厭債害債(或は余は如何にして投機を愛したか)

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zoom RSS 中国の外貨事情

<<   作成日時 : 2016/04/06 06:18   >>

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4月号の選択という雑誌に、日本企業の子会社からの配当金支払いなど外貨送金が中国からできづらくなっている、という記事がのっている。(「中国進出「日本企業」の悲鳴」)
これによれば、中国に進出している自動車系の部品メーカーが昨年秋以降かつて日本の親会社から借り入れた「親子ローン」を返済しようと外貨管理局に外貨への再両替と海外送金を申請したが理由の説明もなく否認されているという。邦銀の現地支店や領事館を通じて理由の問い合わせや抗議をしても全く解決していないようだ。
同様に、日本から製品を輸入しようとした中国企業に信用状(L/C)が発行されないため輸入できない状態になっているという。これも外貨支払いを止めているということになる。
記事では、さらに中国から生産拠点を他のアジア諸国に移そうとしている企業の流れや中国国民の海外投資(海外への資金保管)熱などが積み重なって外貨準備の減り方が激しいと指摘している。

ちょうど時期を同じくして、いろいろな中国企業(不動産や航空など)で「ドル建て債務」の縮減に努めているという記事がでている。(たとえば以下)
http://www.nikkei.com/article/DGXLASDX04H0A_U6A400C1FFE000/
もともと空運は航空機購入やリースの負担が大きく有利子負債が膨らみがちだ。そのうえその多くがドル建てとなると、元安が進めば返済負担が大きくなるということで、そうならないうちに手当てをするというのは当然だ。
中国通のエコノミストの意見では、中国の国内景気は想像以上に深刻で、輸出ドライブをかけるために元安政策を採らざるを得ないのではないか、とまで言っている人もいる。時々思い出したように元買介入しても、結果的には投機対策にすぎず、その中で追い打ちをかけるようにドル買い需要が急速に増えることで、為替の動きが加速し外貨準備の減り方が激しくなることが予想される。中国国内企業の外貨需要を優先するため、日本企業の外貨送金に事実上の制限をかけているように見える。

中国の外貨準備問題は、リーマン直前まで外貨準備の絶対額が大きかったのであまり気にする人はいなかったのだが、ここにきてにわかに関心を呼んでいる。
http://gendai.ismedia.jp/articles/-/48118
いまのところ公式には3兆ドル程度あると思われる外貨準備だが、2015年には年間5000億ドル程度減少したことが明らかになっているので、なんと年間に15%以上も減少したことになる。
ウォールストリートジャーナルの記事では外貨準備とマネーサプライ(M2)との比率に着目しており、マネーの量が外貨準備に比して高くなりすぎると、端的に言うと対外債務返済に危機が高まっているということのようだ。
http://jp.wsj.com/articles/SB11281588234518813488504581527491723791866

いずれにしても、ある程度意図的に中国当局が日本企業(あるいは外国企業)の資金還流を止めようとしているのではないか、という疑いがあり、これはたとえて言えば、運用成績がぼろぼろになったファンドの解約をしようとしたら凍結されてしまったという、例のパリバショックと同じ構図である。まあ日本企業が中国からの送金がなくて倒産するというような事態はないとは思うけれど、アジア危機が通貨安と外貨建て債務の問題であったことをどうしても思い出してしまうのである。

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