厭債害債(或は余は如何にして投機を愛したか)

アクセスカウンタ

zoom RSS 本当は怖い「劣後」のお話(追記あり)

<<   作成日時 : 2007/12/19 21:20   >>

ブログ気持玉 0 / トラックバック 0 / コメント 2

今日のロイターの「トピックス」でRPテックの八須賀雄氏が「地銀劣後債の危機」という記事を書いておられた。おりしも別のソースでイギリスで例の取り付け騒ぎを起こしたノーザンロックの劣後の格下げ(B1へ)のニュースを見ていただけに興味深く読ませてもらった。
かいつまんで言えば、最近メガバンクをはじめとする劣後債のスプレッドが拡大(絶対金利水準すなわち国債金利の低下が主な原因)しているため魅力的に移り、投資家からのニーズがまた増しているが、メガバンクはともかく地銀には今後「金融機能強化法」の重要な規定(時限立法)の期限切れもあるのでこれまでのように破綻がないという前例が通用しなくなるケースがありうる、ということである。つまり今後は同じ銀行でも個別にかなり厳しく見ていく必要がある、と内容である。

劣後だからリスクがうんと高くて当然でしょ?という当然の疑問をお持ちのかたも多いかと思うけれど、これまで銀行の劣後債はシニアの一つ下の格付けがつけられることが多く、市場の認識は「ちょっとだけリスクが高いけれどまあ大丈夫だよねぇ」って言うところだろう。実際これまで邦銀でシニアが救われて劣後が救われなかったケースはないと思う。であればシニアのリスクが取れる相手であれば、少しでも利回りの高い劣後債で運用しようという動機が働くだろう。

しかしながら、今後はシニアと劣後で股割きのような事態が生じるケースが現実化する可能性がある。英国のノーザンロックがそうであったように、シニア債務の部分は決済メカニズムの問題に影響があるといけないので、いざとなれば公的機関が乗り出してくる可能性が強い。ノーザンロックではシニアは政府保証となった。ところが劣後の部分は逆に損失を負担してもらう必要がより強く出てくる。それでなければ納税者が納得しない。というわけでノーザンロックの劣後はジャンクの下のほうに格下げとなっているしだいだろう。

決済システム維持について政府が関与することへの期待は他のところにも顕著に出ている。シティグループ(金融グループ)よりもその傘下のシティバンク(銀行そのもの)が格付けが一つ上になっているのはそのためである。

日本ではサブプライム問題が比較的軽微だから取り付け騒ぎが今すぐ起こるとは思えないが、長期にわたる劣後債の投資期間の中にどういうことが起こるかわからない。シニアは政府保証、劣後は切り捨て、という厳しい区別がこれからは起こりやすくなると考えたほうがいいだろう。その前提で今後は特に地銀以下の金融機関について劣後、メザニンなどのプライシングがこれまで以上に厳しくなるのではないかと思われる。

テーマ

関連テーマ 一覧


月別リンク

ブログ気持玉

クリックして気持ちを伝えよう!
ログインしてクリックすれば、自分のブログへのリンクが付きます。
→ログインへ

トラックバック(0件)

タイトル (本文) ブログ名/日時

トラックバック用URL help


自分のブログにトラックバック記事作成(会員用) help

タイトル
本 文

コメント(2件)

内 容 ニックネーム/日時
感覚的の言い方なんですが、この差ってもしかしたら、発券銀行=国策金融機関(いろんな意味でね、もう死後ですかね)の破綻前(あっすみませんひとつは破綻せずに統合しましたが)のスプレッド差(もしくは格付け)なんてものと同じでしょうか。まー最後は(いろんな裏のオペレーション含め)公的資金だった気がしますが、当時のマスコミがもてはやした市場経済のすばらしい国も含め、やっぱりどこの国も一緒ですかね。
金融債は紙くず
2007/12/21 00:34
「金融債は紙くず」さん、コメントありがとうございます。多分おっしゃるとおりかと思います。救済されるかどうかの色分けがだんだんはっきりしてきてそれに応じたスプレッドがついてくるということですが、日本の場合はスプレッドの広がりが感度が鈍いかもしれませんね。
厭債害債
2007/12/22 01:27

コメントする help

ニックネーム
本 文
本当は怖い「劣後」のお話(追記あり) 厭債害債(或は余は如何にして投機を愛したか)/BIGLOBEウェブリブログ
文字サイズ:       閉じる