厭債害債(或は余は如何にして投機を愛したか)

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zoom RSS GPIFの運用損

<<   作成日時 : 2015/12/01 12:18   >>

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日経にも出てますし、ネット系メディアでも派手に報じられています。7.8兆円というのは金額的には確かにインパクトはあります。今年の7〜9月は、チャイナショックがあったので、株式系はかなりやられましたね。若干円高にもなって、外ものも多少やられたようですが、基本的には内外株式が下落したのが大きい。

ワタクシは、以前にも書きましたが、もともとこうした主体が過大なリスクをとることはあまり賛成ではありません。しかしながら、新聞やネットメディアのように「それみたことか」といった論調で鬼の首でも取ったようにヘッドラインを打つのはいかがなものかと思います。

ワタクシが日本の年金が特に国内株式等で過大なリスクをとるべきではないと考えるのは、もともと株式の名目価格が名目成長とパラレルに動くと考えるからで、日本の場合その名目成長率を上げる力が弱いと思っているからです。逆にちゃんと成長が見込める国であって、現在の株価がフェアバリュー(これがまた成長の要素を織り込んでいるのでややこしいのですが)以下ならつまりバブっていなければ、長いこといい企業の株を持っていれば一般的な名目成長に企業努力の部分が加味されて年金給付においてプラスに働くはずです。したがって、その前提なら、長期間にわたって行う年金運用において、株式投資はリスク(ここでのリスクはブレのことになります)があっても行うべきだろうと思います。
しかし、日本の場合は成長をもたらす要素が少ないことが問題なわけで、その原因をいろいろと考えあぐねた結果の苦し紛れの答えが「アベノミクス」であり「異次元緩和とインフレ目標」であるわけです。GPIFなどの運用改革もその一環で理解すべきであり、要するに経済の成長力をつけることで株式が長期的に成長する素地を作るので、その流れに投資も乗ってください、それを公的年金が身を以て示します、ということだと思います。

残念なことにというか、アベノミクスそのもの特に成長戦略を描く第三の矢がよく見えなくなっていて、目標も玉虫色になりつつあり、具体的な成果に結びつくパスがなかなか人々の間で共有されていない。こちらのほうがよほど問題なのです。単なる四半期の収益の上げ下げを年金運用の世界で取り上げることの愚かさはともかく、アベノミクスと一体だったGPIFの運用改革ですから、仮に運用で不都合なことになるなら、本来はアベノミクスそのものとリンクした議論がなされるべきではないのか、と考えます。

もちろんGPIF側にも不透明なCIOの選出など突っ込まれやすい点はあるにせよ、この運用損の問題は、そもそも四半期という時間軸でとらえるような話ではない。アベノミクスの結果が出ないまま第三の矢が空中分解し、結局成長につながらないということであれば、長期的に問題が出る可能性はあるという長期的視点で今後見ていくべきもので、GPIFの問題はある意味日本経済の再浮揚が成功するのか否かの一つの現象面に過ぎないと思います。ですから問題の本質はGPIFの損失ではなく、アベノミクスの成否なのです。それを、四半期の損がどうのこうの、株のウェイトがどうのこうのというレベルで議論しても、単に市井の人々がお上に対する鬱憤晴らしで溜飲を下げるか、年寄りがわけもわからず理不尽な怒りを発散する(本当は怒るべきは若い人)原因にしかならないでしょう。

ちょっと、本題からはそれますが、安全資産といわれる国内債券のベンチマーク運用は本当に難しい局面を迎えている。一言でいうと、いま新たに債券のマンデートをもらってたとえばNomura-BPIなどに沿った運用をしようとしても、国債のマイナス金利ゾーンが多すぎてちょっとためらってしまうわけです。真っ当なファンドマネージャーなら、お客さんのために本当にベンチマークに連動するようなポートを組んでいいのか(つまりマイナス金利の短期ゾーンまで平気で買いに行っていいのか)とか考えるわけで、そろそろ運用のやり方もある意味「ぐだぐだ」になりつつあります。それだけ「国内債券」という収益機会は乏しくなっているし、長期的な目標収益達成は債券では到底無理ともいえるわけで、この状況で株式へのシフトを一概には責められないとは思いますけれど。まあそういう事情も少しは加味すれば、多少優しい目で見られるのではないでしょうか?

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