厭債害債(或は余は如何にして投機を愛したか)

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<<   作成日時 : 2017/05/23 12:00   >>

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リスク管理が定量管理の世界と定性管理の世界とを峻別していた時代があったが、今は概ねERM(エンタープライズリスクマネジメント)という包括的な枠組みのもと、極力従来の定性情報も定量化することで「リスク量」として見えるようにしてそれに対する「資本」をあてる、配分する、積み増すみたいなことをやるというのが一般的であろう。

企業分析、企業評価の枠組みにおいても、財務情報と非財務情報というのは、過去においてまさに財務諸表の数字(含む予想)に基づく定量分析(財務情報)に対し定量化できない「非財務情報」という位置づけでとらえられ、統合報告書でも非財務情報はそういった企業の(良くわからない聞こえの良い)活動の羅列にとどまり、両社があまり有機的な関連を持って紹介されていなかったのではないだろうか。しかしながら、企業分析や株主に対する説明もっと言えば株を買うかどうかという判断材料としての統合報告書の意味を考えるなら、非財務情報というのは何らかの形で将来にわたって財務情報化していくからこそそこに記す意味があるのであって、その論理を積極的に示せないようだとあまり意味がない。もちろん、企業アナリストたちはそういうものを一応評価してきたわけで、典型的な例がスタートアップ企業における研究開発費などが最たるものだろうけれど、
保険アナリスト植村さんのブログで紹介されていた記事はまさにそういうことを言っているのだろうと思う。
http://nuemura.com/item_2447.html
http://www.nikkei.com/article/DGKKZO16503090X10C17A5ENK000/

「勘違いした統合報告書には、無味乾燥な数値実績と、きれいごとっぽい慈善活動だけが脈絡なく並んでいる。」

きびしい表現だが、企業経営者とステークホルダーとの関係はそもそも厳しいものであり、企業活動すべてにおいてステークホルダーに対し、その行動によってどのような会社の未来を描こうとしているのか、を明確にする責務を負っている。一見関係なさそうな慈善活動でも経営者が信念を持って文化の維持(たとえばメトロポリタンオペラに多額の寄付をするとか)に力を貸そう、それが将来の日本の文化や人々の「質」みたいなものに貢献するなどという信念を持ってやるのであればそれはそれでありだと思うし、それが立派なことで人々の共感を得れば、学生からの人気が高まったりして優秀な人材が確保でき、それが将来の業績につながることが一定の確率で見込まれるようになる。リスク管理でもなんでも起こる可能性のあるイベントによって生まれる損益にそのイベントの発生確率を掛け合わせれば一応数値化はできるので、そういう流れが示せれば、それは現在は非財務情報であっても潜在的な財務情報となるのである。おそらくそういう組み合わせで利害関係者に考えさせるのが「統合報告書」の目的なのであって、もちろん、すべてそんなロジックまで書くことはないが、少なくとも会社としてどのような理念とか方針のもとでそういうことをやっているのか、といったことが財務情報と非財務情報をまさに「統合する」形で利害関係者に示されていなければならないのであろう。

もちろん、将来のもうけにつながるものしかできないというのではなく、その企業としての理念と結びついた一貫したものがそういった行動によって示せるのかどうか、が重要だろうと思う。

最近ではESG(環境、社会、ガバナンス)といった要素を非財務情報として資産運用や企業評価の材料としていこうとする動きが目立っている。完全なる効率的市場のもとでは情報は瞬時に市場によって評価され株価に織り込まれるのだが、ESG情報などは企業理念と絡まって非常に評価がばらつくところであるし、評価の仕方も定まっていない。最初に書いたように確率論で財務情報に移し替えることは枠組みとしてはできても、恐らく「正解」や一致した評価を導くのはその段階では難しい。しかし、だからこそ、これからはそういった評価を組み入れることによるパフォーマンスへの有意な寄与ということを目指す余地があるのだろう。なかなか実証研究ベースではガバナンスの問題はさておき環境や社会への取り組みが株価に効いてくるまでの時間軸とか非常に難しいものがあるようだが、そういった要素が最終的に企業評価を通じて「いい企業」の選別につながり淘汰していくという機能を資本市場は目指すべきなのだろうと思う。

結局また時価総額指数のパッシブをDisってしまった・・・

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