厭債害債(或は余は如何にして投機を愛したか)

アクセスカウンタ

zoom RSS 米国10年国債金利3%の含意

<<   作成日時 : 2018/04/25 08:55   >>

なるほど(納得、参考になった、ヘー) ブログ気持玉 8 / トラックバック 0 / コメント 0

最近は、金利の上昇と株価の反応が割りときちんと1日遅れでくる。金利がおおおと上昇したらその翌営業日のNYが結構大きな下げとなる。ある程度一日が終わらないと参加者は行動しにくいという部分もあるだろう。ということで、月曜日に米国10年金利が3%直前まで上昇して、まあ火曜日はお約束通り株に影響が出た。

ちょっと感覚的な話をすることをお許しいただきたい。米国10年国債の3%という数字はいくつかの意味がある。一つは、まあキリのいい数字ということである。これにどれほど重きを置いている人がいるかは疑問だが、まあそういう面もあると思う。二つ目は日米長期金利差3%という数字に近づくことだ。昔日米長期金利差が一定以上のときにオープン外債投資を行うことを繰り返すというシミュレーションをやったことがあるが、比較的収益性が高いという結果が出た。3%という金利差は一つのポイントだろうと思うし、そういうことをおっしゃっている評者もいるようだ。つまりそのタイミングで投資家特に日本からの米国債買いが期待できるということで、一旦のレジスタンスになり得るだろうという考え方である。三つ目はこれも信じるかどうかは勝手だが、10年金利の極めて長期のトレンドラインが3%近辺にあるということだ。プラザ合意以降の米国金利は一貫して長期低下傾向をたどっている。まあ米国に限ったことではないが、特に米国のチャートはきれいなトレンドラインを引くことが出来る。これまでも何度もこのトレンドラインで跳ね返されてきたので、今回も止まるだろうという考えである。

世界的に潜在成長率が低下し続けているという仮定のもとではこの3つ目の考え方はそれなりの根拠を持つだろう。つまり経済が高い金利に堪えられなくなってきており、その耐えられなくなる発火点がどんどん下がっているということである。そして耐えられなくなった時に金融緩和を行うし、また安全資産への逃避が起こるので、国債金利は再び下落に転じる。一方でまだ政治の世界やマクロの世界では「成長神話」が残っている。前と同じ以上の成長の素晴らしい世界に戻すためには、そうした転換点で思い切った大規模な金融緩和をする。実際リーマンショックのあとはやりすぎるぐらいやったので、いまはその「正常化」の局面であるといわれているが、いずれにせよ戻り局面でも結局のところ潜在成長率の低下という壁にぶつかり金利はまた反転することを繰り返す。

GDPは経済が生み出した付加価値の総和ととらえられるが、技術革新によって「人間」が生み出す付加価値は減っている。機械が人間の仕事を代替する分野が増えるに従い、それによって競争のなかでデフレ圧力が生まれると同時に人間への配分が減る。技術革新とは必然的にデフレを生む。機械で代替できないプロダクト、サービスのみが価格競争から自由でいられるが、その供給は限られ、またそれは日常消費と異なるものやサービスであるため、大量消費には向かない。例えば、JRの超豪華列車旅などはまさに非代替的体験を人のサービスによってもたらすものであり、それが故に非常に高いマージンを獲得できる(個人的にはバカらしいと思うレベルの高さだが)。新たな分野のサービスが技術革新によって生まれるにしても、それは本来的に機械やテクノロジーを使った革新であるがゆえに、直ちに価格下落競争にさらされる。デフレの悪魔はなかなか追い払えない。

というわけで、3%に到達した米国の長期金利は、若干損切などの需給要因でオーバーシュートする可能性はあるが、経済からは本質的にトレンドを変えることはないと思っていて、最終的には需給が金利のキャップとなるだろうと思っている。

ただ、今回の懸念は大統領である。これまでの大統領とはかなり異質な考えを持っていて、軍事的オプションや良くわからない支出を平気で実行してしまうかもしれない。その際の米国に対する信用問題が出てきてそれが金利上昇要因になる可能性がある。とはいえ、世界中でマネーが余っていて、逆に軍事的には依然として最強の国家である米国は、資金の置き先としては非常に安心感があることも事実である。日本のように弱いくせに野放図に財政支出を、しかも成長に結びつかない年寄りや復興地域に、ばらまいてしまうような国に比べて、米国のほうがまだまし、という考え方は投資家の間には結構強いのではないか、と思っている。少なくとも0.0ナンボ%の国債に逃避する気はないという投資家がほとんどだろうとおもうのだが。
(個人の意見です。)

テーマ

関連テーマ 一覧


月別リンク

ブログ気持玉

クリックして気持ちを伝えよう!
ログインしてクリックすれば、自分のブログへのリンクが付きます。
→ログインへ
気持玉数 : 8
なるほど(納得、参考になった、ヘー) なるほど(納得、参考になった、ヘー) なるほど(納得、参考になった、ヘー) なるほど(納得、参考になった、ヘー)
ナイス ナイス ナイス ナイス

トラックバック(0件)

タイトル (本文) ブログ名/日時

トラックバック用URL help


自分のブログにトラックバック記事作成(会員用) help

タイトル
本 文

コメント(0件)

内 容 ニックネーム/日時

コメントする help

ニックネーム
本 文
米国10年国債金利3%の含意 厭債害債(或は余は如何にして投機を愛したか)/BIGLOBEウェブリブログ
文字サイズ:       閉じる