厭債害債(或は余は如何にして投機を愛したか)

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zoom RSS 活字のこわさ(ほぼ週末モード)

<<   作成日時 : 2015/09/04 08:15   >>

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最近東芝さんがニュースをにぎわしているが、私は80年代半ばに東芝のポータブルワープロを愛用していた。当時は本当に原始的なワープロ専用機で、機械の中のわずかな記憶媒体がすべてで、一定の文章の塊ごとに紙にアウトプットしていく必要があった。作った文書は保存できないし(つまり間違ったら最初から打ち直し)、印刷はカーボン熱転写リボンを使っていて、まあタイプライターに毛が生えたようなものであった。

会社に入って1年目の時に買ったのが件のワープロで、いろいろな手紙とか簡単な書類はそれで作ることができた。それまではあらゆる文書やレポートは手書きでやっていた。ワタクシの大学の論文も原稿用紙200枚手書きでそれこそ修正インクだらけで、いまから思えば見苦しいことこの上ない。まあ通してもらったからよかったが。それに比べれば、このワープロでもずいぶん感動して使っていた記憶がある。

ワープロを使ってみワタクシのダークな実感は、「手書きより上司のチェックが甘くなる」「内容の稚拙さ・不正確さをかなりカバーしてくれる」ということである。

その後ワープロで文章を作ることが一般化し、インターネットやSNSが非常に発達した今、人々のアウトプットはほぼ「活字」になっており、そのことを改めて痛感している。

@ 「チェックが甘くなる」 
ヤフーニュースなどを見ても、誤字のオンパレード。もちろんワタクシも誤字をしょっちゅうやるが、金をとるような、あるいは多数に影響を与えるような媒体でも平気で誤字だらけのコンテンツを流している。単なるタイポならいいのだが、明らかにその書いた人の知識不足が露呈しているような誤字もあり、そもそもコンテンツそのものの信頼性への疑問があるのだが、そういうのが結構読まれていたりする。

A 「内容の稚拙さや不正確さをカバーする」
SNSもチャットもNHKニュースもすべて同じレベルの「活字」になるということがどういうことかというと、これは私の想像だが、書き手の一部が妙な全能感を持ってしまっているのではないか?ということだ。自分もまあその一人かもしれないが、外部の専門家の深い見識も、SNSにはびこる「ごろつき」どもの言説も、同じ形の活字で並べられる。ツイッターなどがいい例で、まさにTL上、なんの差別もなく表示されてしまうのである。ワタクシは30年前に「情報や意見の自由市場化」というテーマでレポートを書いてメディアによる情報の寡占化による弊害を防ぐために情報のバイパスとしての自由市場を積極的に築きあげるべきだと主張したことがあるが、それがまさに実現した結果、かえって正しい情報の選択に困るという事態になっていて、自分の不明を恥じるばかりだが、おそらく今のTLなどが全部手書き(あるいは面と向かって)だったら、今のような罵詈雑言の応酬はもっと少ないだろうし、少なくとも字のうまい下手や誤字脱字の少なさ、漢字や言葉の使い方などでその人の教養の程度が計り知れるので、何となく一種の淘汰が働くような気がする。現代のように、均質な活字で平等に表示されることによってそういった淘汰が働かなくなっているような気がする。そして内容の稚拙さや不正確さ、もっと言えばその人のレベルの低さといったものが必要以上に覆い隠されてしまっているのである。活字メディアが権威として存在し、出版という行為が一定のステータスを持ちえた時代は、そこで選別が働いていて、妙な考えの持ち主が偉そうに人々に影響力を与えることについてはかなりハードルが高かったのだが、現在は、そのハードルが極端に低くなっているような気がする。

ネット社会の到来およびそれと軌を一にした「活字」の大衆化は、よい面と悪い面とが混在している。考えてみれば、車やそのほかの道具が一部の特権階級の持ち物である時代から大衆化した流れに似ている。自動車の構造そのものをちゃんと知って自分でちょっとぐらい修理できる程度でなければ車を運転できない時代から、車の性能が上がり、故障などをあまり気にする必要がなくなったことで大衆化がすすみ、今はほとんどがギアチェンジの必要のないAT車であり、最近はぶつかる前に勝手に自動車のほうがブレーキをかけてくれたりするようだ。いいことなのだがやはり運転という意味での技量は落ちる。技量が落ちれば、思わぬところで事故を起こすことも増えてくるのではないか?という懸念がある。

まさにいまは大衆化が進んだがゆえに「活字」の書き手の平均的な技量が大きく落ちている時代といえる。だからこそ、ワタクシたちはその貰い事故に巻き込まれないよう、自らの書き込みを十分に省みる必要性がより強まっていると思う。(オマエガイウナーですよね、はい)。

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