厭債害債(或は余は如何にして投機を愛したか)

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zoom RSS 黒田クーデター

<<   作成日時 : 2016/02/01 08:29   >>

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金曜日の突然のマイナス金利政策一部導入決定については少しすでに書きましたが、政治的な視点から見ればその決定過程はなかなか興味深いとかんがえられます。

まず、黒田総裁が「付利下げはやらない」という印象を市場に与え続けてきたにもかかわらずいきなり提案したということ。二つ目は、これほど微妙な提案でありながら、きっちりと賛成多数で可決されたこと(つまりちゃんと根回しないしは票読みが出来ていたと推測されます。そうでなければ黒田さん赤っ恥ですからね)、そしてもう一つは少なくとも反対に回った審議委員の一部ないし全部の方には事前に知らされていなかったということ(そのような証言があります)。

なんとなく、会社が経営陣を変えたりするときの取締役会のような雰囲気を思い出しました。いわばクーデターのような決定過程に見えます。取締役は株主総会で選出されるので、最終的にはこのようなクーデターは当然大株主や支配株主の意思を汲んだものでなければ最終的には成り立ちません。日銀の場合大株主に該当するのは当然日本国政府ということですが、それでも「独立性」ということをギリギリとこれまで詰めてきたのは、政府と中央銀行が全く同じ意思決定(アタマの部分ね)である前提は極めて都合が悪いからです。言い換えるとたとえば、財政の健全性の観点から国債を無限に引き受けさせたり、政策の都合で金融政策をいじらせたり(すでにやってますけれど)、そういうことの弊害を防ぎ、専門家としての独立した観点から金融政策を行っていくという仕組みが必要だとみんなが思っているからです。もちろん最終的には国の政策ですから、国は口を出す仕組みがある、しかしその順番はまず中央銀行の独立した決定過程があってそれに対してどうしても困るときに国が横やりを入れるというものだと思います。

ところが、政権の意向をうけて始めた金融政策、これはまだいいとしてそれが難しくなってきても目標を変えずに無理筋で突撃突破を図る、そのための多数派工作をして反対派と目される人々とはコミュニケーションもとらないで強行採決、などということをやり始めたら、日銀の存在意義はありません。しかもすでに通常の枠組みを超えた話なので、もう少し慎重な議論が必要だったのではないか、まさにそれを行うのが専門家集団としての日銀の役目だったのではないか、という気がしてなりません。

通常の企業の場合は株主の決定が最終的な決定でありそれがガバナンスであると思いますが、政府と日銀の関係はもう少し違うべきだろうとおもいます。そして市場にサプライズを与えることが目的となっている点、反対派を排除している点などで今回の決定過程はクーデターないしテロと呼ぶのがふさわしいのではないか、と思いますし、そのようなコミュニケーション障害の状況で、今後の政策運営が本当にうまくいくのか、やや心配です。

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コメント(2件)

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市場に伝えてこなかったのはともかく、もうECBのような主要中銀で導入されているようなことについては審議委員は伝えられる前から自分で調べて意見持っておくぐらいしないと駄目でしょう。そのために審議委員には手足となって調査するための部下が付けられるわけなんだし。実際、今回議題に出たのには驚いても、聞いてないから意見もないという状態では無かったでしょう。
mmm
2016/02/01 15:47
mmmさんどうもです。それはおっしゃる通りだと思います。もちろん意見はお持ちでしたでしょうが、突然提案されて短時間で十分な議論がなされたかどうかは疑問ではあります。
厭債害債
2016/02/01 18:57

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