや、国としての厳しさを示す枠組みが存在しないことです。

「維新の会」が支持を増やしているというのは今の世相のそうした「まやかし」に多くの人が気づいているからでしょう。但し維新の会の持つもっと濃厚なポピュリズム性には更に注意が必要だと思います。おそらく支持している人は、彼らの主張がとても耳に心地よく聞こえていることでしょう。人々が民主党に投票した時もきっとそうだったように。人々にはそのことを思い出して次回の選挙には投票してもらいたいと願っています。

ワタクシだって、もともと参議院廃止論者(もとオリンピック選手とかが続々入ってくるころから、もっと言えばチ●コを障子につきたてるシーンだけでバカ売れした小説家がトップ当選したあたりから絶望的な感じはしましたが・・・この人はそれからあまり成長していないみたいです)であるワタクシもその思想にはうなずけるものもあります。ただし言うのはタダだし、地方自治体での首長として独裁的にふるまうのは可能なのです。国政レベルでは全く違う。個人的に維新の会があまり支持できないのは、その政策の実行可能性に疑問がつくから。明治維新の時ほど時代は悠長でもなければ単純でもない。素人集団の暴走になるリスクが非常に高いので、もし政権に入られるようなことがあればきちんとした官僚の使い方や有力な政治家を取り込むやり方を併用してもらいたいと思っています。

なんだか話が脱線してすみません。経済の国境が薄れて成長が世界的に困難になってくると色々なところで「やさしい国」のほころびが出始めるのですね。

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コメント(8件)

内 容 ニックネーム/日時
尖閣に領土問題は存在しなかったのではなく、領土問題はあるがその話はしないということで中国と話をつけて、結果、実効支配していたのです。
そこを馬鹿民主が存在しないと言ってしまい、問題の所在を知らずに騒いでいる馬鹿国民(無知の知のない馬鹿)がやさしいとか言い出し、馬鹿の相乗効果で国有化に至ったんでしょ。
自分だけは分かっているという馬鹿
2012/09/17 02:08
ネットの野次馬さんのところで、石原親子はメロングループの手先なんて事がいわれれていましたがどうなんでしょう。この裏には石油利権が絡んでいるのか。
しかし、政権にしがみつかれると、なかなか解体できないのは、前の自民党政権で経験済みのはず。野田にとってはどうか分からないが、民主党議員にとっては、落選する可能性が高いので、今の状況にしがみつく。ポピュリズム選挙のはしりの小泉によりすでに自民党は崩壊しており、自民党が政権をとってもそんなに変わらないだろう。
政治家自身に政策を実行する知識が無ければ、官僚から教えてもらわなければならない。でも、それは官僚支配になるらしい。でも、それって自分たちの不勉強だろ。不勉強なものを政治家に選んだ選挙民のせいなのか・・。
維新の会にしても、参議院の廃止と衆議院の半減を実行した後、即解散すべきであり。実行不可能なことに取り組んでいる振りをして、しがみつくのはやめて欲しいと思う今日この頃。
へんな方向にすすんでいますね。
2012/09/17 09:52
>>いま日本のやったことはフォークランドの前夜のアルゼンチンみたいな話

言い得て妙!
たまには、いいことをおっしゃいますね。

>>実際に海上で交戦して勝つ覚悟があればいい。

日本の海軍力は、中国のそれに比し、いかほどの実力を誇っているのでしょうか?
その方面に不案内なもので・・・
ちなみに、米国が尖閣のために血を流すなどということは考えられないですし。
選挙のたびに劣化していく
2012/09/17 10:18
連投すみません。
厭債さんは、野田総理についてはどういう感想をお持ちなのでしょう?
過去記事を検索してもよくわからなかったので簡単なコメントいただけるとありがたい。
私は、この人が進める政策の方向性は大筋間違っていないと思うし、様々な課題に対して大局観から判断を下し、反対派の違憲にも耳を傾ける寛容そうな人にも思えるので、リーダーとして地味ではあるが、最もふさわしい人物のように思っています。
少なくとも石原父とか橋下氏のようなポピュリストよりは
ずっとマシではないでしょうか?
選挙のたびに劣化していく
2012/09/17 10:30
おっしゃる通りです。なんていうか日本、中国とも状況です。はにてます。甘い見通しで、尖閣をあつかいこの様、中国共産党、自民党、民主党とも国際問題無視して権力闘争してる間に、両国民とも過熱しすぎて慌てて火消しかい。かわいそうなのは、尖閣で睨み合いの日中警備当局。
しかし柳条湖事件って久しぶりに聞いたな。
かる
2012/09/20 14:53
尖閣問題について、日本は「領土問題がない」を貫き通すのは余りに無策です。
現にデモ暴動略奪を起こされ、政治カードとして利用され、領海警護だけでも膨大な国費を投じています。
解決策は…
首相が中国人民に向けて“中国語で”日本の立場を説明する方法が良いと考えます。

・日本には中国の国土を1mmたりとも奪う野心はないこと。
・尖閣諸島は戦後日本ではサンフランシスコ講和条約を遵守した上で、沖縄返還とともに日本領と扱わざるを得ない。
・70年代初頭まで中国・台湾の公式資料等でも日本領として扱われていた事実がある。
・それまでは中国政府も全く主張していなかったのに、突然領有権を主張されて長年困惑してきた。
・もし尖閣諸島の日本への帰属を認めないというのなら、サンフランシスコ講和条約から覆すことが必要であり、中国の責任で英米相手にそれを実行すべきである。
・平和的解決を望む日本としては、国際司法裁判所に付託することを実行する。

ここまで言っても暴力的な反日活動が止まらないのなら、日本人は中国への友好関係を見直すべきでしょう。
そして、可能であれば、過去に中国に対して実施してきたODAや円借款の総額や、遺棄兵器の賠償など、全てを中国国民に知らしめるべきです。
日本がどれだけ償ってきたかを知らない国民が大半なのですから。
ポイントは野田首相がたどたどしい「中国語」で伝えることです。
そのまま翻訳抜きで伝わることが重要です。
問題先送りで国有化して棚上げしてもムダガネを使うだけで問題は収まらず全く意味がないのです。
コナン
2012/09/25 15:16
自国の覇権主義これは中共がやたらつかってがな。を棚にあげて、この国家は、ナチスと日本を同じ扱いにして国連でいってるが、サンフランシスコ平和条約の当時の理事国は中共ではなく、中華民国だ。
日帝打倒か
2012/09/28 03:39
清国、中華民国を打倒した中共だが、なぜ自分達が打倒した王朝、国家の最大版図を中共の領土とするなら、なんでもありだぜ中共はあーあ。だったチベットはちがうだろ。
日帝打倒
2012/10/01 21:56

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