厭債害債(或は余は如何にして投機を愛したか)

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zoom RSS 調整ないし暴落の段階論

<<   作成日時 : 2018/02/07 17:16   >>

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過去からなんどか大規模な市場の調整を眺めてきた(時には渦中で死にかけた)身としては、急激な市場調整ないし暴落というのはある程度パターンがあると思っています。

第一段階は、本来連携すべきものが連携しなくなった、あるいは相関がおかしくなった、それによってある資産の価格がおかしな動きを始めたという現象がみられる。つまり言葉を変えると広い意味での非合理的な値付けあるいはバブルの発生ないしは局所的な急激な価格変動です。今回のフェーズで言えば、金利差と為替などがそれにあたるでしょう。つまり米国の高金利が必ずしも米国の資産価値高騰によってサポートできなくなるレベルまで金利(の市場参加者見通し)が上がりすぎてしまったということだと思います。

第二段階は、これは極めて近代的な現象ですが、派生商品主導で(つまりぱぱっと処分したり動かしたりできる対象で)大きな動きが生じることで、「派生」商品の恐ろしいところは何らかの形で実態のある金融商品に紐づけられている(たとえば今回の暴落を加速させたといわれるVIX指数はボラティリティという変数が株式市場のオプション(本源資産として株式指数=構成銘柄の実物株式=を持つ)を経由して本源資産に伝播するわけで、そこを誰かが動かし始めたら、何らかの形で本源資産(実物の株式指数)に波及してしまいます。それがオプション市場そのもののガンマヘッジやデルタヘッジなのか、単なる合わせ切りなのか、それはよくわかりませんが、今回の下落局面の現在位置はここだと思います。

この段階が一番分析が難しいのは、様々な金融商品相互間の問題が複雑に絡み合って動きが予測しがたいからです。今回噂になっているのは「リスクパリティ」という分散投資手法ですが、むかしブラックマンデーのときにポートフォリオインシュランスという手法が下げを加速したということを覚えておられる方も多い(多くない?)と思います。要するに下げれば下げるだけ損失を防ぐためにリスクを下げる(当時であれば株の先物を売る)ということで、下げが下げを呼ぶことを助長するわけです。リスクパリティは各資産のリスク(ボラティリティ)の「量」をパリティ(均等)に置くことで安定性を確保するというのが基本で、ある資産のリスク(ボラティリティ)が上昇したらそのリスク量を同じにするためにその資産クラスを売らなければならない(あるいはボラティリティを買ってヘッジする)ということです。本日拝見した日経クイックの記事では、米国バンカメのレポートの引用として「CTAとリスクパリティ戦略は2000億ドル(22兆円)の世界株を売却している過程にある」と試算した、と書いています。
しかも、同記事によれば、三菱UFJモルガンスタンレー証券の古川氏のコメントとして「彼らは資産の組み入れ比率の調整を2週間から1か月ごとに実施することが多い」としており、となればボラティリティが高止まりしてしまえば売りが出てくるのは「これから」ということになります。但しこれもボラティリティ(リスク)がどの水準に落ち着くかということに依存します。結局、VIX指数そのものを取り扱うようなある意味ビットコインとそれほど変わらないような商品がどのような取引をされるのかは全く見当がつきません。

第三段階は、第二段階を経て相場の落ち着きどころが従前と異なり、相場の風景が全く異なる(つまり元に戻ることが絶望的となる)状態になった時、いわゆるリアルマネー(最終投資家)が資産を本格的に処分してくる段階です。もちろん合理的には価格が低くなれば買うのが最終投資家の役割ではありますが、最近では「リスク管理」のフレームワークからこういう行動が引き起こされやすくなっています。ちょっと前では債券のVarショックがその一例だと思うのですが、それがショックだけで済めばまだいいのですが、価格の低下が常態化すると、ポジションを減らさないといけなくなる。この段階が(時間軸の違いはあっても)本気で恐ろしい状態でもあり、また下落の最終局面です。

すでに述べたように現在は第二段階の半ばだと思います。
もちろんあらゆる場合にこれから先の段階に進むわけではなく、今回も、うまく調整が終わればまた何事もなかったかのように上昇基調に戻るかもしれません。リスクパリティの調整はまだ終わっていないと思われますからこのままの高いボラティリティの状況が続けばリスク調整(株の売り)は必須となってくると思います。ただ、これも過去のミニクラッシュのような状況ではボラティリティはいったん急騰してもまた思い切り低下しているケースが多く、持ちこたえられた場合は何事もなかったかのようにポジションを継続できるかもしれません。

神のご加護がありますように。

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