厭債害債(或は余は如何にして投機を愛したか)

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zoom RSS イスラム国(2)

<<   作成日時 : 2014/10/09 23:28   >>

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他人の行動や思考をワタクシが理解できないと感じる場合、それには2パターンあって、一つは、ワタクシが勉強不足や理解力不足であるだけの場合、もう一つはその他人があきらかに「おかしい」場合です。ワタクシはイスラム教についてあまり詳しく知りませんし、ましてやイスラム国についても中東の歴史についても深く研究したことはありません。ただ、ワタクシはたぶん世界の多くの人々と同じように、民主主義が「最悪ではない」政治形態として支持されるべきだと考えていますし、人々が他人によってその他人の思想と異なるというだけの理由で殺害されたりレイプされたり奴隷にされたりすることは許されないと考えています。世界の多くの人々にとってそれが許されないというのは普遍的な価値であるという点では極めて自信があるので、それに明白に反しているイスラム国のやりかたをワタクシが理解できないのは、ワタクシのせいではなく、相手が「おかしい」のだと確信しています。

ところが、その「おかしい」集団に若者が参加するというレベルで、ちょっと困ってしまいました。イスラム国自体がおかしい集団だとしても、それに参加する若者の気持ちはもしかしたらもう少し研究の余地があるのではないか、なんていうか若者の独特の心理や正義感やなにかまあ「ケミストリー」とでもいうようなものがあるのかもしれないし、それを正確に把握しないと、問題の一部を理解することができなくなるのではないか、と考えていました。

しかし、やはりそういう理解の努力は諦めようと思います。それは例の北大生の事件がきっかけです。ワタクシのような凡人には到底理解は無理だろうと思ったんですね。就活に失敗したからイスラム国に参加するというような、論理が揚子江を飛び越えてしまったような学生。イスラム国に参加するということは、たとえ彼らの魂の奥底には我々凡人に計り知れないような神様との深い契があるのかもしれないとしても事実としては「無辜の民を殺し、レイプし、略奪し、あるいはそれを支援する」ということと完全に同義です。就活というまさに既存の社会体制に従属しようと直前まで考えていた若者がいきなりこういう既存の社会を根底から否定するようなテロ活動に参加しようするところが実は今回の事件で一番恐ろしいことです。しかも思想の極めて浅い平凡なアホ学生がこうなってしまう。予備軍が多い可能性がある恐ろしさ、ごく普通に目先の希望を失ったような若者を引き寄せてしまう恐ろしさです。なにせ神田の古書店の張り紙を見て応募するぐらいですから、バイトに行くぐらいの気持ちなんですかね。どうやら世界中には(もしかしたらワタクシの理解できない深遠な思想に基づいている人もいるのかもしれないですが)これと同じレベルで参加する若者がわんさといる。前にも書いたように、イスラム国の持つ何となく理想主義的な香りがかつてのオウム真理教や日本赤軍みたいなものに似ているのであって、おおむね若者というのはそういうものに惹かれやすいのだと思いますが、オウムと違い、目の前で彼らの残虐行為が映像つきで喧伝されているなかで、それでも戦闘員となるために参加するというのはやはり理解を超えています。

自分の行動がどういう帰結につながるのか26にもなってわからないただのアホ学生というだけならいいんです。これほど大胆に論理を飛び越えられるなら揚子江といわず自分だけで●●の川を飛び越えて幸せな世界に旅立ってもらえば、なんて与太を飛ばしていればいい。ただ、すでに多くの人々が実際に参加しているとなると、もはやそういう与太を飛ばしている場合ではない。彼らの「価値観」と我々のおそらく大多数を占めている人々の価値観とがもう折り合いのつかないレベルであり、彼らが牙をむいてきた以上、徹底的にやるしかないだろうと思います。(さすがに今回は英米の陰謀説は出ていないようですね・・・)

このアホ学生が応募するきっかけとなったのが、報道によれば、神田の古書店のシリア行募集の張り紙で、それを仲介しているのが元大学教授らしい人。一応「イスラム法」の権威らしいのですが、その属性を強調すると本質を見誤ると思います。報道を見る限り客観的にはイスラム国の「シンパ」であり、イスラム国が犯している行為の堂々たる「共犯者」に近い存在だとワタクシは考えています。

たとえば、次のようなインタビュー記事がありました。
(朝日新聞インターネット版からコピペさせていただきました。)

(引用開始)
「中田考氏との主なやりとりは次のとおり。
 ――学生の渡航にどう関わったのか。
 「学生がトルコに着いたら、『イスラム国』側に連絡する予定だった」
 ――事前の連絡は。
 「『イスラム国』の司令官と『その頃に行く』『大丈夫』というやりとりをした。司令官には、学生は(旅行者でなく)移住者として行くと伝えた。移住者のほとんどは戦闘員になる」
 ――どんな思いでこういうことをしたのか。
 「人生は面白く生きて面白く死ねばいい。死にたいという人には『いいところがある』と伝える。ただ、普通は実際に行かないだろう。私は『イスラム国』に忠誠を誓っておらず、勧誘もしていない」
(引用おわり)

完全にイスラム国の兵士募集機関の一部となっておられます。つまり、彼はイスラム国のメンバーと同視すべきです。既存のイスラム教系国家はISを完全に否定しております。彼の研究するイスラム法とやらがISを理論的に支持する、それゆえこの元教授がイスラム国の戦闘員募集のお手伝い(ですよね)をするということであれば、彼の研究対象のイスラム法とやらは、既存のイスラム社会では適用されていない、亜流の過激な思想に過ぎません。法というのは現実の人間社会に当てはめ、それが所属する人々に支持されることで権威となるのです。つまり本来はみんなが納得して守ろうとするものでなければ法とはいえない。彼の主張する法は法の持つ本来の意味をおそらく無視したものであって、イスラム法学者という呼び名すら不適切と考えます。つまり世界を敵に回すような内容の彼の信奉する法とやらは、単なる過激思想でしかない、ということです。

学問の自由は守らなければなりませんが、その学問の結果だからと言ってテロ行為を支援するような人物は許すことはできません。上記インタビューの内容をそのままとらえれば、この人物は非常に無責任であると感じます。心の底から憤りを感じます。若者の将来を考え、その甘い考えを諭してやるのが大人なのに、逆にイスラム国に参加する手助けをする。著名な研究者という肩書をまとっている分余計に危険です。イスラム国が世界の敵として認定された以上、この方も世界の敵に加担していることとなります。まあそれだけ信念を持ってやっておられるのですから、もはや議論を戦わしても無駄でしょう。こういう「権威」や大人たちからまず何とかしなければならないと思います。

なんだかほかにも好き好んで戦地に行って人殺しをした挙句大けがをしておめおめ帰国したバカがいるようですね。
http://headlines.yahoo.co.jp/videonews/fnn?a=20141008-00000329-fnn-soci
彼の発言をどう解釈しても、正義とかそういうレベルではなく自分の勝手な閉塞感から人殺しをしに行きたくて堂々と人殺しができる戦場に自ら赴いただけです。威勢のいいやくざのチンピラと同じで、しかもすでに「出入り」を経験したわけで、今風に言うと「反社会的勢力」です。当然あらゆる契約はできません。まさか日本で障害者として社会保障もらおうなんて思ってないだろうとは思いますが(対象とすべきでもないですし)、はっきり言ってこれだけエラそうな言い方をしてどうして生きて帰ってきた?とか思ってしまいますね。言ってることがもうわけわからないですし。自分の国のために戦っているわけでもなく、単に人殺しをしたいから行っているだけの人間が堂々とテレビの画面に顔をさらす神経もよくわかりません。

日本も法治国家であり、すぐにできることは限られているのですが、本当に従来の法律の枠でとらえきれない危険ドラッグやこうした危険人物は何とかせねば、と思う次第です。

但しこういう気持ちが悪用されて、言論統制や超法規的な人権侵害などが起こらないよう反対側も注意する必要があると思います。

本当に嫌な時代です。

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コメント(11件)

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そろそろ戦争やらんと、軍需産業実験できないし、軍モ在庫できないし、マーケットも動かんのでやったのか、やらせたのか。大義に殉ずる若者はいつでも浮かばれないのは、納得いかんな。
戦争や
2014/10/11 02:40
http://www.videonews.com/commentary/141011-01/
私も平和な世の中が良いですし、民主主義が「最悪ではない」政治形態だと思いますが、資本主義というのはどうなんでしょうね。勧誘したこいつが悪いはお粗末な感じがしてならんです。
「イスラム国(2)」について
2014/10/13 19:12
戦争やさんどうもです。大義に殉ずる若者はどこにいるのでしょうか?
「イスラム国(2)」について、さんどうもです。
リンク先の映像見ましたが、中田さんの顔を見てタモリ倶楽部の空耳アワーかな、と一瞬勘違いしてしまいました。冗談はともかくこの中田さんというひとは今イスラム国のやっていることを是認しているのでしょうか?イスラム国の行為に対してはたぶん資本主義かどうかは関係ないし、やはり勧誘したこいつが悪いと思っています。「張り紙を張った人が張り紙を張っただけ」って説明になってない。「イスラム法において」という枕詞で(ほかの人がそれを知らないという弱み?をついて)けむに巻くという手法はデマゴーグそのものであります。
厭債害債
2014/10/14 08:23
大義に殉ずる若者の、大義とは何かなのでわかりません。ただ言いたかったのは、そういうものを信じてもしくは、信じこまされていった若者ということです。ただ朝日的に特攻隊員を愚弄するならゆるせませんが。
戦争や
2014/10/14 22:17
それよりも、この戦争の異常なのは、国家概念がない、最終的な目的がない、これだけの軍隊としての統率が取れているので勝てるのだが、その統率部の存在が不明、タイムリーな報道とか、極めて異質な存在です。
もう一ついえば、イスラム国家戦闘員の捕虜もしくは内部情報が全く流れてこない。あとは、極めて悪役的な演出をあえてやる。くびはねるとか、占領した国の人達を奴隷とするとかは、全く宗教的なこととは関係ないと思われますが。
戦争や
2014/10/15 00:13
わかったなーんことねー。大義は尊皇攘夷。身分構わない奇兵隊じゃ
戦争や
2014/10/15 00:53
戦争やさん、どうもです。大義に殉ずる若者がいるのか、といったのは今回のイスラム国の「大義」のしかもこの何の利害関係もない日本人のことを意識しただけであって特攻隊を意識したわけではありません。ワタクシ自身国を守るという意味での戦闘は否定しません。
ワタクシもおっしゃるような理由から、今回の事件がなにか特定の巨大な勢力の「ヤラセ」ではないかと思ったこともありました。正直いまだによくわかりません。
厭債害債
2014/10/15 08:55
私は「彼はイスラム国のメンバーと同視すべき」という考えには同意しません。朝日新聞のインタビューだけをみるとなかなか理解することが難しいですがそれは朝日新聞の編集に工夫がなかった部分が大きいと私は思います。下の本を読まれてはどうでしょうか?
http://www.amazon.co.jp/dp/4087207250
のひ
2014/10/15 11:53
そこに暮らす人達を無視した戦争、戦っているのは外国人だから徹底な殺戮、破壊ができる。って人間はいろいろと人権とかいうが、いまだ変わらない。1000年以上前と同じことをやっている、人類ってやっぱ駄目かな。
戦争や
2014/10/16 22:46
私は資本主義が悪だと思いませんが、国境線が曖昧になってきている中で生じたもうひとつの国境線があいまいな反資本主義勢力としてのイスラム国にシンパシーを感じる若者がいても不思議ではないというふうに考えています。互いの価値観の妥協点を探れない限り難しいんではないでしょうか。
イスラム国(2)
2014/10/18 11:52
のひさんどうもです。考えではなく行為で判断すればワタクシのような考えでよいと思うのですがいかがでしょうか?
戦争やさんどうもです。殺戮を避けるための様々な工夫が「文化」「文明」だったと思うのですが、それほど効果のないエリアもあると思います。
イスラム国(2)さんどうもです。反資本主義=イスラム国ではないと思うのですが、なぜに若者がそのような幼稚な思考回路になってしまうかのほうに興味があります。
厭債害債
2014/10/19 18:19

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