中国の日本国債購入
大久保勉議員が、円高と中国の日本国債購入との関係について質したのに対し、野田財務大臣が「連中の真意がよーわからん」とかいろいろ文句を言っているようですが、野田さんはちょっとまえには「投資家ベースの拡大につながる」といって歓迎していたと早速ウォールストリートジャーナルから突っ込まれてますけれど・・・いや、財政赤字GDP比200%の国の国債を外人様が買ってくださることに、財務大臣は何を文句つけておられるのかしら?
真意については、市場的には、もうすでに米国債が死ぬほどつみあがってしまった中国の外貨準備において多少の通貨分散を図りたいというのはですね、運用の現場にいる人間にとっては痛いほどよくわかる心理でして、しょうがないだろうと。結果として(当然ドルの外貨準備から円にシフトするので)円高になるというのは、確かに円高はつらいのだけれど、文句を言っても仕方ないだろうと。(中国だっていろいろ都合があるんでしょうよ)。もちろん最近のいろいろな両国の問題を総合的に考えなければならないのでしょうけれど、いざとなれば踏み倒せばいいんですから、国債ぐらいもっと買ってもらいなさい!!(冗談)
資本市場の自由化の問題についてはきちんと指摘しているようです。日本人が中国国債を買えないのに中国が自由に買えるのはおかしいとか。でも、それは、中国側の開放という一本で行くべきであり、日本側が買われるのがいやだ、というのは、不動産とかならともかく、国債についてはやっぱり変でしょうね。もちろん、不公平を感じるというなら、個人向け国債ってのがあるぐらいですから、中国向け国債ってのも出してみて、特別に劣後条項でもつけて中国居住者はそれしか買えないみたいな立て付けにでもできましょう。差別といわれても、外交関係には相互主義というのがあるので、日本人が自由に中国の国債を買えないなら、中国人だって日本の国債を自由に買えなくても良いというのが成り立つのです。買いたければ商品性の劣るこういうやつなら売ってやってもいいと。でもまあそこまで高飛車に出られるもんなら、今のような苦労はしておりませんが。この相互主義的な部分は野田さんも一部主張しておられるようですが、立場上いろいろ日本は弱いんですよね。
が、それはいいとしてもやはり「買ってくれる」こと自体にけちつけてどうするのとか思ってしまいますですよ。民間と国とは違うとはいえ、会社が自分とこの出す債券を買ってくれるお客さんに文句を言うなんてことは絶対ありませんし、そんなことを公言するCFOとかいたらさすがにクビだろうと思うんですね。たしかに、円高にすれば日本が困ってどんどん海外進出してくるだろうから、中国にも工場ができて雇用がいっぱい増えるとか、そんなことまで考えて中国はやってきているのかもしれないのですが、それはそれでリスクの高い戦略であり、将来いずれ自分たちが市場を開放しなければならなくなるときに、ショックは一段と大きなものとなるでしょう。
たしかに、この円高で政治的に立場が苦しいなかで神経を逆なでしやがってという気持ちもわからないわけではないですが、短期保有であればいずれ為替にはニュートラルになるわけですし、長期保有であれば国債の引き受け主体が増えたということでもともと大臣がおっしゃっていたように喜ぶべきことなんじゃないでしょうか?
予測不可能な変動要因となる、というリスクはあります。たしかに。しかし、これも多くの方が指摘しているのですが、現状ではそれほど目くじら立てるような状況でもないはずなんですね。投機的な動きが見えるならそれはそれで改めて指摘すればいいことです。
とはいえ、大久保議員の質問も、どうやら中国の買いを「円買い元売り介入だ」とかあおってまして、これについて、野田大臣が明示的には同意せず、為替の問題から一歩下がって答弁されたのは見識でした。
それにしても、これってFTでもWSJでも一面で扱っているんですけれど、日本のメディアは報道管制でも敷いているのでしょうかね。
真意については、市場的には、もうすでに米国債が死ぬほどつみあがってしまった中国の外貨準備において多少の通貨分散を図りたいというのはですね、運用の現場にいる人間にとっては痛いほどよくわかる心理でして、しょうがないだろうと。結果として(当然ドルの外貨準備から円にシフトするので)円高になるというのは、確かに円高はつらいのだけれど、文句を言っても仕方ないだろうと。(中国だっていろいろ都合があるんでしょうよ)。もちろん最近のいろいろな両国の問題を総合的に考えなければならないのでしょうけれど、いざとなれば踏み倒せばいいんですから、国債ぐらいもっと買ってもらいなさい!!(冗談)
資本市場の自由化の問題についてはきちんと指摘しているようです。日本人が中国国債を買えないのに中国が自由に買えるのはおかしいとか。でも、それは、中国側の開放という一本で行くべきであり、日本側が買われるのがいやだ、というのは、不動産とかならともかく、国債についてはやっぱり変でしょうね。もちろん、不公平を感じるというなら、個人向け国債ってのがあるぐらいですから、中国向け国債ってのも出してみて、特別に劣後条項でもつけて中国居住者はそれしか買えないみたいな立て付けにでもできましょう。差別といわれても、外交関係には相互主義というのがあるので、日本人が自由に中国の国債を買えないなら、中国人だって日本の国債を自由に買えなくても良いというのが成り立つのです。買いたければ商品性の劣るこういうやつなら売ってやってもいいと。でもまあそこまで高飛車に出られるもんなら、今のような苦労はしておりませんが。この相互主義的な部分は野田さんも一部主張しておられるようですが、立場上いろいろ日本は弱いんですよね。
が、それはいいとしてもやはり「買ってくれる」こと自体にけちつけてどうするのとか思ってしまいますですよ。民間と国とは違うとはいえ、会社が自分とこの出す債券を買ってくれるお客さんに文句を言うなんてことは絶対ありませんし、そんなことを公言するCFOとかいたらさすがにクビだろうと思うんですね。たしかに、円高にすれば日本が困ってどんどん海外進出してくるだろうから、中国にも工場ができて雇用がいっぱい増えるとか、そんなことまで考えて中国はやってきているのかもしれないのですが、それはそれでリスクの高い戦略であり、将来いずれ自分たちが市場を開放しなければならなくなるときに、ショックは一段と大きなものとなるでしょう。
たしかに、この円高で政治的に立場が苦しいなかで神経を逆なでしやがってという気持ちもわからないわけではないですが、短期保有であればいずれ為替にはニュートラルになるわけですし、長期保有であれば国債の引き受け主体が増えたということでもともと大臣がおっしゃっていたように喜ぶべきことなんじゃないでしょうか?
予測不可能な変動要因となる、というリスクはあります。たしかに。しかし、これも多くの方が指摘しているのですが、現状ではそれほど目くじら立てるような状況でもないはずなんですね。投機的な動きが見えるならそれはそれで改めて指摘すればいいことです。
とはいえ、大久保議員の質問も、どうやら中国の買いを「円買い元売り介入だ」とかあおってまして、これについて、野田大臣が明示的には同意せず、為替の問題から一歩下がって答弁されたのは見識でした。
それにしても、これってFTでもWSJでも一面で扱っているんですけれど、日本のメディアは報道管制でも敷いているのでしょうかね。
この記事へのコメント
私も歓迎すべきことではあっても、問題視するようなことではないと思うんですが・・・
しかし、金利的にも為替的にも、(中国側から見て)決して安値とは思えないんですが、中国の運用者さんはその辺をどう考えているのか?ぜひとも訊いてみたい(^^)
本当に戦争状態ですね。為替って怖いです。
こんな状態でも意地になって小沢さんを総理にしようと頑張っている民主党ってなんなんでしょうか。
http://www.youtube.com/watch?v=1AmpvJmtbJY
ご慧眼の通り、JGBのファイナンスについては、投資家の多様化は急務であり、思想信条は別にしても、買ってくれる方を拒む理由はなかろうかと思います。
ただ、個人的な懸念は、彼の国が共産主義であることですね。
まぁ、その懸念もボンドホルダーなんで、究極は『てへっσ(^▽^;)』と言って踏み倒せば良いだけのはなしですからね。
とりあえず、TBがメインだと思われますが、デュレーションが伸びてくると、少々嫌かもです。はい。
「日本人が中国国債を買えないのに中国が自由に買えるのはおかしい」とは今まで思ってなかったのですが、為替介入した場合に、何かしらにしないといけないので、その場合には国債にするのが一番健全ですもんね。元に介入する事は当分無いんでしょうけど。
はい、そのご理解で結構です。