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zoom RSS 決裁文書の改竄

<<   作成日時 : 2018/03/13 08:56   >>

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財務省側が森友学園への土地譲渡に関係する決裁文書が決裁後に書き換えられていたことを認めました。

多くの人が言っているように、この事件そのものの本質は、いろいろいきさつがあってややこしい(関西弁的な意味で)土地を、何とか財務省がいわくつきの団体に対して譲渡できた、ということであり、まあ見方によっては財務省のクリーンヒットとも見えなくはない。また、結果的に首相夫人をはじめとする様々な議員等が絡んでいて、そういうニュース性のある案件だから必要以上に取り上げられたという点もあるでしょう。まあワタクシ自身もその点については納得できないわけではない。

しかし、この事案の重大性はやはり公文書が決裁後に、明らかに何らかの事実を隠そうとして改竄されたというところにあります。公文書は事後的にその政治過程を知るうえで重要な証拠書類であり、その担当者や首相を含む責任者の評価につながる部分です。たとえは悪いかもしれないけれど、独裁政権において独裁者の悪辣非道ぶりを部下が隠すために歴史編纂者に言いつけて歴史書を恣意的に書かせるというようなレベルの話だと思います。しかも公的機関ですから「公権力の行使」、今回で言えば土地の処分行為を決裁するためのものであり、その公権力の行使が妥当だったのかどうか、国民としてはいつでも検証可能な状態にしておいてもらわないと、やはり権力の独走を防げない。刑法においても公文書のほうが私文書よりも偽造改竄の罪が重いというのは公的なところが作る文書は信用度も高く人に特定の行為をなさしめる権限を持ちうるから、そういう理由だと思います。

改竄か書き換えかという議論をしている人がいますが、どちらでも問題には大差ありません。これの違いは「作成権限」だろうと思います。作成権限者(つまり決裁権限者)が文書をいじったなら書き換え(無形偽造ないし変造)、それ以外の人がいじったなら改竄(有形偽造ないし変造)です。しかしこの問題の本質は、書き換えであれ改竄であれ、一旦決裁されてから(場合によっては決裁の対象となった処分行為が行われてから)公文書が「変化」している点であり、それがどのような意図のもとに行われたのか?ある行為やある人物に対する歴史上の評価を意図的に困難ならしめるために行われたとしたら、やはり国民の知る権利や情報公開の本質に真っ向から刃を向けるものとして、有権者はもっと怒って良いのではないでしょうか?

その背景にあったものが、単なる権力者への忖度なのか、総選挙との関連で自民党への影響をおもんばかったのか、あるいは単なる頭のおかしい人が勝手にやったのか、実はそれによってもこの事案の影響度は違ってきます。
例えば企業で、従業員が社長の機嫌を良くするために決算処理に手を加えてしまうケース。最近しばしば大企業でも見られていますが、決算書を様々な取引結果を集約した報告書と考えると、まさに今回の事案と同じです。で、企業の場合はこれは「粉飾決算」といって責任者が刑務所に行くような話なのです。粉飾だって経済実態をいじっているわけではなく、利害関係人に間違った情報を与えることで損害を与える可能性があるという点と経済社会の安定を害するということが問題になるわけです。
公文書に記載された情報も、書いた通り、それによってその時の権限者=権力がどのように考えてどういう決裁をおこなったかを検証するための重要な証跡であり、まあ通常はすぐに人目にさらされることはないにせよ、請求があればよほどのことでなければ情報公開によって開示されることになります。それを見てその権力の行使が妥当かどうかを判断して、投票行動に結びつけるのが今の民主主義です。そのプロセスを意図的にゆがめているのは問題です。しかもそのゆがめた行動の背景にあるものが何なのか?企業の例でいうと社長が怖いからとか社長の気に入られようとしてとかそういうことは十分あり得ます。しかし、その場合はやった従業員が悪いことはもちろんですが、それを漫然と経営陣が放置してしまった場合、外から見た場合、その企業は間違ったガバナンス体制になっていると判断されます。上場企業であれば、株式市場から厳しい判断が下されるでしょう。

今回の事案は「実体面」(つまり土地の処分行為が適切なものだったかどうか)と「手続き面」とに峻別する必要があります。個人的な意見としては実体面はまあ結果としてそんなに目くじら立てる案件でもないし、むしろ処分できてよかったね、ぐらいの話だったかもしれません。しかし事後的な文書の改竄あるいは書き換えがあったという部分については、それがなぜ行われたか、誰に忖度したのか、何を恐れたのかについて突き詰めていけば、今回が特別なのか、一般的に行われていることなのか、そういう結果を含めて安倍首相をトップとする行政組織のガバナンスの問題を判断する材料となります。仮に隠ぺい体質を持つ組織だとすると、上に立つものの責任は問われざるを得ない。

大げさすぎるという人も多いとは思いますが、個人的には本件は民主主義の根幹にかかわる行政の問題点として、徹底的に究明されることを望みます。


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決裁文書改ざん問題で佐川前国税庁長官を証人喚問
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2018/04/02 20:24

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