某電気自動車会社と暗号通貨

昨日米国の某電気自動車メーカーのトップの方のツイートが話題になっていました。ビットコインによるその会社の製品の購入を停止する、というものです。
https://www.bloomberg.co.jp/news/articles/2021-05-12/QT0MIXDWX2PU01
理由として、暗号通貨のマイニングにおいて膨大な電力が消費されることで今のところあまり環境フレンドリーではないので、会社としていわば公式には「使用しない」ということなのでしょう。電気自動車のウリが環境対応なので、まあそれだけであれば当然ということになります。

とはいえ、我々は皆、この会社のCEOが先日暗号通貨への投資を大々的に公表したことを知っています。会社として投資しているのだと思います。そこで、得られる結論は、この会社のCEOは、暗号通貨投資時にはそのマイニングによる電力消費問題をご存じなかったかあるいは意図的に無視した、ということです。さすがにいくらアメリカのやんちゃな人が集まる企業であるとはいえ、CEOの取り巻きも含めた誰一人そういうことを知らなかったとは思えません。つまり、現時点でそれに気づいた(ふりをする)ということは、電力問題を誰も認識していなかったほど阿呆の集まる企業であるか、CEOの独断専行をだれも止められないガバナンスが致命的に弱い企業、という評価を下されかねないのではないか、と思います。

「余資運用」つまり有り余るキャッシュを生かすための対象としての暗号通貨投資だったのでしょう。
https://www.coindeskjapan.com/106957/
私企業や個人が法律に触れない範囲でギャンブルすることに外部の人間がどうこう言うのも差し出がましいとは思いますが、ただ、上のリンクの説明では「顧客との決済」による暗号通貨の取得というのを想定しており、今後その決済に恒常的に使っていこうという意思をCFOが示しています。その舌の根も乾かぬうちに決済できなくするというのは、ちょっと責任ある企業としてどうなのよ、とか思われるわけです。さらに、やはり話題の企業が「決済利用」も前提に投資したというポジティブなニュースを流したわけですから、暗号通貨の価格に提灯が付いたことは疑いないわけですが、わずかその2か月後に儲かったから?ということで大規模に利食いしただけではなく、その後暗号通貨をDisって決済利用もやめさせるというこのマッチポンプというか思想的な混乱というか、ちょっと組織としてあるいは人として大丈夫なの?という印象すら持ちます。

もしかしたら、2月の暗号通貨投資時点ではCEOの決定を止められなかったものの、環境問題やESG問題に造詣の深い社外取締役などがきちんと指摘して方針を転換させたという、ガバナンスが効いている事案なのかもしれないと思いつつも、いずれにしてもこの某自動車メーカーの現執行部があまりにも認識が甘いというか適当すぎるというかやんちゃすぎるというか、そういう印象しか持てません。環境問題って非常に長期的な視点でなおかつ様々な複雑に絡んだ社会の利害調整が必要なのですが、このように認識不足で近視眼的な経営陣が環境問題を語ること自体非常に不安なものを感じます。

米国では、時折とてつもなく知識や哲学が不足した人物が政治や経営等の要職に就くこともあり、それはまたアメリカの持つダイナミズムという点で完全に否定されるべきものでもないとしても、世界最高の軍事力を持つ国の体制として時々こうやって不安にさせてくれます。日本としても、そうした国に完全に盲目的に追従するのではなく、自分なりの哲学と意見をきちんと持って議論したうえで、協力していかなければならないと思います。

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