厭債害債(或は余は如何にして投機を愛したか)

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zoom RSS トランプ大統領の施政方針演説

<<   作成日時 : 2017/03/01 17:14   >>

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CNNで紹介された「全文」を読んでみました。内容はともかく、スピーチとしてはアメリカの非常に有能なスピーチライターが書いたと思われる美しい構成となっています。トランプ大統領が普段使うようなあまり洗練されていない形容詞が繰り返されることもなく、「こちらでは〜なのに、肝心のこちらは・・・だ」みたいな巧みな対比が多く用いられ、トランプさんのキャッチフレーズ(たとえばMake America Great Again)を的確なタイミングで織込んだりして、なかなかだと思いました。もっと言っちゃえば、(もちろん事前に見てるとは思いますが)明らかにトランプさんの作品ではなさそうに思うのです(報道によれば95%の時間はプロンプターを見ていたとも)。でも、中身や作者はともあれ、ちゃんとこういうきちんとしたスピーチをやってくれると多少安心感は出てきますから、これからもちゃんと政権内部できっちり打ち合わせの上、ある程度の様式美も考えて意見表明していただきたいものです。内容はともかく。

具体策がほとんどない、あるいはすでに表明されているものばかりで新味に欠けるという批判はあるものの、改めてトランプ大統領の考え方というか現政権の価値観のようなものは非常にわかりやすく表明されています。
雇用に関しては、(アメリカ人の)雇用の妨げとなるものに反対し、その障害となるものを取り除こうという姿勢。具体的にはいくつかの具体的な企業名を挙げて雇用増を取り付けたことや、規制緩和をおこなっていくこと、そしてTPPに反対していくことなどです。そして、その反対サイドとして、雇用促進になるようなことを積極的に行っていくこと。具体的にはキーストーンやダコタパイプライン(しかもその材料は米国産の鉄鋼で)の建設などです。
これと関連してWTOやNAFTA、TPPなど多国間貿易協定の枠組みには、工場を他国に移転させ米国人の雇用を奪うものであるとして改めて反対の姿勢を明確にしています。

犯罪防止も一つのポイントで、法の執行を強化することによる犯罪組織の撲滅、麻薬密輸やその蔓延に対する対策などを言っています。ただ、具体的にはメキシコとの壁ぐらいしか表明されていません。それに関連してですが、トランプ氏は国土安全省に対し「移民関連犯罪被害者」(Victim Of Immigration Crime Engagement)に関する対応を行う部署を設けるよう支持したと言っています。会場にもそうした犯罪の被害者家族を呼んでいて紹介していたようですが、うーん、どうでしょう?犯罪被害の十分な賠償を得られないケースに対応するならわかるんですが、「移民の犯罪」に限定するという点が、やはりちょっと根っからの差別的思想を脱却できてないように思いますし、これも違憲の疑いもないわけではないです。

テロとの戦いにおいては、移民の審査プロセスの改善をうたっており、メリットシステムというもの(おそらく一定の能力を持つ人のみ許可すること)への支持を表明し、単純労働の移民は排除するという考えを示しています。これは考えようによっては、あの衝撃的なイスラム7か国からの移民全面排除というところからは大きく譲歩した感じがあります。まあ当然ですが。これと関連して、防衛費の増強も言っています。具体的にはすでに3%程度の増加が示されていますが、考えようによってはインフレを引くと実質0.5%ぐらいしか伸びないので、それほどインパクトのあるものではないかもしれません。

一番関心を引いたのは、ニュース等で取り上げられた1兆ドルのインフラ投資。National rebuildingという旗印のもとにやると言っています。具体的には特に示されてませんが、中東に金を突っ込んでいる間に国内のインフラがしょぼくなってしまったことを嘆いています。まあこの金額は多少マーケットにもインパクトを与えたようです。

法人税やミドルクラス減税についてはさらっと触れただけです。一方貿易不均衡についてはハーレーダビッドソンのバイクの例をあげて、現状は他国の関税により不公正であるから公正な貿易をめざすと言っています。まあこれについては、ハーレーが関税で売れないというのは明らかにおかしいというか、あんなものと言っちゃ失礼だけれど普通に趣味でしか乗らないわけで、乗りたきゃナンボ高くても乗るし、ほとんどの人は必要ないから買わない、それだけです。このへんちょっと「大丈夫か?」とか思ってしまいましたけれど。

スピーチの中で最大のウェイトを占めた政策が「オバマケアの見直し」です。オバマケアは国家が承認した保険商品を買わせるというものですが、結局保険料の値上がりを止められず制度として破綻しており、トランプ政権は違うやり方でもっとコストを下げる、と言っています。その5つの原則とは、
@ 現状の医療アクセスを損なわないこと、
A アメリカ人が自分で保障を購入できるような税控除などを用いること但し強制しないこと。
B 州レベルのメディケイドは維持しセイフティネットは用意する事
C コストを下げて安価な保険を用意できるような法改正を目指すこと。
D 州をまたいだ保険購入ができるようにして競争を促すことでコストを下げること。
となっています。

実は、直前に例のブライトバートニュースがトランプ大統領に単独インタビューを行っており、その中では、議会スピーチにおいてオバマケアの改革内容とその「タイミング」も発表すると言っていたと報じられていました。しかし、実際にはそれほど具体的なものではなく、時期も発表されなかった。まだいろいろあるのだろうと思います。どうでもいいことですが、ブライトバートニュースの記事ではトランプ氏が語ったそのままの言葉が出ていますが、普通に語るとこうなります。同じような「平易な」言葉を何度も繰り返す、これがトランプ氏の語りの特徴なんですね。
http://www.breitbart.com/big-government/2017/02/27/full-transcript-president-donald-trumps-exclusive-interview-breitbart-news-network-oval-office/

そのほか細かい点はいろいろあるものの概ねこれまでの過激な発言からは一線を画したスピーチであったと思います。

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