厭債害債(或は余は如何にして投機を愛したか)

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zoom RSS 日産のカルロス・ゴーン氏解任、逮捕

<<   作成日時 : 2018/11/20 18:33   >>

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流石に久しぶりに本当にびっくりしました。たまたま月曜日は休暇で家でテレビを見ていたらニュース速報やらなんやらいっぱい出てきて、日産会長のゴーンさんの他にもう一人代表取締役が逮捕されていて、あちゃー!!という感じでした。


最初は金商法の有価証券報告書虚偽記載の罪で逮捕と書かれていて、え、そこ?とか思いました。まあ記者会見などの説明を聞けば、実態は業務上横領ないし特別背任にちかいものでありますが、良く見たら間に海外子会社が入っていたりして日本の司法が入るにはちょっとひと工夫必要そうなので、日本の刑法で立件しやすい(構成要件該当性が明白な)金商法の罪で挙げたのだと思います。(ですから、やり方次第では再逮捕とかこれからあるかもしれません)。

多くの人がこの突拍子もないニュースにびっくりしたと思いますし、何らかの違和感を覚えたと思います。もちろん日産の現場からは嫌われていたという証言も多いようですが、犯罪人として立件されるとなると話は全く別です。あえて根拠もないままいろいろ陰謀論を巡らせてみれば、どうしても背景には政治ないし大きな力の匂いを嗅がざるを得ないのではないか、と思います。

諸説ありますが、半分冗談めいたものも含めて整理すると、一つの説は政治的に困難な問題が登場した時にわかりやすいスキャンダルで国民の目くらましをしているのではないか?ということ。例えば過去の森友学園事件とかのときも芸能人関係の話が出たり、てなことはありましたね。まあ確かめようのない話ではあります。

二つ目は米欧関係とりわけ最近のアメリカとフランスの関係悪化によるトランプからの意趣返しという説。ゴーン氏がトップであるフランスのルノーは日産に比べて業績はいまいちで、その割にゴーン氏が役員報酬貰いすぎているという議論はこれまでもフランス国内であったようですが、それはともかく、フランスにとってゴーン氏の逮捕は痛手であることには違いないでしょうし、ルノーの株が暴落すれば大株主であるフランス政府にとってお金の面でもつらいことになる。でもこれもまあ確かめようがない。

日産という会社としての立場で言えば、ゴーン氏の独裁に対する計画されたクーデターということには違いありません。会社ぐるみで検察と結びついて代表取締役である会長ともう一人を逮捕させたわけですから。当然ここに至るまでには、内部告発なり何かがあったわけでしょうが、これをベースに穏便に(たとえば辞任とかで)済ませることなく、逮捕にまで至らせたという点が「クーデター」(しかも無血とは言えない)であり、その意味では日産ないし日本政府としてのこれからに対する強い意志を感じさせます。
ゴーン氏は親会社ルノーのトップでもあるわけで、親会社しかもフランス政府の関係企業のトップを子会社が逮捕という形で失権させたことになる。ルノーやフランス政府との関係における今後の選択肢は少ないでしょう。フランス政府系企業のトップを日本の公権力が逮捕したわけだから、事前にフランス政府には仁義はきってあるという風に見るのが妥当で、事案的にはフランス政府的にも異論をはさめないレベルの不適切事実が証明できるということなのだろうと思いますが、それにしても、今後ルノーとの関係を清算するというところまで踏み込んでの話なのか、その点は非常に興味があるところです。

現在はルノーが日産の約45%を保有する大株主であり、一方で日産はルノーの15%程度を保有しているが、会社法の規定で、ルノーが4分の1以上保有している日産はルノーに対する議決権を行使できない(要するに子会社経由で自分に有利な議決権行使を行うことになるため)。逆に日産がルノーの株を10%買い増せば、ルノーが日産の議決権を行使できなくなると、私のおぼろげな記憶ではそうなっているのですが、そういう流れ(あるいはそういうポーズだけでもいいのではないかと思いますが)を経て、ルノーの影響力を失わせて最終的には(お互いの株を交換して)提携解消に持っていくのではないか?という見方もあります。

ところで、今回は会社との司法取引により、トップの逮捕にまで至ったといわれていますが、一体だれのどの部分の犯罪容疑を減免する約束があったのかははっきりしていません。とりわけ疑問に思ったのは、今回の逮捕容疑が有価証券報告書虚偽記載の罪であるならば、これってもしかして身分犯じゃないか(つまり虚偽記載できるのは責任者とその担当者のみ)ということで、ゴーンさんとかもう一人の人とか虚偽記載された報告書の作成や提出責任者なのか?つまり虚偽記載の罪の犯罪主体となり得るのかとちょっと疑問に思っていました。もちろん会社全体あるいは経営陣全体がその責任を負うという言い方はできるのでしょうが、この二人だけを逮捕する根拠って何だろう?直接作成担当者に手をまわして不実記載させたということなのか?その辺が興味あるところです。法律に詳しい方がいらっしゃれば是非ご教示願いたいところです。共同正犯の理屈とかで行くんでしょうか?

とはいえ日産にとって本件はマイナスだけではなさそうなことです。今は日産のほうがルノーより稼いでいるわけで、ルノーとの提携を解消してルノーの持ち株がなくなれば、株主にとっては還元率が上がるかもしれない。まあようわかりませんが、会社としての士気の上昇やいろいろな面も含めて必ずしもマイナス面だけではないとは思います。ルノーと日産の株価変動の差がそれを如実に表しているかもしれません。

それにしても、形式的なガバナンス体制のなんと無力なこと。もちろんトップの「犯罪」はなかなか防ぐのが難しいのも事実ですが、こうしたことをきっかけに、すこし「形式」からの旅立ちがみられることを祈りたいと思います。

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