言葉のニュアンスの重要性

ニュースがインターネットを中心に流布されるようになってから、非常に気になっていることがある。それは記事の日本語の質である。

自分自身の文章も偉そうなことは言えない。中身も大したことがないし、そもそも勘違いしている面も多々ある。でも同じようなレベルで、一応商業ベースメディアと位置付けるヤフーニュースをはじめとして、現状は「誤字は当たり前」、「意味の通じない文章」も多いし、しかもそれが大手メディアの名前で出ているので、隔世の感がある。昔は国語の教材で朝日新聞の天声人語が用いられたり入試に出るとか言われたりした時代があった。基本的に紙メディアの時代は、速報性がない分だけ、じっくり専門家が校正とかかけていたのではないかとおもう。(なお、朝日新聞の記事全般の内容についての支持を表明しているわけではない。)今はおそらくだが、アマチュアの書いた記事がそのままネットに掲載されるか、せいぜい甘いチェックを経て出てくるかなので、そういうことが起こり得るのだろう。そういう若い世代主体のメディアになっているとしたら、まさに「校正おそるべし」である。

しかしながら、誤字や意味不明の文章はまだ罪が軽い。大概明らかに間違いがわかるので、大きな問題にはならないからだ。それよりも罪の重いのは「ニュアンスの誤用」である。

今日ヤフーヘッドラインを見ていたら
「正恩氏 トランプ大統領に警告」
という見出しが躍っていた。

この見出しの意味する事柄はなにか?書いた人は意識しているのかどうかわからないが、金正恩氏のほうがトランプ大統領よりも権力構造上上位にあるということである。「警告」とは権力構造上上位にあるものが下位にあるものに対して発するものである。スポーツの試合では警告を発するのは常に絶対的な判断権限を持つ審判である。法律面でも警告を行うことが出来るのは厳密に言えば法的な執行権力を持つ警察だったり行政機関だったりする。間違ってもその逆のシモジモから警察へのいちゃもんとかヤクザから行政へのクレームを「警告」ということはない。その意味で非常に違和感があった。つまり上記の見出しは金正恩氏(北朝鮮)がすでにトランプ大統領(米国)より権力(パワー)の実際の行使において上位にたった、ということを意味する。もちろんもしかしたら戦争したら北朝鮮のほうがアメリカより強いと思うということであえてこういう書き方をしたのなら十分に理由のあることだと思う。ただ、我々は日本や韓国はさておき、現状ではさすがに本気で戦争したらもしかしたら米国に犠牲が多少出るかもしれないとしてもその段階で北朝鮮が国ごとなくなるだろうと思っている。多分それはほぼコンセンサスに近いだろうと思う。その中であえて上記のような見出しをつけた人は、やはり「警告」の持つニュアンスを正確にとらえていないと思う。

まあ、そんなことに目くじら立てなくてもいいというのもまた一つの真実ではあるが、どうも結構言葉尻にこだわるワタクシとしてはもうそういうのを読まされるとムネがドキドキして仕事にならないぐらい動揺してしまうのである。同時に同じ日本語を使っている者同士のあいだで今後コミュニケーションが困難になってくることが弊害として挙げられる。特にちょっと精神的に不安定な方がたまたまそういう言葉のニュアンスの誤用を行ってしまう、あるいはその逆の方向性のことが起こってしまうと、結構面倒なことになるというのは最近実感した。すでにツイッター界隈では、言葉のニュアンスのとらえ方で激しい言い争いになっていたりする事例が多発しているように思う。やっぱり国語教育の重要性とか、しっかり本を読んでほしいとか改めて思わざるを得ないのである。

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