厭債害債(或は余は如何にして投機を愛したか)

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<<   作成日時 : 2016/02/17 20:07   >>

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最近本当にあった話を2つほどしてみたいと思います。

一つは最近メディア等でも大きく取り上げられた、某メガバンクの幹部の「タクシー強盗」事件。
実は、ワタクシはその方をまんざら知らないわけではないので、本当に驚きました。正直「強盗」なんてありえないと思いました。

刑法上の強盗の構成要件(刑法236条)は

「暴行又は脅迫を用いて他人の財物を強取した者は、強盗の罪とし、5年以上の有期懲役に処する。
2  前項の方法により、財産上不法の利益を得、又は他人にこれを得させた者も、同項と同様とする。」
となっています。

暴行について言えば犯罪類型に応じた様々な定義が存在します。たとえば、内乱罪における暴行などは必ずしも人の身体に直接影響を及ぼす必要もなく広く人や物に対するものでよいとされています。公務執行妨害であれば、「人に対する不法な有形力の行使」であって必ずしも人の身体に影響する必要がない。逮捕罪や暴行罪などでは「人の身体に加えられる不法な有形力の行使」でこのレベルでようやく体に触れることが必須になってきそうです。強盗罪の暴行は「相手の反抗を抑圧する程度」の有形力の行使の行使であり、割と強い力ではありますが、さらにその上の強姦罪や強制わいせつ罪における「相手の反抗を著しく困難にする」ところまでは要求されていないのです。したがって運転手が「相手に殴られた(ために金を受け取れなかった)」と主張したら強盗の疑いがでます。

最近はタクシー運転手と乗客(特に酔客)とのトラブルが多いようですし、そもそもマジに運転手が殺されるケースなどもあり、タクシー会社や運転手サイドは割と早めに警察に通報する傾向にあるようで、このことを理解しておかないと、単なる料金トラブルで済まずに今回のような大事になってしまいます。

想像の域を出ないですが、様々な報道を総合するとこの方はお酒を飲んだ後都心から自宅近くまでタクシーを利用し、どういういきさつかはわかりませんが料金で揉めた。それでこの方がおそらく怒って「払わない!」とか言って車から出て行ったかあるいは社内で揉めて、どこかのタイミングで運転手さんの顔とかくびとかに手が当たったとかそういうことでしょう。さらにこの方は降りて自宅に入ってしまった。それで運転手さんが警察に通報し、現行犯逮捕?されてしまったのでしょう。

記事によればそれこそエリート行員で将来の役員も有望とされていた方です。確かに有能な方で仕事の情熱も大いに燃やしていた方だったような記憶があります。強盗という行為から想像するイメージはそれこそナイフでも突きつけてお金を奪う、とかいう感じでしょうが、そんな行為とは無縁の感じです。しかし「暴行」を加えて料金を免れる行為も立派な強盗になります。路上で揉め続けていればおそらく逮捕はされなかったとは思いますし、きちんと話し合いに応じる姿勢を見せていれば、払う気があるということで強盗にまではならなかったかもしれないと思います。払わないままその場を立ち去って家に入ってしまったのは非常にまずかったと思います。結果的に微妙なところで行為がすべて構成要件に該当してしまっているのです。

こういうことは、頭がよく意思が強く正義感が強い人が実は陥りがちなケースではないでしょうか?個人的な気持ちとしては、きっとこの方は「殴ってはいない」のだと思います。幸い運転手さんにもけががなかったようですから、その辺の事実確認をきちんとして、単なる料金トラブルという本筋に戻した解決がなされることを祈ってやみません。

実はワタクシもちょっとひやっとしたことがあります。かなり前ですが、電車の中で女性に対して痴漢とまでは行かないにしても明らかに不快な行為をしている男性がいたので意図的に体を押しやったりしてブロックしていたのですが、駅で降り際にそいつがいきなり殴りかかってきたのでとっさに手を振り払いました。その後も少しホームでもみ合っていて駅員が警察を呼んで二人とも派出所に連れていかれました。残念なことにワタクシが手を振り払った時だろうと思いますが、手が顔にあたったようで相手は唇から多少出血していました(決してグーで殴っていません)。注意していただきたいのは、これは外部から見たら「喧嘩」であり、そして警察の視点では「喧嘩両成敗」というのは両方とも無罪放免ではなく両方とも「暴行」「傷害」として扱って調べるということです。その後二人とも警察署にパトカーで別々につれていかれ、事情を聴かれました。ワタクシが全くけがをしていないので、ちょっとやばいなと思い始めました。私だけ「傷害罪」になる可能性もあったからです。この場合相手が被害をことさらに訴えて被害届を出すということになると結構面倒なことになります。

結局1時間程度の事情聴取を終え、相手も(多分やましいことが心にあったと思いますので)被害届を出さないということで、事件にならず帰宅を許されました。とはいえ傷害罪は「親告罪」ではないので、私自身が故意に殴ってけがさせていればそれはそれでアウトです。そういうことは一切していないということを何度も主張して、まあ納得していただけました。別に頭がよくなくて意思が弱く正義感はどちらかというとないこのワタクシがこのような目に合うので、ちゃんとした皆様におかれては本当にどこで落とし穴が待っているかわかりません。

仮にこれが傷害罪で立件されて「逮捕」でもされたら、場合によっては上のメガバンクの方同様ニュースになるかもしれません。会社には当然隠しおおせず、会社の名前に傷をつけたとか信用に影響を与えたとかで懲戒処分は免れないでしょう。最近の懲戒では業種にもよりますが金融系は信用商売だけに一般に厳しいです。飲酒運転や酒気帯びで事故を起こせば一発懲戒解雇、お金がらみの不祥事(使い込み横領など)も一発懲戒解雇です。性犯罪も非常に大きく取り上げられがちで信用に大きく影響するので同様に一発解雇の可能性が高いです。それ以外の刑事事件でもこうした「暴力犯」は印象が悪いので、降格は免れないでしょう。まさにやとわれ人人生を瞬間で棒に振ることになります。そういった落とし穴は実際あちこちに転がっています。ちょっと気を許すとその落とし穴に落ちてしまうのが今の世の中であることに改めて注意が必要です。

さて、もうひとつの身近にあった事例を紹介しましょう。
ある人が会社からの評価や上司との軋轢で結構つらい思いをして会社に行きたくなくなってしまいました。で、ある友人に相談したところ、精神科医に相談して鬱の診断をしてもらって休めばいいということを言われました。その時の友人のアドバイスは「精神科医は言った通り診断書は書いてくれるわよ」というもので、そのアドバイスを受けて彼女は精神科医にいき、症状を訴え、診断書をもらい会社を休み始めました。休暇を温存するため、いきなりいわゆる「病欠」扱いとし、給与カットや賞与カットはあるものの一定の給与を受けながら「病欠」が使える3か月程度会社を休み、その後も当分休むつもりでいました。
ところが最初に相談した友人との間で人間関係のトラブルが生まれ、その友人が会社に対して「あの子は病気でもないのに医者にいい加減な診断書を書かせて会社を休んでいた」とコンプライアンス窓口を通じて通報したのです。
会社はこっそりと調査を開始し、医師にも話を聞き、医師から「言われた通り書いた」という言質を引き出します。また借り上げ社宅に設置された防犯カメラの映像から、休暇中にその部屋に男性を引き入れている(他人を入れること自体も厳密にはルール違反)ことを確認します。その上で本人を呼び出し、通報者である友人立会いの下で、事実の確認を行います。その場で本人が過去に会社に対して不満を述べていたことなども明らかになり、どんどん不利な状況においこまれます。さて懲戒委員会で彼女に下った裁定は?

「懲戒解雇」でした。つまり「鬱」による病気欠勤は「嘘」であり、会社に虚偽の申告をして給与相当を「だまし取った」ということで会社はこれを詐欺と考え、刑事告訴も考えるといったのです。
刑事告訴こそ見送られましたが、結局彼女は退職金ももらえず会社を辞めました。

雇われ人がついつい陥りがちなケースの一つだと思います。先ほども書いたようにこういうことはちょっとしたことではまってしまう落とし穴です。本当に意識して気を付けなければと思います。あ、二つ目のケースの場合は多少かわいそうではありますが、私が判断する立場でも「会社の金に手を付けた」という点は結構重く見るとは思います。特に金融機関の場合はそういう判断になると思いますので、ご注意ください(誰に言っているのだ・・・)。

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