厭債害債(或は余は如何にして投機を愛したか)

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zoom RSS グリンスパン氏の金利予想とFEDの政策

<<   作成日時 : 2007/09/25 18:13   >>

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グリンスパン氏の回顧録で今後四半世紀における米国10年金利レベルについての予想があった。
基本的な認識として、これは私もまったく同意見だが、過去四半世紀における安い労働力のインプットによるディスインフレ圧力はすでに過去のものになり今後は労働コストが上昇し、さらに原材料価格の上昇(彼はエネルギー価格に関して一章を割いて述べている)により、インフレは上昇することを見通している。さらに実質金利はアメリカにお金が集まりにくくなることから上昇すると見ている(一応、日本や中国の巨額の外貨準備による米国債保有が現象しても「大して影響はない」ということだが)。
彼の大まかな見立てとして、実質金利が過去の平均値(2.5%)から1%上昇し、インフレ率が4.5%程度に上昇することから、10年の名目金利の水準として8%というのが一つのめどだという。もちろんインフレがさらに上昇すればこれ以上の上昇もありうるという前提だ。

報道によると、UAWに率いられてGM労働者が9年ぶりにストを打ったようだ。それほど経営が良くなったとはいえないGMの労働者がこれほど強く出てしまう背景には、おそらく米国内での労働者不足があるのだろう。労働指標は経済の悪化に遅行する。現状は信用バブルの崩壊の初期段階であるし、もちろんGM労働者やUAW幹部がこのようなことを配慮するわけが無い。いずれにしても、利用可能な労働者や資源の減少によるインフレ傾向を示唆する一つの話である。

前のエントリーでも書いたように、NYなどの体感的景気はまだまだホットであり、ホテル代もかなり高止まりしている。国内がサブプライム問題で多少停滞しても、今はお金を持っている主体が産油国であったり新興諸国であったりするわけであり、かれらが「憧れの国」米国に出かけてきてお金を使ってくれるのである。私の予想ではサブプライム問題に端を発した信用収縮は実体経済に間違いなく影響を及ぼすものの、その影響は諸外国からの投資や消費によってずいぶんと緩和されると考えている。

この中で行われた先週のFEDによる50BPの利下げは、ワタクシのドタ勘予想通りだったとはいえ、インフレという面では心配な要素となった。現実にその後商品先物市場に資金が流入しており、過剰流動性が残る中での利下げであるということを印象付けた。本来は利上げも考えられた環境での利下げは、その下げ幅から見ても「何とかこれでおちついてくれ」というFEDの「懇願」に近い気持ちを読み取るべきだろう。信用収縮の問題はいずれにしても利下げで解決される問題とは思えない。あくまで時間稼ぎである。しかしその時間が徒過して問題がさらに深化してしまった場合、次の金融政策の打つ手はきわめて難しくなってくるだろう。

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