厭債害債(或は余は如何にして投機を愛したか)

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zoom RSS バールのようなもの・・・

<<   作成日時 : 2015/10/22 07:32   >>

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過去にニュースで幾度となく「バールのようなもの」が犯罪に使われたと聞くたびに、バールさんのその不安定な地位に思いを馳せ一人涙していたのですが、現在では身分はかなり安定してきているようです

(以下NHKウェッブニュース10月21日12:53から引用)
「関東・東北豪雨」で大きな被害があった茨城県常総市で、ドアなどをこじ開けるためのバールを持っていたとして、40歳の男と少年の2人が逮捕されました。2人が乗っていた軽トラックにはタイヤが積まれていて、「水没した車から盗んだ」などと供述していることから、警察は窃盗の疑いでも捜査を進めています。
逮捕されたのは、茨城県下妻市大木の無職、坂入宏治容疑者(40)とアルバイト店員の19歳の少年です。
坂入容疑者らは21日午前0時半ごろ、常総市三坂町の路上に止めた軽トラックの中で、正当な理由がないのにドアなどをこじ開けるためのバールを持っていたとして、特殊開錠用具所持の疑いで逮捕されました。調べに対して、坂入容疑者と少年は容疑を認めているということです。
軽トラックの荷台にはタイヤ2本が積まれていて、2人は「水没した車から盗んだ」と供述していることから、警察は窃盗の疑いでも捜査を進めています。
常総市内では、先月の豪雨で浸水し、住民が避難した住宅から現金や車のパーツなどが盗まれる被害が相次ぎ、警察がパトロールを強化しています。
(引用終わり)

もはや「バールのようなもの」ではありません。「バール」です。
「特殊開錠用具の所持の禁止等に関する法律」なるものが平成15年に施行されたことで、一定のサイズを満たす「バール」は「指定侵入工具」として規制対象となりました。もう法律上明確に位置づけられており、その立場は不動になっています。いまは堂々と「指定侵入工具」として法律上の地位を得たことになります。もう「バールのようなもの」などとは言わせない、というバールさんの盛り上がり方が手に取るようにわかります。

ところで法律の定め方はなかなか微妙です。

特殊開錠用具の所持の禁止等に関する法律
第二条 三  指定侵入工具 ドライバー、バールその他の工具(特殊開錠用具に該当するものを除く。)であって、建物錠を破壊するため又は建物の出入口若しくは窓の戸を破るために用いられるもののうち、建物への侵入の用に供されるおそれが大きいものとして政令で定めるものをいう。

第四条  何人も、業務その他正当な理由による場合を除いては、指定侵入工具を隠して携帯してはならない。

同法施行令
(指定侵入工具)
第二条  法第二条第三号 の政令で定める工具は、次に掲げるものとする。
一  次のいずれにも該当するドライバー
イ 先端部が平らで、その幅が〇・五センチメートル以上であること。
ロ 長さ(専用の柄を取り付けることができるものにあっては、柄を取り付けたときの長さ)が十五センチメートル以上であること。
二  次のいずれにも該当するバール
イ 作用する部分のいずれかの幅が二センチメートル以上であること。
ロ 長さが二十四センチメートル以上であること。
三  ドリル(直径一センチメートル以上の刃が附属するものに限る。)

あろうことかバールあるいはバールのようなものはこの法律によって明確に泥棒の持ち物という新たな生命を吹き込まれてしまったのですが、バール本来の用途には「ドアをこじ開けて侵入する」というのはありません。
https://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%83%90%E3%83%BC%E3%83%AB_(%E5%B7%A5%E5%85%B7)
たまたま、てこの原理を使った作業に適しているということで、基本はくぎ抜きであり、その原理を利用した工具というのがバール氏の本質です。法律が定めるように「バールその他の工具(特殊開錠用具に該当するものを除く。)であって、建物錠を破壊するため又は建物の出入口若しくは窓の戸を破るために用いられるもの」などというのは、言いがかりも甚だしいとバールさんはまた新たな怒りを覚えているのではないでしょうか?たとえて言えば、単に腕力の強い人間を「人をぶん殴ってけがをさせる可能性の高いヤツ」と決めつけて事前拘禁するようなものです。バール氏にとって、新たな屈辱であり、到底受け入れがたいのではないでしょうか?逆にこの法律に従って「バールその他の工具で建物錠を破壊するため又は建物の出入口若しくは窓の戸を破るために用いられるのではないもの」は存在しうるのでしょうか?立法者のご意見をお聞きしたいところです。

ともあれ、バールさんはいつまでも差別される存在のようで、これからはぜひそういう差別のない世の中にしていきたいものです。以上現場からでした。

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