厭債害債(或は余は如何にして投機を愛したか)

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<<   作成日時 : 2018/08/28 08:57   >>

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スルガ銀行に関する日経の記事を引用させていただきます。
https://www.nikkei.com/article/DGXMZO34655350X20C18A8000000/?n_cid=NMAIL007
文中より引用
「岡野会長は1985年に頭取に就任し、個人向け融資を主軸にしたユニークな戦略を主導した「中興の祖」」
「創業者の岡野喜太郎氏は1965年に101歳で逝去するまで経営に関わり、62年間頭取を務めた。スルガ銀のトップは世襲が慣行になった」
「15年当時、岡野会長の実弟で番頭役の副社長だった岡野喜之助氏は急拡大していたシェアハウスへの融資を止めるよう指示したが止められなかった。その直後の16年、岡野副社長は急逝した」

昔は銀行といえども個人商店の延長上にあるだけで、ガバナンスなど特別なものは何もなかったのでしょうが、多くの場合勤勉な方が創業者として立ち上げ、そして成功したところも多い。成功したところは「これでいいんだ」という思い込みを強め、必要な変化を行わないままずるずると来てしまいます。時代がよければまあそれでもぼろは出ない。まさに創業者の方が101歳まで経営に口出しできていたのはそういうことでしょう。成功体験が神話化され、組織の誰もがトップに口をはさめない状況が生まれます。今回辞任した岡野会長も1985年から頭取をやってこられたわけで、事実上30年以上実権をにぎってきた。
結局今日に至るまで創始者の孫の二人が頭取を経験しさらにひ孫が頭取を経験し現会長となっているかなり直系の世襲銀行であり、今の世の中上場企業としてはかなり異形な感じはします。

別に直系世襲であろうがなんであろうが、結果として立派な経営をしていればいいのだけれど、今回明るみになったのはやはり「どこかで道を間違えてしまった」ということです。リーダーが正しい道に導けなかったということです。スルガ銀行の事例は、今後またいろいろ出てくるでしょうが、ワタクシの経験とか想像を働かせると、そこに至る過程において、ありがちな話ですが、トップ(創業家)に恥をかかせてはならないという強い動機が働いてしまった可能性があると思いますしそれは人事上の評価体系とも絡んでくると思います。

えてして世襲を含む閉鎖的な経営主体においては、人事の評価も基準が明確ではない。端的に言えば創業家や権威者に何らかの理由で「好かれる」人が引き上げられ出世する。そしてその好かれ方としては、そういう権威者たちに「心地よくなってもらう」ということが最も効果的である場合が多いように思います。経営者にとって最大の心地よさとは経営している会社がうまくいき評価されることです。そして自分の立てた計画がきちんと実行に移され、それが達成されることです。こうした「良い姿」をきちんと見せてくれる部下こそ、トップに好かれる人となります。過去3年ほどの計画がなかなか未達であった時に、ちょっと目標の立て方をいじって翌年頑張って達成したことにしてしまう。トップの引退の花道をうまく作る。結局そういう人は会長になって引き続き実権を握るわけですから、そうやっておけば引き続き経営陣からの覚えはめでたく、役員ぐらいまでは昇進できる。創業者が長年そういう環境のもとで経営してきたら、それが当たり前になり、それと違う不都合な真実を突きつける部下は仮に身内であっても冷遇されます。副社長が2015年にシェアハウス融資に警鐘をならしたという記載がありましたが、恐らくそれがまともな見方だったというのは今となってはわかります。しかし、創業家と銀行行内の論理としては、そんな話は聞きたくないしそんなことを言うやつはいらん、ということです。だから駿河でも副社長が急逝した・・・まああまり考えたくはないですが。

結局、スルガの事例でもトップも、多分ですが、本当の姿を知らなかったし知ろうともしなかった、場合によっては耳をふさいだということなのでしょう。しかしそれこそまさにガバナンスの欠如。そういう正しい姿がきちんと経営に報告される体制を作る事こそ、経営者がやらなければならないことであり、耳に優しい言葉をささやく者ばかりを重用してしまうと、あっという間に転落してしまう。えてして世襲のぬるま湯につかってしまうと、よほど意識を高くしないとそういう体制をつくるのは難しいのです。そういう実例を我々は目の当たりにしているのだと思います。

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