厭債害債(或は余は如何にして投機を愛したか)

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zoom RSS 総選挙雑感

<<   作成日時 : 2017/10/24 12:18   >>

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ちょっと自民党が勝ちすぎた気もしますが、概ね大方の予想に即した結果ではなかったかと思います。希望の党の勃興と衰退はなかなか興味深いイベントでしたが、結果として自民党と立憲民主党に票が流れる結果となったと思います。自分が投票する立場となってみれば、自民党(特に安倍首相)の政策をいまいち評価しないけれど、あまりにずさんな希望の党に入れたくない、宗教色の強いポピュリスト政党の公明党とかなんだか得体のしれない、維新とかこころとかもっとわけのわからないところも嫌だ、ということになると、消去法的に批判票が立憲民主に流れたのも非常に納得感があるところです。

メディアの議論などを見ていると希望の党と立憲民主を併せたら改選前の民進党の議席を超えているとか言って喜んでいる人がいますが、これは明らかな間違い。この二つの党が再び相いれることはないはずです。少なくとも当分は。仮にまた再合流することになれば、おそらく今回改選前の民進の議席をはるかに下回ることになるでしょう。そのようないい加減な人たちが作る政党など、だれも信じないはずです。

小池新党については「馬脚を現した」という表現がピッタリであり、このタイミングで国政にかかわるという小池氏の決断は非常に筋が悪かったと思います。しかもあまりにも準備不足で、自民党の対立軸だけを意識しての糾合だったため、多くの方がおっしゃっている通り政策も無茶苦茶、心構えもなっていない、だれを首相としてたてるかもはっきりしない、そんな状況でそれでもよく議席がとれたなぁとむしろ感心します。また党首が投票日に海外出張(都の仕事ですね)で日本におらず、それだけでもいかがなものか、と言われているときに、負けたら「鉄の天井」とかわけのわからないことを言ってますます顰蹙を買うという悪循環。もしかしたらこの発言の真意は違うところにあったのかもしれないけれど、受け取る側は当然「ガラスの天井」よりさらに強い女性差別的な日本の慣習という意味で鉄の天井という言葉を使ったと感じます。本当に申し訳ないのですが、小池さんは女性だから実力をはるかに超えるレベルで評価されて都知事になった、という事実を認識しておられない。今回の結果が予想以上に希望の党にとって悪かったのは、小池さんが女性だからではない。そもそも女性のほうが有権者数が多いはずで、女性がちゃんと指示したら女性に有利な仕組みができるはず。鉄の天井が存在したのではなく、単に能力不足や考えの甘さが露呈しただけのことです。就任当初の築地移転の混乱も、能力不足を覆い隠そうとするあまりの気負いが裏目に出てしまったように思います。都知事というのは私の知る限りにおいて、人材に恵まれていません。毀誉褒貶はあるけれど、石原さんぐらいですかね、まともにできたのは。本来は優秀な職員たちをいかに気概を持たせて働かせるかだけに腐心すればいいものを、能力を過信すると余計なことをしてしまって、組織や都民に大きな損害を与える。それでも都の財政規模は巨大で税金も企業からがっぽり入るから、問題が表面化しにくい、それだけです。言い方は悪いけれど大過なく過ごすだけなら「だれでもできる」ポジションなのですが、本当はいろいろな問題が山積していて最後の瞬間に合理的な判断を求められるポジションが都知事です。だからこそ真剣に向き合ってもらわないと困るわけです。その意味で、今回の一連の小池氏の行動は都民だけでなく、女性全体にも弓を引くものであったと思います。

投票率の低さは非常に懸念されます。台風という悪条件があった点は考慮しなければなりませんが、それでも約半分の有権者が投票していない。投票しなかった方は、結果に対する白紙委任を行ったと同じことです。自分たちが今後4年間は政治や経済に対して文句を言う資格はないということを改めて認識してもらいたいと思います。もちろん、そもそもが議員を選ぶという行為は特定委任ではなく包括委任なので投票しても個々人の意図と違う国会での議決行動がなされることはあります。しかし、投票することはそうした行動に対していつでも次の選挙以降は反旗を翻す用意があるという意思表示でもあります。棄権は無関心の表明であり、反旗を翻す心づもりもないということであります。その辺の違いは結構重要だと思うのです。

ワタクシはいまでも小選挙区制度には反対です。一般に言われるように死票が増えるだけではなく、トップ政党に圧倒的に有利だからです。弱小政党は限りある資源を有効活用するため、候補者の数を勝てるところに絞らざるを得ません。多くの選挙区では、投票先の選択肢が非常に限られてきます。残念なことに選挙区選挙は候補者の中から選ばなければならず、候補者を立ててない党に投票しても無効です。今回必要以上に自民党が勝ったのは、たとえば3人しか出ていないところで自民、希望、共産だったとしたら、今回の一連の事件で希望の党に絶望的な不信感を抱いてしまった人には(コアな共産支持者を除いては)自民党しか選択の余地がない。そういうことであり、やはり小選挙区制度の下では民意は多少ゆがめられてしまうのではないか、と思います。今回の結果は必ずしも全面的な安倍政権への信認ではない、ということは認識していただきたいと思います。

そもそも論ですが、民進党が分裂した段階で、小選挙区制度に基づいて選挙をしたら自民党の圧勝になるのはほぼ目に見えていました。覚えてらっしゃるかどうかわかりませんが、小選挙区制度を正当化するのは「2大政党制」です。一大政党プラス多数小党だと、まさに上に書いたような問題で今回のような結果になるのは目に見えていたはずです。小池氏や前原氏は小選挙区制度のもとでわざわざ選挙前に党を割って自民党を勝たせに行ったわけです。ホンマモノの阿呆でなければ、二人とも自民党の陰謀の手先と言われても仕方ないでしょう。


選挙の前後を通じて、安倍政権は「デフレ脱却」は言い続けていますが、「金融緩和」については「維持」以外はっきり言っていません。マネタリーベース政策もYCC政策もある意味行き詰っていて、副作用のほうが顕著に見え始めている中で、デフレ脱却の手段は少しずつ変化しつつあるのではないかと思っています。最初のアベノミクスも3本の矢のうちワタクシが見えたのは1本目(大規模な金融緩和)だけでしたし、そもそも税と社会保障に一体改革というこれまでの方針がなし崩し的に反故にされ、消費増税は教育無償化というやや筋悪の政治目標に向かうことになるので、この政権は、簡単にころころと方針を変える政権であり、それをまたあまり問題視しない政権でもあります。どうせ支出だけ大盤振る舞いを打ち出して人気をとったうえで、リーマン級のショックという言い訳で増税延期となりそうな気がしています。まあETF買ったりしてマネーをやたら増やしたり、財源の担保をせずに歳出を増やしたりするのは、阿呆でもできますがね。アベノミクスはやはり原点に戻っていただき、そうした金融財政手段がゴールである構造問題への取り組みへの時間稼ぎに過ぎないという認識を改めて持っていただきたいものです。5年の成果は、気分を良くするという点では一定の物があったと思いますから、それを改革に生かす時期だろうと思いますし、その意味では5年以上は長すぎると思います。


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