厭債害債(或は余は如何にして投機を愛したか)

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<<   作成日時 : 2016/02/05 17:26   >>

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かつて債券を触っていた人間としては、もう悲しいとしか言いようがありません。10年はかろうじてまだプラスですが9年までは余裕のマイナス金利。こうなってくると債券運用って何なんですか?とか結構哲学的な思考の世界にも踏み入れざるを得なくなり、自分のブログのタイトルがなぜかペーソスっぽく感じられて、もうそろそろこのブログもやめる潮時なのかなぁとか思ったりしてしまいます。

とはいえ、一方で透徹した見方もあって、マイナス金利の領域に堂々と踏み出した以上は、理論上もっとマイナスもありなので、まだまだ円債買えまっせという風にも言える。ただ、その場合にもマイナス金利ゾーンではいわゆる「持ち切り」は最終利回りがマイナスすなわちここから買う場合はどこかで誰かが(つまり社会のどこかの主体が)名目価値においてマイナスを食らうということになるので、その意味においては大きなパラダイム変換だと思うのです。つまり、お金の持つ時間的価値がプラスではなくマイナスであるという時代に入ってしまったということです。

MMFなどの短期運用はすでに新規資金を停止しており早晩精算に追い込まれるでしょう。金融機関同士の短期資金の融通の場であるコール市場においても、16日までの積み期間以降はマイナスとなる可能性があるし、そもそも有担保コールは担保となる国債の利回りがマイナスになっていて特に短いところのキャリーが大幅にネガティブとなるということで担保保有コストを考えると新たな運用としては成立しなくなると思われます。

債券のポートフォリオ運用も頭の痛いところです。一般的に日本の国内債券のベンチマークとされているのはNomura-BPIと呼ばれるインデックスで、市場の動きを代替するため国債が9割以上を占める銘柄構成となっている。このなかで国債のうち7年までの債券で50%以上を占めるので、9年までマイナスだと余裕で半分以上がマイナス金利となっている。
http://qr.nomuraholdings.com/QR/index/BPI/NOMURA_BPI_D_J.html

もちろん、マイナス金利だからと言って絶対にベンチマーク運用ができないというわけではなく、ロールダウンや金利の更なる低下で期間損益がプラスになりうるしそもそも他資産とのバランス運用である場合の分散の問題もある。とはいえ、この状態が続けば続くだけ、「債券のポートフォリオ運用」の「べき論」みたいな議論が起こってくるのではないか、と思います。

これまでのようにカーブの一部だけマイナスという場合には局所的にマイナスを避けて運用するということが出来ても、ベンチマーク運用のマンデートをゆだねられた運用主体が9年までマイナスになった金利をさけて運用したら必然的にトラッキングエラーは大きくなるし、低格付社債など利回りがプラスの他の種類の債券を多く買いすぎたら本来意図せざるリスクをとることになる。一時的だという見通しが立てばそれでいいのですが、黒田総裁は巧妙にも「一時的」という見方を否定するように、先日の発表のなかで更なる金利引き下げもにおわせています。事業債などスプレッドものでポートを大幅に組みなおすというのも、結局のところ国債の金利が早く低下し社債はおそらくゼロ金利制約が働きそうなので、スプレッド拡大による相対パフォーマンスの低下となって要するに「負ける」可能性が高いので、なかなかベンチマーク運用ではやりづらいでしょう。

実はこれはもともと政府が意図したポートフォリオリバランス効果であるともいえます。債券の運用主体や現金を多く持つ主体に対し、いい加減にあきらめろという引導を渡したのだとすれば、かなり強烈な引導だと思います。

それにしても、保険会社や年金などのお金はどこへ行くのか。「外貨建て債券」(ヘッジ付を含む)というのも一つの有力な選択肢ですが、こちらも金利がつぶれているしいろいろな主体がすでにかなり取り組んでいるし、国内債券の純粋な代替とはなりえない。裸の外債は為替リスクが恐ろしいから長期米国債を短期為替ヘッジでロールしようとしても、いまは短期金利の見方が右往左往しているので、ベーシスリスクが高くこれもこのあとは予想されたような収益が得られない可能性もある。当面は判断の付かないまま様子見をしてしまう主体が多くなるのではないかと思います。ただ一つだけ言えることは、債券のマイナス金利下ではやはり年金などポートフォリオ運用のプロも含めて多くの主体が絶対収益ベースの思考にシフトしやすくなるということ。これは本当に実感しますね。

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