厭債害債(或は余は如何にして投機を愛したか)

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zoom RSS 「ホリエモン的常識」はやはり非常識である点について

<<   作成日時 : 2015/09/25 06:54   >>

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週刊ダイヤモンドの連載コラムで、Q&A形式で表題の連載コラムがあり、堀江氏が回答者として自説を開陳されるのですが、さすがに今週のは看過できませんな。

以下引用
「Q:日本生命による三井生命保険買収の交渉が大詰めと報じられました。人口減少や歴史的な低金利の中での経営統合ですが、保険業界の先行きはどうなのでしょうか?次なる保険業のビジネスモデルのイメージはありますか?

 A:正直なところ、イメージなどは全くないです。そもそも私は生命保険、特に死亡保険が世の中に必要だとは思っていません。自分が死んだあとのことは知ったことではありませんからね。同じように思っている人も多いのではないでしょうか。
 それにそういった商品には保険営業マンの人件費や宣伝費が我々の保険料の一部から充てられているわけですからね。資産運用をしたければ投資信託でも買ったほうがよっぽどましでしょう。
 がん保険や入院保険なども同様です。そんな保険に入るのにお金を使うくらいなら、病気にならないよう予防医療にお金を使うべきでしょう。定期的に画像診断も含む高度な人間ドックを受診したり、胃がんの原因であるピロリ菌のチェックをしたりする。市に直結する病気にならないようコストをかけるべきです。」
(引用終わり)(週刊ダイヤモンド2015/9/19 p114)


ワタクシが気に入らないのは、そもそも、編集者はどうして回答者(ホリエモン)が「無知」な分野についての回答を求めたのか?という点です。そしてホリエモンはどうして、無知な分野について無責任な回答をして平気でお金をもらえるのか?という点です。

この質問部分は「生命保険業界」の今後のビジネスモデル、業界の先行きについて聞いていますが、回答部分はバッサリ「イメージなどは全くないです」で切って捨てています。要するに「知らない」ということです。「知識がない」ということです。ワタクシは、もし回答がここで終わっていたのであれば、全く問題ないし、むしろ自分の専門外の事柄について知らないものを知らないとはっきり言うその潔さに敬意を表したと思います。

ところが、そこから先で、間違った前提をもとに自分の偏った見方を開陳してしまっている。たとえば、回答の第一段落では「生命保険、とくに死亡保険は世の中に必要ない」という見解を述べているのですが、第二段落で「そういった商品」でうけて(つまり明らかに死亡保険のこと)「資産運用をしたければ投資信託でも買ったほうがまし」と述べています。たしかに変額仕立てや外貨建てにすれば死亡保障も資産運用チックな色彩が全くないとは言えないのですが、そもそも死亡保険に入るのは、自分のためではなく家族のためです。あるいは企業や金持ちの相続や弔慰金対策です。仮に運用成果で死亡保険金が変動するような商品があったとしても、それは副次的なものであって、「資産運用」目的で「死亡保険」に入る人は皆無だろうと思うのです。

死亡保険は、実際には起こる確率はかなり低くてもやはり起こってしまったら大変なことになる、という意味の個人にとってのテール部分をカバーするためのものであり、リスク管理上は少なくとも養っていかなければならない家族がある働き手にとっては「必要」だと思います。

さらに、住宅ローンについている団体信用保険(ローンの借り手が入る死亡保険で、多額の住宅ローンを残したまま死んだら大変(貸し手、借り手双方にとって)だからということで、ほぼ義務的に入らされる)のおかげで住宅ローンの仕組みが成り立っているということをホリエモン氏は知らないのでしょうか?まあローンを組まないでも買えるぐらい金持ちになった人だから知らないのかもしれないですが、あまり自分の条件を一般化するのはやめてもらいたいと思います。なんせ「死亡保険は世の中に必要ない」とまで言い切っておられるのですが、金融機関が住宅ローンが庶民に出せなくなったら、あるいはリスクプレミアムをたっぷり載せた金利を徴収するようになったら世の中どうなりますか?

もう一点だけ。保険商品には「保険営業マンの人件費や宣伝費が我々の保険料の一部から充てられている」ことが堀江氏には気に食わないようですが、逆にお聞きしたいのですが、普通にモノを売っている会社で「営業マンの人件費や宣伝費」がコストや販売価格決定過程に組み入れられていない会社ってありますかね?ライブドアやその買収した(しようとした)子会社群は人件費や宣伝費を一切かけていなかった、あるいはそういうコストは会社経費にせず当時のライブドア社長がポケットマネーで払っていたのならそれはそれで立派ですが。

後半部分はまあ半分はその通りですが、「死に直結する病気にならないようコストをかけるべき」という結論は語るに落ちた感じがします。やっぱり「死」はリスクなのですよね。

最初に戻れば、質問にたいする回答はわずか2行で結論は「わからない」ということのみ。よせばいいのにわざわざ変なことを言い足して質問の論点から完全にずれた誤った内容となっている。金をとるメディアとしてこういうのを載せるのはいかがなものかと思います。まあこういうコラムに真面目に突っかかるほうがバカだというのであれば、それはそうかもしれませんが。

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