厭債害債(或は余は如何にして投機を愛したか)

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zoom RSS さまざまな意味での信頼の崩壊

<<   作成日時 : 2018/04/17 18:04   >>

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最近、過去において信頼のシンボルみたいなものがいろいろと揺らいできている。新聞については昔某新聞がサンゴに意図的に傷をつけて環境破壊記事に仕立てたことが決定的だった。それ以来新聞記事は最後の連載小説とスポーツ欄から読むようになった。一方でお役所も世の中の人々の無知に付け込んでいろいろごまかしてきたのが、某新聞の内部通報からと思われるスクープから書類を適当に改竄することがばれてしまっている。

ネット周りのニュースは、漢字の間違いや日本語のあやふやさがあまりにひどすぎてそもそも(もちろんちゃんとしているのもあるけれど)大手の新聞や通信社の名前を冠した記事ですらそのレベルなので、内容にもどうしても全幅の信頼を置くことが出来ない。週刊誌も、生活が懸かっている感があって頑張っているとは思うが、やはり煽りありきというのが印象だ。ツイッターなどは当然推して知るべしで、これほど「事実の確認」にそぐわない媒体はないはずだが(匿名性やスピード重視性、個人で複数のアカウントが作れるなど)、かつては世界の権威だった米国大統領が積極的にツイッターで毒を吐きまくる世の中になっている。昔は「活字」(という言い方すらもう古いが)はそれだけで「権威」であった。通常の人々が活字を使って意見を述べる機会などほとんどなかった時代、新聞、書籍、あるいはそれ以外のメディア、公文書、そういったものは我々シモジモが即座に足元にひれ伏すぐらいの権威を持っていた。ところがいまは逆である。ワタクシレベルの人間が決してやらないような恥ずかしい改竄や間違い、口汚い罵り合いが、コンピューター画面上であるとはいえ、活字体をつかっておこなわれている。そういう意味でもあらゆる権威の崩壊が起こっているのだともいえる。権威の失墜もここまで徹底的に行われていると、かえって頼りになるのは自分の頭だけだ、という意識が強く芽生えてきてすがすがしい。

最近話題の財務次官の下半身ネタも事実関係は謎だ。録音データは、本人の発言は本人の声であるということまでは本人が認めているものの、それを話した相手が、取材中の女性記者なのかどうかはわからない。まあ発言内容は決して上品とは言えないが、これがそれこそ安いクラブのおねぇちゃんあるいはもっと性的なサービスを提供する場所での接客相手だったとしたら、もともとそういう場所では部分的に性を鬻ぐような部分につながっていくところがある。確かに下品だけれど、そういう会話をすることが許される場所というのがあって、もちろんそういう場所に出入りするのはいかがなものか、という論点はあるが、少なくともそこで言ったのであればセクハラにはならない。まあ勤務評定上そのうち首にされることはあるかもしれないが、即座に職を失うほどの話ではない。こういうレベルでの人格とか品格とか言い出したら地位ある上の方々でも多少は脛に傷がある人も多いはずだ。だからそういう場で接客業のプロの女性を相手に言うのは、少なくとも処罰とかそういうレベルでは昼間の仕事とは切り離して考えてあげたいとは思う。

しかし仕事のカウンターパートである女性記者が相手であったとしたらセクハラになる。セクハラであれば多くの場合組織としても処分の対象となりやすい。この違いは非常に大きいので、「誰に対して」という部分を当事者が明らかにするべきなのだ。次官側が明らかにしても良い。「これはそういう場所で接客女性を相手にした発言である、そういう場所に行ったのは恰好は悪いがセクハラと言われる筋合いはない」と堂々と抗弁すればいいし、その証明として発言の相手にお願いして証言してもらえばいい。自分で言ったのなら相手とか場所とか覚えているはずだから、なぜそれを自ら証明しようとしないのか?これが第一の疑問。

逆に本当に女性記者相手だとすると、これを加害者が否定するなら被害者が被害を訴える必要がある。セクハラはそもそも「相手が嫌がることをする」「職場などの環境に悪い影響を与える」「権力や対価を前提に相手に言うことを聞かせる」から問題なので、職場以外の密室での会話であるなら、その相手(被害者)が嫌だったということ、あるいは権力や対価を前提に無理強いされた、という点を主張しなければそもそも事件となりえない、というか事件として認識できないと思う。なのに糾弾する側がなぜその辺の事実をもっと明らかにしないのか(どこで誰に対して行われた発言なのか)というのが第二の疑問である。

セクハラがなぜいけないかというと、人間(多くは女性)の尊厳を軽視し、その人の職務に対する誠実性に疑問を生じさせ、ひいては大げさに言えば業務全体、会社全体、社会全体の生産性を減じるからだろう。だからこそ、最近はどの職場でも比較的厳しい処置がとられるようになったと思う。

ワタクシの知っている会社では、男性(妻子あり)が、ある職場の女性が周りから困らされていると勝手に誤認(?)し、積極的に助けたいと思って結構しつこく話を聞こうとしたところ、実際はそんな困らされているという事実もなく、その女性から見たら単なる気持ちの悪いストーカーということになってしまった、という事件があったという。こういった事例でも結局女性の側から見て気持ち悪いということになればセクハラになってしまうということは覚えておく必要があるが、大事なのはここでその女性が誰にも訴えなかったとしたら、事件としてはおそらく認識のしようがなかった、という点である。

会社はこの場合、社員がそういったセクハラ行為に及んだ場合一般的には(セクハラであるがゆえに)本人の意向に反して事件化することはない。あくまで本人がそれについて「不快である」と誰かに申立てそれを基に会社なり上司なりがヒアリングして事実を確認し、まあ注意で終わるのか、単なる誤解で終わるのか、わからないがとりあえずそれについて当事者にきちんと説明するというアクションがとられる。やはりセクハラだからやめるようにという指示が加害者側になされた後も繰り返されるようだと、それこそ「懲戒」の問題になる。つまりやはり最低限「被害者」が申し立てることによってしか事件は生まれないし、その結果としての事実確認が行われないとその後の対応も生まれない。今回のように被害者本人も特定できていない中で、メディアがセクハラがあったと主張しているだけである。情報操作して特定の人物を陥れる工作をしたという可能性は排除できていない。

今回の録音事件で不可解なのは、何となく次官をやめさせようとする力によってセクハラ問題が取り扱われているように感じることである。次官は、録音が自分の言葉であることを認めたものの、明白にこの女性記者に対するものであることを否定している。女性記者と次官とのどちらを信用するという問題ではなく、事実関係があいまいなままでメディアの力で世論が形成されそれが辞任など職業にかかわる話となっていく状況にワタクシは非常に怖いものを感じる。会社であれば、加害者や被害者の役職が重要かどうかにかかわらず加害者に責任を負わせるような懲戒あるいは事実上の懲戒に至る場合は、必ず事実関係を確認する。次官の任命権者は大臣である。大臣が事実関係をきちんと把握して初めて「処分」が成り立つ。その意味で被害者はきちんと財務省の用意した弁護士、それが無理なら自分で弁護士を立てて、事実関係を訴えて、処分を望むべきだろう。

もちろん訴え出れば記者としてその後の取材活動がやりにくくなるという不利益はあるかもしれない。しかしそれはどんな事件でも被害者と加害者との関係において起こり得る話であり、職場だってその後加害者が同じ職場にいれば形式的な話はしても本気で仕事でかかわり合いたいとは思わないだろう。周りもそういう風に気を遣うだろう。本件で一番気になるのは、加害者が否定している中で、被害者が全く事実について説明しないまま次官を処分すべきだという圧力がメディアや一部のかたからツイッターなどで発信されているということである。

正直言って、前川氏も福田氏もそういう場所に行っているとか、そういう言葉を吐いているとか簡単に証拠に残されること自体かなりわきが甘いとは思う。しかし加害者にせよ被害者にせよ人の一生にかかわりかねない問題である。セクハラ行為があったとして処分なり更迭なりあるいは事実上の処分(自主退職等)がなされるのなら、その前提としてきちんとした事実の確認(いつどこで誰に対してどういう行為が行われたか)とそれの解釈(それは(もちろん前後の脈絡も含め)セクハラに当たるのか)という認定がしかるべき権限のある者(犯罪であれば警察や検察、最終的には裁判所、職員の職務に関するものであればその組織のトップ)によってなされなければならないと思う。次官が正面から否定している事案に対し、この報道を行っているメディアや周囲がどのように対応していくのか、大いに興味があるところであるが、やはりセクハラ問題としてさらに深く追求するには、特に今回のような事実関係が十分明らかになっていない場合、被害者か若しくは事実を知る者(今回であればその事実を開示した出版社かな?)がきちんと事実を基に声を上げる必要があるということは譲れない一線だろうと思う。特に今回は被害者が女性「記者」なのだから、ハニートラップでなければ本人がきちんとそれを主張し、そのメディア企業はその記者を会社あげて権力の横暴からきちんと守っていくべきなのだ。それはむしろメディアとしての信頼を賭けた矜持ではないのかな、と思うのだが?

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