厭債害債(或は余は如何にして投機を愛したか)

アクセスカウンタ

zoom RSS 混迷度合いを深めた金融政策

<<   作成日時 : 2016/09/21 17:49   >>

なるほど(納得、参考になった、ヘー) ブログ気持玉 12 / トラックバック 1 / コメント 1


今回の政策決定会合の結果を見て、マーケットをやっている人ならまずは「長短金利操作」(イールドカーブ・コントロール)のところで「おおおおおっっ!!」とのけぞって、人によっては転職エージェントに電話した人もいたかもしれません。
http://www.boj.or.jp/announcements/release_2016/k160921a.pdf

実際どのようなオペレーションになるのかわかりませんが、端的に言えば、日銀が長期の「公定金利」を決めたようなもので、ワタクシの知る限り世界でも稀有な政策ではないかと。というのは、実は日銀も自らのHPで認めているように、長期金利というのは本来市場が様々な要素を織り込んで決めていくもので、むしろそうした市場機能によって決定される金利水準をにらみながら、金融政策を含めた政策運営をやっていくのが筋だと思われているからです。
以下は日銀のHPにある記載。
「・・・金利は期間が長いほど、将来のインフレなどの経済情勢に関する予想(高いインフレを多くの人が予想すると長期金利は高くなります)や将来の不確実性(不確実性が強いと、リスクプレミアムと呼ばれる資金の貸し手が要求する上乗せ金利が拡大し、やはり金利は上がります)に左右されます。しかし中央銀行は、人々の予想や将来の不確実性を思いのままに動かすことはできません。また、このような期間の長い金利の動きから、市場参加者が将来のインフレ情勢等に関しどのような予想を持っているかを読み取ることも、金融経済の状況を判断するうえで非常に重要です。
つまり、中央銀行が誘導するのに適しているのは、ごく短期の金利なのです。期間が長い金利の形成は、なるべく市場メカニズムに委ねることが望ましいのです。」
(「日本銀行の金融調節を知るためのQ&A(解説ハ.)」(日本銀行HPより)

今回の決定はこうしたこれまでの枠組みを変更したものととらえられます。長期金利の固定相場?まあ債券ディーラーにとってはすでにここまでの2年ほどでかなり苦しい状況にはなってきていましたから、いまさらという感じでしょうが、やはり長期金利をペッグさせるのはあまり聞いたことがない。大体において、イールドカーブを中央銀行がコントロールしていいのか?という根源的な問題に答える必要があるでしょう。

全体を見て率直な感想は「手詰まり感」と黙示的な「ギブアップ」感です。買い入れの量を柔軟化しつつ金利の上昇だけを抑える方向で介入するという、いわば「受け身」の戦略に転換した感じがあります。2年という枠組みを外したことで、すぐに何が何でもやらなければならないという強迫観念に迫られる状況を排除しつつ、今後追加緩和手段としていくつかの手段を列挙しておいて可能性をにおわせ、実際やっていることは実質的なテーパーリングとみられても仕方のないような内容になっています。身内でいろいろ話してみても、そもそもこれって緩和なのなんなの?っていう感じですが、いずれにしても、債券市場にとっては咀嚼にしばらく時間のかかる話かなとは思います。少なくとも10年以下の国債についてはキャピタルゲインが当面期待できず新たに買うものについてはインカムももちろん期待できないわけで、債券投資家の皆さんはどうされるのかなぁと心配になります。他人事じゃないけれど。

テーマ

関連テーマ 一覧


月別リンク

ブログ気持玉

クリックして気持ちを伝えよう!
ログインしてクリックすれば、自分のブログへのリンクが付きます。
→ログインへ
気持玉数 : 12
なるほど(納得、参考になった、ヘー) なるほど(納得、参考になった、ヘー) なるほど(納得、参考になった、ヘー) なるほど(納得、参考になった、ヘー) なるほど(納得、参考になった、ヘー) なるほど(納得、参考になった、ヘー) なるほど(納得、参考になった、ヘー) なるほど(納得、参考になった、ヘー) なるほど(納得、参考になった、ヘー)
驚いた
面白い
ガッツ(がんばれ!)

トラックバック(1件)

タイトル (本文) ブログ名/日時
日銀、金融緩和強化の新たな枠組み導入
日本銀行は21日、金融政策決定会合を開き、「長短金利操作付き量的・質的金融緩和」の導入を7対2の賛成多数で決めました。短期金利に係るマイナス金利政策を維持するとともに、長期金利がゼロ%程度で推移するよう長期国債の買入れを行う「長短金利操作(イールドカーブ・コントロール)」を導入。併せて2%の物価安定目標の実現期限を撤廃し、安定的に持続するために必要な時点まで金融緩和を継続する「オーバーシュート型コミットメント」を導入しました。 *** ...続きを見る
歌は世につれ世は歌につれ・・・みたいな。
2016/09/23 21:23

トラックバック用URL help


自分のブログにトラックバック記事作成(会員用) help

タイトル
本 文

コメント(1件)

内 容 ニックネーム/日時
このような暗黒社会にしてしまったのは今の政権なのです。
安倍晋三という政治家は、国家社会主義者であると従前からみなしておりましたが、やはり思った通りでした。
自民党総裁の人気も無期限になるかもしれず…。
天皇陛下の生前退位への思いも無下にしようという恐るべき不忠の政権。
ますます国家統制の色彩を濃くしていくでしょう。
民進党政権の誕生を切に願います。
園災外歳
2016/10/06 19:54

コメントする help

ニックネーム
本 文
混迷度合いを深めた金融政策 厭債害債(或は余は如何にして投機を愛したか)/BIGLOBEウェブリブログ
文字サイズ:       閉じる