厭債害債(或は余は如何にして投機を愛したか)

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zoom RSS クレジットデリバティブと引当金の関係

<<   作成日時 : 2007/04/04 06:55   >>

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融資実務については素人ですから、ご存知の方がいればぜひご教示願いたいと思って書いています。

いまはCDSのマーケットがあって、たとえばJALのケースでは5年のプロテクションが250bpとかいう水準で取引されているわけですが、これは毎年想定元本(つまり保護したい元本額)の2.5%を毎年払い続ければそのローンならローンの元本が保護されるということです。そして一定の信用事由(元利金返済不能など)が発生した場合、プロテクションの買い手(つまり2.5%を払っているほう)は当該ローン(あるいは契約書で指定される同じ債務者の別の銘柄)をプロテクションの売り手に引き渡して元本相当額を受け取ることで損失を免れる。これが基本的な仕組みだと理解しています。

であれば5年のJALに対するローンを持っていても、基本的に(譲渡禁止特約でもついてない限り)大雑把に言って2.5%x5年=12.5%を払うことで損失はカバーできるのではないかと思います。

ところが、新聞などでも報道されているように、「ハケ」(毛髪の薄い人々に対する失礼な言い方ではなく、破綻懸念先のことをしばしばこういうらしいのですが)に分類されるとおおむね70%の引き当て(つまり当期の損となる)を必要とする。ここでプロテクションを買えば損失を12.5%に限定できると思うのですが、間違ってますでしょうか?もちろんクレジットデフォルトスワップも相手先があることであり、相手先の信用度によってずいぶん違うでしょうけれど、少なくとも、引当金よりは安いコストでヘッジがかかるはずです。

ヘッジ会計が適用しづらい(ローンそのものの市場価格が明確ではないのでヘッジ効果が明確でないでしょうから)ということもあり、実際には会計上はプロテクションを買っていても余り意味のないことになるかもしれませんが、実体上はそれで損失はカバーされているわけです。

であれば、会計的な制約や行政の介入から逃れたいローン債権者が売却してしまいたいという誘惑に駆られ、そこに目をつけた外資系金融機関などが多少安めに買い取りのオファーを出してディールが成立するということもありなのだろうな、と思ったりしました。じっさい3月ごろそういうオファーもあったという話を聞きました。

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コメント(4件)

内 容 ニックネーム/日時
破綻懸念先V分類の引当は無担保部分の70%程度としている銀行が多いです。(有担部分まで引き当てている銀行もたまにはありますが、そのようなときには自明の通り引当率は下がります。)
担保のポジションはそれぞれの銀行によって当然違うのでLGDがわからないと上記の記載がpayするかどうかは分かりません。
例:JAL保証のエアクラフトファイナンスだったとしても、飛行機の価格は確保されているので、そこには引当がいらないだろうというのはイメージできると思います。
ぽん
2007/04/04 07:45
ぽんさん、コメントありがとうございました。たしかに担保部分には引き当てを必要としないというのは納得できます。あと、ある程度確実に見込めるキャッシュフロー部分も回収可能額と見込むという話も聞いたことがあります。いずれにしてもそういうのをひっくるめると結局貸付額に対して12.5%ぐらいの損になるということなのでしょうか?この辺の関係がいまいちまだぴんと来ません。
厭債害債
2007/04/05 00:27
CDSでプロテクトした場合、5年間で(12.5%-貸付利子総額)の資金流出を伴う損失が出ます。しかも5年間の分割支払い可。つまり年2%弱の損。
自己資本比率算出においてCDSでプロテクトすれば、CDS取引先の信用リスクを新たに負いますがトータルで信用リスク減となることは法令に記載されているので、金融庁検査でも保全が効いていると見なして貸倒引当金を積まないことを当局も認めるはずです。
ただし、貸倒引当金はキャッシュアウトを伴わない損失ですので立ち直れば将来の利益になりますし、多くの銀行は不良債権比率も下がり、貸出が伸びない中、貸倒引当金取り崩し益を計上しているので、日航との取引が今後とも続くことを考えれば取り崩し益が減るだけで損失と認識せず、引当金を積む方法を選択するかもしれません。
ただ主力行は貸出額が多額なのでCDSによるプロテクトも併用するでしょう。
あとは、行政リスクやレピュテーションリスクが怖いですけど、サブプライムのように、流動化商品に薄く広く混ぜてしまう方法があります。
shittakaburi
2007/04/05 20:08
shittakaburiさん、コメントありがとうございました。ただ、ワタクシがその後聞きまわったところでは、CDSと自己査定は別腹というか、まだ金融庁がそのような保全の効果を認めてくれるかどうか確信がないので、一応会計士の顔色も伺いながら引き当てるというところがまだあるように思いました。一方で金融機関の体力が回復してきたこの時期だからこそ、引き当ての話が出てきたという見方もありますが、本当のところはどうなんでしょうねぇ?
厭債害債
2007/04/06 06:31

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