厭債害債(或は余は如何にして投機を愛したか)

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zoom RSS 日銀審議委員

<<   作成日時 : 2016/04/05 18:02   >>

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最近就任された方の様子がいろいろと話題になっており、その就任会見の中身がどらめもんさんのところ(リンク先の4月5日の部分)でちょっといじられておるようで、いや、本当にイマドキの審議委員さんは大変だなぁと思う次第です。
http://www.boj.or.jp/announcements/press/kaiken_2016/kk1604a.pdf

細かい突っ込みはどらめもんさんのところを見ていただくとして、野次馬的にどうしても興味があるのはこの方がなぜ選ばれたのか、という点。

(引用)
「(問) 櫻井さんは、失礼ながら、マーケット関係者の間でも、霞が関、日銀の中でもほとんど知名度がないという形になっていますが、今回の就任の経緯と言いますか、いつどなたから話があって、なぜ審議委員に就任しようと思ったのか、ということが1点です。また、黒田総裁のもとでの今の金融政策、なぜいまだにデフレから脱却できていないとみているのか、どこに課題があるとご覧になっているのか、その2点をお願いします。

(答) 第1点、たぶん一番、皆さん方も関心が強いのではないかと思いますが、実は私はほとんどマスコミにも登場しておりませんで、むしろ、自分一人で小さな研究所をやっていたものですから――研究所と言っても、本当に小さなオフィスなのですが――、そこで7年間くらいレポートを書いていました。月例の経済報告というものです。これは、非常に限定した人にしか配っていませんでした。例えば誰から就任のお話があったかというのは、まさに国会の同意人事ですから、今後のこともありますので、これについてはお話はしない方がよろしいだろうと思っています。そうは言うものの、過去2年間くらい私が書いていた月例の経済報告、だいたい50人くらいの人に配っていたのですが、コピーがだいぶ出回ったようです。その辺をウォッチされていたのではないかと思います。それが直接の経緯だったのではないかと思います。そのレポートは、現在の景気の状況、金融や為替の状況、米国の経済、欧州それに新興国の経済、それから毎回必ず、何らかのトピックスを入れていました。そういうものを入れて大体15ページくらい、かなり長いレポートを書いていました。これがどうも読まれ始めたらしい、ということで、それが経緯になっているのではないかと思います。」
(引用終わり)

つまり、彼のご高説に公式に触れることのできた人はわずか50人しかいないなかで、候補として上がったというのは、特定の力を持つ人がたまたまその読者であって、えらく感動して推挙したということであるわけです。同じようなビジネスモデルをやっている研究所はワタクシもいくつか存じ上げておりますし、そこを主宰しておられるエコノミストの方々が優秀な方々ばかりであることを存じ上げているのではありますが、なにせ自営の商売ですから、大手金融業者の組織だった見方や分析に対抗するために、結構過激なことを主張したりして、それによって顧客の歓心を買おうとする(つまりネタに走りやすい)傾向があるように思います。もちろん基本的なところは押さえたうえでのネタですから根本的な見方とかデータが間違っているとは言えないのですが、たとえば見る側の印象を操作するためにわざと複数のグラフの区間をずらしてみたり、スケールを操作してみたりとかやってしまうケースもあるように見えます。
もちろんメディアに登場する人々や大手機関のエコノミストのほうがいいというのではなく、密室で話されていた議論をもとに審議委員を選ぶにはそれなりのリスクがある、ということを言いたいわけです。
ちなみに、それほど知られていないし、そもそも彼の「研究」に接する機会がほとんどなかったはず(なにせ50人のお客さんですから)の国会議員様たちが、なぜか簡単に賛成されている(あるいは反対されておられる)というその手続きにも疑問があります。あきらかに党議がかかっているということでしょうが。
http://www.sangiin.go.jp/japanese/joho1/kousei/vote/190/190-0323-v006.htm
(党として決めることなんでしょうか、これ?)

いずれにしても妙な形で選ばれるものだから、妙なことをおっしゃっています。どらめもんさんも指摘されておられますが、一番気になるのはここ。
(引用)
「(問) 物価目標の達成についてですが、石油などのエネルギー価格の影響を除去すれば、2%は必ず達成できるとお考えでしょうか。中国発の商品市況の低迷は、グローバルなデフレ圧力が高まっている中で、先進国経済が軒並み日本化しているというような指摘もある中で、任期中に必ず達成するという、そういう理解でよろしいでしょうか。それとも、長期停滞のような背景を踏まえて、日本銀行としても目標達成の仕方について、何らかの柔軟な模様替えもあり得るとお考えなのか、ご所見をお願いします。

(答) これからの5年間ですから、簡単にお答えするのは難しいですが、できる限り私の任期中に達成したいとは思います。もちろん不確定要素はたくさん存在していますから、逆に言えば、エネルギー価格がどんどん上がってくるようなことになれば、考えていたよりも早く達成できるかもしれません。そういう可能性も当然あります。あと、これも分かりにくいですが、為替レートがかなり大きく変わったりすれば、それもまた影響してくるだろうと思いますので、できる限り5年間で、できるだけ早く達成したいというのは同じです。もっとも、いろいろな不確定要素が入りますから、必ずできますとは言えないと思います。逆に言えば、また反対に上がりすぎるということもあり得るわけですから、その時はその時で、やはりきちんとした政策を採らなければならないということだろうと思います。」
(引用おわり)

いや、素直でよろしいとは思うのですが、2%のインフレ目標達成が5年でできるかどうか「できるかぎりがんばります」とか「必ずできますとは言えない」とかっていままで日銀の執行部が言ってきたこととちょっと違うんじゃないかなぁと思うわけです。もちろん「きちんとした政策を採らなければならない」というのはそのとおりですが、ここまで不確定要素をちりばめて「よくわからない」と言ってしまうと、2年で2%を達成するための手段としての異次元緩和とかその先の措置について日銀の政策を自己否定しているようにも見えてしまいます。

ワタクシが、実は真の選任理由はここかなと思ったところがありまして、それは・・・
(引用)
「・・・またレポートに関しては、特に先程申し上げた2年間分ぐらいが読まれていたようです。一つには、特に何がということではなく、毎月のレポートの物の見方が、ある意味で非常に安定していたのだろうと思います。そこが目に留まったのかなという感じがします。私は、あまり極端なことは書いていません。私は、金融政策の解説書――たくさん世の中に出ていますが――はほとんど読みませんし、書くに際して日本のものをほとんど読んでいません。英語のものしか読まず、あとは統計だけで書いていましたので、その辺が少し他の人のレポートとは違っていたのかもしれません。」
(引用おわり)
当然白川元総裁の「現代の金融政策−理論と実践」などさわりもしなかったということですね、わかります。ここ大事なところですね。
でもなぁ、海外の政策当事者や学者からの日本経済や金融政策への評価や分析は結構これまでピントが外れてたし、大丈夫かなぁと思う次第です。

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