銀行券改刷

お札のデザインが変わるそうです。
https://nlab.itmedia.co.jp/nl/articles/1904/09/news066.html

なんでまたこの時期に、という声はいっぱい上がりそうですが、元号が改まるということは伝統的に社会の気分を変えるという意味もあるわけで、普段使うお札のデザインが変わればやはりちょっとは気分も変わるでしょう。新たにお札に描かれる肖像はこのところは明治以降のどちらかというと実務家寄りの方であり、大げさに言えば、国の体制がトップダウン(官主導)からボトムアップ(民主導)に移っていくことを意識しているのだろうと思います。

ただ、改刷はそんなに単純な動機だけではないとみています。もう一つ多くの人が考えるのが、退蔵紙幣のあぶり出しです。お札が切り替わるとき、旧札は何年かすれば利用の際かなり奇異な目で見られます。そして、そうなってからまとまって銀行に持っていこうとすれば、またこれはマネーロンダリングとの関係で、いろいろと、痛いか痛くないかはともかく、腹の中を探られることになります。(もちろん今でもまとめて現金をもっていけばそうでしょうけれど、その疑わしさはさらに増幅するでしょう)。さすがに旧札の強制通用力は失われないとしても、早い段階で手元から処分するという動機付けにはなりそうです。その際に、ある程度別のところ(別の資産購入や大きな消費など)に用いられて、間接的に景気の浮揚につながるかもしれません。

マネーロンダリングといえば、ご存知の方も多いと思いますが、今年10月にはFATF((テロ資金対策)金融行動タスクフォース)の第4次対日相互審査が行われます。FATFとはテロ資金対策つまりテロ組織等に資金がわたるのを防ぐ仕組の構築を協議する政府間組織で、お互いに参加国の状況を審査する(相互審査)ことで進捗度をチェックする仕組みなのですが、これまで日本のテロ資金対策は大甘だとして、ぼろくそに言われてきました。およそ10年前の2008年にブラジルで開かれた(笑)FATF総会で第3次相互審査の結果が出され、日本は加盟国のなかでビリから5番目、先進国の中では堂々のビリだったのです。その後も結果の芳しくなかった国々に対するフォローアップが行われたものの、日本だけは依然として先進国の中で芳しくなく、迅速な立法措置を促す声明が出され、その結果として2014年FATF関連3法(「改正テロ資金提供処罰法」「国際テロリスト財産凍結法」「改正犯罪収益移転防止法」)を成立させるに至ったのです。しかしながらいわゆるPEPsと呼ばれる政府高官などへのチェックが遅れているほか、もともと性善説に立っている日本の金融機関のチェック体制が非常に甘いとされていて、しかも、今回の対日審査は、いくつかの金融機関などに対してFATFの係官が直接予告なしに立ち入り審査するという内容を含んでおり、個別金融機関、特に地銀、信用金庫レベルではかなり戦々恐々としているのです。

対日審査でまたどのような評価になるのか、これは国としての威信をかけてのこととなります。もしかしたら「新札」への切り替えが、退蔵紙幣をあぶりだすという意味で、何らかの対策として評価される余地もあると考えてのこのタイミングなのかな、とも邪推しました。

発表されたデザインについては、まあ人物は5000円に女性を配するのが定着した感がありますが、今後なぜ10000円がいつも男なのか、みたいな議論も出てくるかもしれませんね。あとは、数字が漢字とアラビア数字の位置づけが逆転し、アラビア数字が全面に押し出される展開で、外国人への配慮みたいなものも感じられます(しらんけど)。

いずれにしても、一定の期間をかけて改元(と、もしかしたらFATF)にあわせて準備されてきたのだろうと思います。これが狙い通りの効果がでれば喜ばしい限りです。

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